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最強美少女と最強男子  作者: キシゲ イシン シヨウ
第2章
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第14話 最強の4人VSファンクラブ 第4戦 (2)


 バッシャーン



 美琴とファンクラブ側の第1泳者、Aがほぼ同時に飛び込んだ。まず最初のバタフライは、美琴の方が少しリードしているがほぼ互角の泳ぎで折り返し背泳ぎへ移行。バサロで少し差が出て、美琴が頭一つリードした状態で折り返して平泳ぎに変わる。

「どうやらこのまま美琴が抜かれずに美奈に繋ぎそうね」

「そうだねっ」

 得意の平泳ぎに変わった美琴はペースが上がり、Aをどんどん放していき、美琴が折り返すときにはAとの差が体一つ分以上になっていた。

 クロールになると差は変わらないまま美琴が先に泳ぎ終わり、タッチ。美奈が飛び込み、水中をドルフィンキックで15mまで泳ぐ。美奈が飛び込んでから遅れてAが泳ぎ終わり、タッチしてBが飛び込む。

「(ここは得意のバタフライで一気に差を縮めて最後の自由形で逆転してやる)」

 この時点で美琴がリードした体一つ分差があるため、Bは縮めようと始めから飛ばす。


 しかし、この方法が裏目に出るとは、Bはまだ知らない。


 Bが追い上げて美奈との差が体半分に縮まり折り返す。バサロで泳いで15m近くで水面にBが上昇すると、美奈との差が体二つ分も開いていたのだ。

 美奈は背泳ぎが4泳法の中で一番得意で中学1年の時のタイムがすでに高校生の全国トップクラスのタイムだった(美咲はそれ以上のタイムだった)。その中でもバサロ泳法が得意でバサロだけなら美咲とほぼ同じタイムで泳げる。しかもクロールも得意なため、Bは作戦は崩れたのだ。

「(バタフライで飛ばしすぎたわ! ここでまた飛ばすとクロールにまでスタミナが回らなくなるわ)」

 Bは飛ばすことができず、美奈がどんどん突き放していく。美奈が折り返したときには体三つ分以上離れていた。美奈はこのリードを保ったまま平泳ぎとクロールを泳ぎ、第3泳者の美帆へ。

 飛び込んだ美帆は得意のバタフライでさらに差を開く。Bが泳ぎ終わってCが飛び込んだ時、差は既に半分近く広げていた。美帆はペースを落とすことなく折り返して背泳ぎに。Cはなんとかこれ以上差が開かないよう全力で泳ぐが、差は開くばかり。背泳ぎで少し縮めたものの、平泳ぎでは変化なくクロールでさらに差が開いた。

 美帆が泳ぎ終わり、アンカーの美咲が飛び込む。ドルフィンで15mほど進んで水面に上昇すると、途轍もない速さで泳ぎ、Dが飛び込んだのは美咲が折り返してバサロが終わって水面に上昇してきた時だった。



 中学3年の時、美琴は平泳ぎ、美奈が背泳ぎ、美帆がバタフライのタイムがオリンピック選手並みのタイムで美咲は4泳法全てが世界記録より速かったのだ。つまり、勝負する前からこの結果は出ていたのだ。



 結局、勝負の結果は美咲が泳ぎ終わったとき、Dは平泳ぎで20mを過ぎた辺り泳いでいたという圧倒的泳ぎで美咲たちの勝利だった。


「「「「「「「は、速すぎ…………」」」」」」」

 この声が聞こえて始めて美奈たち3人はギャラリーに気付いた。

「あれギャラリーがいたんだ」

「余りにも静かで気がつかなかったわ」

「私も」

「盗撮はされてないから大丈夫よ」

 美咲のこの言葉に3人は、「(さすが美咲。こんな時でも気配を察知するなんて……)」と思った。


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