第9話 初めての会話 (2)
そこにいたのは、先程までラウンジに掲示されているテスト結果表の前で沈んでいたはずの雅樹だった。
「バスケなら付属中バスケ部エースだった俺に相談してくれよ!」
「なんであんたが出てくるのよ!」
話に割り込んできたことに美琴が突っ込んだ。美琴と雅樹を無視している美咲を除いた他の人たちは呆然としている。
「まあ、細かい事気にするな!」
「「「「細かくない!!(怒)」」」」
美咲以外の4人が突っ込むが、雅樹はまたアホなことを言い、それに対してまた突っ込む。そんなやり取りが暫くの間続き、さすがの美咲も我慢の限界が近づき、一発食らわして黙らせようと思い動こうとした、その時。
「雅樹、流石にしつこいぞ」
祐輔と駿が止めに入った。
「どこがだよ!」
「全部………」
さらに拓海も加わり、珍しく拓海が突っ込んだ。拓海が突っ込んだときは、いつも威圧感があり雅樹でさえ黙ってしまう。拓海の言葉のおかげで雅樹が黙ったので美咲は動かずに済んだ。
「それにいくらお前がバスケ部だったからと言ってプレースタイルやポジションが一緒とは限らないだろ」
「うー……」
拓海の言葉に雅樹のテンションが下がり静かになったので、美帆と由佳は話進め始めた。
美咲は自分には関係ない話になったので、弁当を食べる前にトイレへ行った。
「(椎名雅樹、ほんとに五月蝿い男だ)」
少々不機嫌なままトイレから戻ってきた美咲は、目の前の光景に怒りを覚えた。なんと、雅樹が美咲の席に座って机の上に置いておいた弁当を勝手に食べているではないか。そのことに周りはまだ気づいていない。
「(私のお弁当!!!!(怒))」
美咲は机を飛び越えて自分の席に向かった。
「うまい! この弁当!」
「お前、何食ってんだ?」
祐輔の言葉に振り向いた美奈たちはその光景に大声で叫んだ。
「「「あー!!!!」」」
「ん? 何?」
「ちょっとあんた! 何、美咲のお弁当勝手に食べてるのよ!」
他人の弁当を無断で食べているという自覚がないような返答に美琴が文句を言った。
「いや~、腹減っちゃって」
「だったら、自分の弁当食べなよ!」
「速弁したから、もうないんだよね」
「なら、食堂行って食べてきなさいよ!」
「金勿体ないじゃん」
雅樹の言った理由に美奈たちは、頭を悩ませた。
「あんた美咲のお昼どうするのいよ!」
「食堂で食べてもらえば、いいじゃん」
「「「………あんた、死ぬわよ………」」」
。美咲の家はこの学校の生徒の中では親の収入が一番少ないと思われる。美咲はお金は必要最低限の金額しか所持してない。さらに、この学校の食堂は高いため、無駄な出費をしないためにいつも弁当を作って持ってきている。過去に美咲のお弁当を無断で食べた馬鹿がいて、そいつは後で美咲にボッコボコにされていた。だから、その最悪なパターンは避けようと、3人が美咲にどう伝えるか考えようとした。
しかし、時既に遅くもう美奈たちは真後ろに伝説の『鬼神』が現れてしまっていた。