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最強美少女と最強男子  作者: キシゲ イシン シヨウ
第3章
38/52

第6話 断る!!!

「可愛いからって汚い手で触るな」

 声と一緒に美咲の腕を掴んでいた男の手が放れ、誰かに抱え込まれた。

(!?)

 その声は美咲が知っている人物のものだった。

「熱っ!! 大丈夫、斎藤?」

 そう言って拓海は美咲の額に手を当てると、かなり熱く、顔を見ると真っ赤だった。

「「「く、黒田!?」」」

「誰かと思えば、中学時代よくうちの学校に喧嘩を売りに来て、いつも俺らに返り討ちにされた奴らか」

「「「す、すいませんでしたー!!」」」

 チャラ男たちは全力でその場を去った。

「……ありがとう……黒田……」

「どういたしまして。だから、ゆっくり休みな」

 拓海の言葉を聞くと、美咲は眠りについた。






(…………ん………ここは……私の部屋……)

 気が付いた美咲はここが自分の部屋であることを確認。どうやら店長が連絡して美幸に迎えにきてもらったようだ。今、何時なのかと、時計を見ると、時計の針は12時を指している。この部屋には窓がないため、昼なのか夜なのかはわからない。そこへ、美幸がお粥を持った。

「具合はどう?」

「まだ少し熱があるみたい」

「そう。もう頑張りすぎないでね」

「うん。今、夜?」

「お昼よ。お粥作ったけど、食べる?」

「うん」

 美咲はお粥を食べ、また眠った。翌朝には完全復活した






 月曜日――――――――――――


 拓海は昼休み、時々校舎の屋上の端で昼寝をしている。金曜日のお礼を言うために、美咲は屋上に向かう。

 屋上に出ると、偶々なのか生徒の姿はなく、隅の方を見ると拓海が横になっていた。

「黒田、起きてるか?」

「ん? 何、斎藤。どうかした?」

「金曜はありがとな」

「別にいいよ。そんなこと」

「そうか。だが、貸しを作るのは好きじゃないからお礼をしたいんだが、何も思いつかなくてな。何かないか?」

「………それじゃあ、俺の彼女か俺だけのメイドになって」

「どっちも断る!!!(怒)////////」

 美咲は顔を赤くして怒鳴ると、その場を全力疾走で立ち去った。

(何なんだよ、あいつ! これじゃあ完璧に某少女漫画にそっくりな展開じゃない! 一体あいつは何がしたいのよ!? これだから金持ちの考えていることは理解できないのよ!)

 美咲は頭の中がパニック状態になるのであった。






「………やっぱり、まだ無理か………」

 誰もいない屋上で拓海は呟き、立ち上がって先程まで美咲がいた方を向き、今度は笑みを浮かべて呟いた。

「………頑張るか………俺のことを好きになってくれるように………」

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