表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
偶像の証明  作者: 川村尋之


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/24

ため息

 薄暗い刑事部屋の机に、葵は一人座っていた。


 資料を見ながら何やらノートに書き込んでいる。


「この会社に三百万でしょ、この政治団体には二百万、ここにも二百万、で、百万円がこっちに寄付されて………なんじゃ、これは」


 どうやら、佐原玲子の寄付金の流れを葵なりに整理しているようだ。


 だが、あまりにもいろんな団体を挟んでいるため、すぐにお手上げ状態になってしまうのだった。


 ボールペンを放り投げ、椅子の背もたれに大きく背中を預ける葵。玲子の母の顔が浮かぶ。

 

 あの子は、国のためにしっかりやっているんです。それなのに、こんな恨みを買うなんて…


 田上が逮捕したオレオレ詐欺の若者の母親の話を思い出す。


 高校生の娘を失い、葵に敵意の目を向ける母親の顔。


 そして、あの日、幼い葵を真剣に叱り、頬をぶった時の母の顔。


 剣道の素振りをする幼い葵に、指導する父の優しい顔。祖父が学校に呼び出された帰り道、二人だけの秘密だと笑った祖父の顔。


 次々と浮かんでは消える。


 葵は頭を振って立ち上がり、コーヒーポットのところへ行く。コーヒーのいい匂いが鼻をつく。紙コップを取って、コーヒーを注ぎ、ズズッとひとくち啜る。



 はぁ………と深いため息をつく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ