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最強美少女と最強男子  作者: キシゲ イシン シヨウ
第3章
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第9話 斎藤家の実力(美幸編)

 美鈴たちがヤンキーたちを倒していた頃、美鈴たちの母親である斎藤美幸は、某企業の担当者との新企画の商談を終え、部下の藤村ふじむら利奈りなと本社へ戻る途中だった。

「商談が無事済みましたね!」

「そうね。とりあえず、一段落したわ」

「久々に定時退社できますね!」

 新企画で企画課の社員は大半が残業続きだったが、先程の商談が無事成立したので残業がなくなったのだ。そのため、利奈は満面の笑みだ。

「あら、その顔はひょっとして今日はデート?」

「そうなんです! 2週間ぶりに彼と会うんです!」

 利奈は入社4年目の現在25歳。真面目で明るく、よく気が利く。髪は茶系のセミロングでルックスが良くスタイル抜群のため、男性社員の人気No.1なのだが、イケメンの彼氏がいて、超ラブラブで彼氏以外眼中にない。

「課長はどうなんですか?」

「何が?」

「恋人はいないんですか?」

「いないわ。だって、私は今でもあの人のことを愛しているから、他の男に興味はないわ」

 あの人とは、亡くなった夫、つまり美咲たちの父親である斎藤晃だ。

 あきらと美幸は幼稚園時代からの幼馴染で中学生の時に付き合い始め、その時から2人は愛し合っていた。2人が小さい時から双方の両親とも将来結婚させようと話していたらしい。そのせいか、2人は高校卒業と同時に学生結婚したのだ。そのため、晃が亡くなった今でも美幸は晃のことが好きで愛し続けている。

「憧れます! 私も課長みたいなりたいです!」

「もう既にあなたは彼のことを愛し合っているでしょ」

「はい!」

 完全に惚気話になっていた時だった。

「誰かー、その男を捕まえて! ひったくりよ!」

 そう叫びながら女性が鞄を抱え込んで逃げる男を追っていた。すると、美幸が男の前に立ち塞がり、男の腕を掴み、投げた。男は突然のことで呆気にとられ、周りの人たちも呆然としていた。

 そのあと、美幸は駆け付けた警官に男を引き渡すと利奈と一緒にその場を去った。





「凄かったです、課長! あんな簡単にひったくりを投げちゃうなんて!」

「大したことはないわ。ただ合気道が得意なだけよ」

「合気道出来るんですか?」

「学生時代習っていたからね」

「あれ? でも課長って高校時代はバレー部で全国制覇したって話を聞いたんですけど」

「たしかにそうよ。高校の時はバレー部、中学の時はバスケ部だったわ。合気道は小学生の時から習っていて中学高校でも部活をしながら習っていたのよ。おかげで合気道は三段持っているわ」


 ちなみに、晃は学生時代は野球、サッカー、バスケ、剣道、柔道、空手をやっていて、剣道三段、柔道三段、空手三段を持っていた。つまり、美咲たちの運動神経の良さは遺伝のようだ。






 定時に退社できた美幸はどこにも寄らずに駅へ向かう。駅に着くとちょうど電車が来たので乗った。途中、新宿で乗り換え、自宅の最寄駅である千歳台駅で降りた。千歳台駅はそれなりに大きく、駅前の商店街や周辺はショッピングモールやスーパーなどが多数あり、人通りの多い。

(この時間だと人が多くて安心できるわ)

 残業で帰宅が遅くなると家に着くまで神経を研ぎ澄まさないといけないため疲労が溜まるが、今日みたいに定時退社だと、人通りが多いため、リラックスした状態で帰宅できるのだ。

 ところが……。

「ねえねえ、そこのお姉さん!」

「俺たちとこれから遊ばない?」

 チャラチャラした6人の男たちが話しかけてきた。

「お姉さん綺麗だね!」

「俺たちと楽しもうよ?」

「俺らが奢るから!」


(ナンパね。しかもこの人たちの目、イヤらしい目ねぇ。端から淫らなことしか考えてないわ)

 美幸の容姿は20代に見えるほど美人でスタイル抜群。恐らくチャラ男たちは20代のOLと思ってナンパしたのだろう。まさか35歳の既婚者だとは思わず。


 美幸はチャラ男たちを無視して歩き始めたが、チャラ男たちもついてきた。







 拓海は家からかなり距離の離れた本屋からの帰り。

(たまには歩くか)

 そう思い歩き始めた。駅を通り過ぎ少しすると、1人の女性に6人の男が絡んでいた。




「ねえねえ、行こうよ」

「……………」

「なら、ホテルで楽しもうよ! いっぱい気持ちよくさせてあげるから」




(アレってナンパだよなぁ。あいつら、街中で堂々と下心丸出しかよ。それにしてもあの女性凄いなぁ。完全に無視してるよ)

 拓海は離れたところから様子を見ていた。すると、女性は一言も口を開かず、6人の男たちを置いていく。今度はついていかなかったので諦めたのかと思った。ところが、女性の背後から襲いかった。

「(まずい!)」

 拓海は走り出し、女性を助けに向かった。



 しかし、女性は男たちの攻撃をかわして男たちを投げ始めた。




 1人目の攻撃をかわし避けると男の右手首を右手で掴み、左足で男の右足を払って投げた。1人目は背中を打ち付け気絶。2人目の男の右フック左手で払い、隣にいた3人目の顔面にぶつけさせ、2人目の男の股間を蹴り上げた。2人目は両手で股間を押せながらのたれ、3人目は壁にぶつかり気絶。4人目と5人目が挟み撃ちで殴りかかってくると、あえて当たるギリギリのところでかわし、同士討ちさせた。最後の1人は背後から押さえ込もうとしたが、ひじ打ちを入れ、男の足の甲を踵で踏みつけた。ハイヒールを履いていたため、男は足を押さえて痛がってた。その間に女性は足早にその場を後にする。




(凄いなぁ。俺の出る間のもなかったなぁ)

 拓海がそう思ったその瞬間、足を押さえていた男がポケットからナイフを取り出し、女性に向かって走り出した。ナイフが見えた拓海は全力で走り出す。

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