涙がでる理由
"泣きたくないのにないてしまう"
私はこのポエム共感する。
ううん、共感なんかじゃなくてまさにこれが私だから。
私には好きな人がいる
だけど叶わないと知っている。
忘れたい、だから私は君を"嫌い"という対象で見る。
「ねぇこれ落としたよ」と君が言う。 君っていうのもおかしいせめて名前をつけてあげよう。
雄平が言う。
私は雄平が大嫌いだ。
「拾ってくれてどうも じゃ…」と私は走って雄平から離れる。
私は雄平のそばにはいたくないし、雄平の顔なんて見たくもない。
でも雄平の顔は必ず見る。 だって"同じクラス"だから
私がそのまま席について勉強すると雄平が近づいてきた。
「君、勉強してるなんて偉いね」と雄平が言う。
「別に…もうすぐ期末テストだし…勉強するのは当たり前だと思うけど…」と私は言う。
はっきり言って勉強の邪魔だ。
「そうだよね…じゃあさ分かんないとこ教えてくれないかな…?」と雄平は言う。
冗談じゃないわ!? こっちはあんたの顔が離れようと精一杯なの!?
「別に良いけど…余計なおしゃべりはしないでね」と私が言うと雄平は「わかった」という。
なんてことをしてしまったんだー私!!
でもまぁいいわ これで馬鹿に出来る!!
私が教科書をめくると雄平が「あ!?ちょっとまってよ」と言う。
「なぜ?」私が言うと「だってまだQ1なんだけど…」という。
「おそ… まだそんなとこやってるとかどんだけ頭悪いの!!」と私は言った。
だけど雄平はヘラヘラ笑って「馬鹿なんだよ」と言う。
するとクラスの人たちが雄平の周り集まってくる。
「なぁ雄平何やってんの?」とクラスの男子言う。
「勉強、勉強だよ」と雄平は言う。
私はチラリと雄平のノートを見た。
字がきれいで問題も全部合っていた。
それほど馬鹿じゃないのかも…
「うっそぉー雄平が!? ありぇねぇー 君どうやってこんなやつに誘惑させたの?」とクラスの男子が言ってきた。
「誘惑ではないし、それに私"君"と言う名前じゃないし」と私は言う。
「誘惑じゃないってそれ以外になんかあるの?」と男子がいう。
「雄平が勝手に来ただけだし」と言う。
「もしかして君雄平のことが好きなの?」と男子たちがいう。
「えー」「でもありえる」とかいろいろ男子が言う。
「好きじゃないし、大嫌いだから…」と私は言った。
私がチラッと雄平の顔を見たら青ざめた顔だった。
え? なんでそんな顔するの?
大嫌いって言わなかったらどんな顔してたの?
何かがモヤッとした。
「そっか…ごめんね…迷惑だよね…」と言った。
雄平と私の見ている世界が違うの
だから"つりあわない"。
そんなの分かっているのにさっきの顔が横切る。
雄平はそのままどこかに行った。
ねぇ追いかけていいのかな?
私は頭で考える前に先に体が動いてしまった。
私は探した。 雄平を。
そして見つけた。雄平を。
屋上で一人空を見つめていた。
私が屋上に入ると雄平はこっちを見た。
「嘘…だから…」「え?何が?」と雄平は言った。
「さっきの…嘘だから…本当は雄平のこと好きなの!!」私は言った。
言ってしまった。
「何で泣いているの?」と雄平が言った。
私は気づかないうちに涙があふれていた。
"泣きたくないのに泣いてしまう" まさに今の私だ。
「ごめんその返事には答えられない」と雄平は言う。
やっぱり。知っていたんだ私は。
「うん 知っているだからわざと冷たい態度をとってたの」と私は言った。
でもやっぱショックだ。 やっぱり言わなきゃ良かった。
「じゃあバイバイ」と私は言った。
この涙の理由は雄平にある
この涙が消えたとき私はまた同じ態度をとってしまうだろうう。
涙はその日ずっとあふれていた。
そう雄平を思って泣いていたのだ。