第14話 ショッピング
夏休みになった7月最後の日曜日の朝。今日は美幸は仕事が休みで、美咲はバイトが休みで、美鈴と美月と美春は部活が休みだったので、久しぶりに家族5人で出かけることになった。
9時前に家を出た5人の行き先はアウトレットショッピングモールだ。
電車でなく、車で行くので駐車場に行く5人。車はブリリアントシルバーのエルグランド350Highway STAR(8人乗り)。座席は運転席に美幸、助手席に美咲、2列目の運転席側に美月、助手席側に美春、3列目の運転席側に美鈴が座っている。
「忘れ物はない?」
「ないよ!」
「出していいよ、お母さん!」
「わかったわ」
美幸はエンジンをかけ、車を走らせた。
車を走らせて1時間、埼玉のアウトレットショッピングモールに着いた。
このアウトレットショッピングモールには、あらゆる専門店がある。さらに、アミューズメントや映画館、レストランやカフェなどもあるため、客が多い。
「それじゃあ、まずはどこから行く?」
「「私たち、新しい服を買いたい!」」
美月と美春の希望で服屋に向かった。
「「あ、これかわいい! どうかな、美鈴ちゃん!」」
「2人とも似合ってるよ!」
一卵性双生児である美月と美春は買う服が同じでサイズも同じなので、2人はお揃いの服以外の服をいつも貸し合っている。
「ねえ、美咲。これとこれの組み合わせはどうかしら?」
「すごく似合ってて綺麗だよ、お母さん!」
「ありがとう!」
5人のやり取りを見ていた店員や客は『なんて美人なお母さんと4人姉妹なのかしら』と思った。さらに『あのお母さん、何歳なのかしら?』や『とても子供が4人いるようには見えないわ』、『ほんとに母親なの?』などの会話まで飛び交っていた。
そんな会話がされていたとは知らない美咲たちは2時間ほど服を見ていた。




