vol.7 決着
智樹は課長に呼び出された。
「智樹君、前々から関西勤務を希望してたよな。来期から大阪本社で関西地区の顧客担当をしてくれ。勿論責任者として。栄転だ」
入試した時から行きたかった本社勤務だった。嬉しいが、何故か麻央の事が真っ先に浮かんだ。
「どうしよう・・・・」
普通に考えれば、《大阪本社勤務+沙希との結婚》と描いていた通りの理想の人生が待っている。でもどうしても麻央の事が引っかかる。
その週末、智樹は麻央と都内の喫茶店でデートしていた。
「智樹、今まで怖くて聞けなかったんだけど、関西の彼女とはまだ付き合ってんの?」
「・・・数ヶ月に一度帰省する時に・・・・」
「私とは《付き合ってる》のかな?」
「勿論!」
「じゃあ二股って事ね」
「麻央とこういう事になってからは先週末初めて帰省した。別れようと切り出したんだけど・・・・・」
「わかった。智樹の顔見てたら何考えているか良く分かるわ。誰かを犠牲にしてまで付き合いたくないから私から別れてあげる。」
と言い残し喫茶店を後にした。「ブチっ!」と音を立てて赤い糸が切れたのを実感出来た。
'これで良いのよ、良くやった麻央。5年も付き合って結婚寸前の彼女がいる智樹と無理に付き合い続けても二人共何か引っかかるもめめのが残っちゃうし、そんな状態で幸せになれる訳ない'と麻央は自分に言い聞かせた。
初めての失恋は勿論辛かったが、良く聞く’何日も泣き続ける'とかそういう引きづり感は不思議と無かった。
'自分から赤い糸を切って振ったからかなあ'と感じていた。
その数週間後、久々に親友の香織と麻央は会っていた。
「麻央、数年前に紹介しようとした占い師さんの事、覚えている?」
「覚えているわよ。ヨーロッパか何処か行っちゃって結局会えなかった人だよね、確か穂乃佳さんて名前だった」
「その穂乃佳さんに最近鑑定して貰ったんだけど、変な事言うのよね。'麻央ちゃんは元気してる?鑑定通りになっているでしょ。次も頑張ってそして本命は3本目よって伝えておいてね'だって。鑑定して貰ってないよね?3本目って何?」
「・・・・・・?????・・・・・!!!!!!」
-続く-




