第17話 最強の4人VSファンクラブ 第5戦 (3)
赤のマッチアップは4番が美奈、5番が美帆、6番が由佳、7番が美琴、8番が美咲。
美奈はドリブルをしながら、赤の穴を探す。美帆が5番の隙を突いてゴール下に走る。美奈と美帆の視線が一瞬交わると、ボールをついている左手でボールを掴むことなく、リング横に投げる美奈。
「「「「「!?」」」」」
赤は美奈の動きが速すぎて動けない。ボールがリングの横にきたとき、ゴール下に走っていた美帆がジャンプしてボールをキャッチ。そして、そのままリングに、「ガシャン」、叩き込んだ。
「アリウープ!! しかもダンクだ!」
「女子のダンクなんて、俺初めて見た!」
「オレも!!」
「ナイッシュウー! 美帆」
「美奈こそ、ナイスパス!」
自陣コートに戻る青。赤はアーリーオフェンスで攻めるが、やはり戻りが速い。
「ディフェンス!」
美咲が叫ぶと先ほどのマンツーから変わって1−3−1ゾーンのゾーンDFになった。
「なっ!?」「ゾーン!?」
3Pで追いつこうとした赤にとって最悪のゾーンだ。時間は10秒を切った。4番はインサイドの5番にパスを出し、5番はフェイドアウェイでシュート。
ガシャン
ビーーーーッ
「第1クォーター終了です!」
青28−5赤
「次からはさらに攻めるわよ! みんなにパス出すからね!」
「OK!」
「まかせて!」
「足を引っ張らないように頑張るわ!」
「わかった」
「4番のパスに注意! 5番は足の速さ、8番はジャンプ力に注意!」
「6番と7番は?」
「6番の由佳も少々厄介だけど、今のところはもんだいなさそうよ。7番は全然問題ないわね」
冷静に分析している赤。だが、唯一のミスは美咲への判断を見誤ってしまっていることだが、そのことには現時点では気付かない赤のメンバー。
ギャラリーで見ていた拓海たちはここまでの試合状況を分析している。
「美島さんのパスはとんでもないね!」
「北村さんのアリウープもびっくりしたね!」
「……雅樹は見ていてどう思った?」
「赤はあまり点は取れないね」
「だろうな」
「……問題は」
「斎藤……だな」
「確かに。いつ動くか、だね」
ビーーーーーッ
「青ボールからです」
美奈はボールを受け取るとすぐ美琴にパスを出す。美琴はドリブルでインサイドに突っ込んでいく。と、見せ掛けてアウトサイドの美咲にパス。ノーマークだった美咲はそのまま3P。
「しまった!」
ザシュッ
「ナイッシュウー!」
すぐに戻る青。赤はそのためなかなか攻めきれない。
シュートを打つが入らず、リバンドを美帆に全て取られてしまう。
「ディフェンス!!」
それでもなんとかファーストブレイクだけは防いでいる。
しかし、美奈のパスをカットできず、穴を突かれまくり、美帆のダンク、由佳のジャンプシュート、美咲と美奈と美琴んお3人の3Pで点差はどんどん開く。
赤はなんとか4番7番8番の3Pで食らいつくが、なかなか打たせてはもらえない。それでも5番6番のジャンプシュート、8番のドライブで点を取る。
第2クォーター残り20秒。Cの美帆が3Pを打った。
ザシュッ
今のシュートが決まり、得点が青100−29赤。
「嘘でしょ……」
「半分も終わってないのに100点取られるなんて」
まさに美帆の3Pが相当のダメージを与えたようだ。まだ美咲が本気を出していないのにだ。
「どうする? 美咲」
「予定通り、第3クォーターから本気で行くわよ!」
「わかった」
ピーーーーッ
「第2クォーター終了です」




