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異世界で世界に影響を与えて、通販をしよう!  作者: ナスカ
第一章 異世界生活の始まり
1/19

第一話 ふざけるなー!

Happy New Year & 明けましておめでとうございます。

そして初めまして。


初投稿ですがお楽しみいただければ幸いです。


 見渡すばかりの草原のど真ん中で目を覚ます。一生の内に一度でもそんな経験をする人がどれだけいるだろう。


「え、え~と、夢?」


 東条隆也はそんな現実離れした状況に陥り、まともな判断が出来ないでいた。


 現実逃避したくても目ははっきりと覚めているし、周りは見渡す限りの草原で人っ子一人見当たらないので誰かに現状を訊くことも出来ない。


 これが現実なら、否、現実なのだからこのままでは野垂死に確定である。


 そんな絶望的な未来図が頭をよぎる中、隆也はある事に気がついた。なんと自分がスマホを握りしめていたのだった。


「よし、これでせめて位置だけでも分かれば!」


 唯一の希望とばかりに画面を見ると


「ナニコレ?」


 ”メール”と”ショップ”しか画面に表示されていない。しかも

「よくよく見たらこのスマホ、俺のじゃないよな…」

希望は一瞬で潰えてしまったかに思われた。


 しかし画面をよくよく見てみると”メール”に受信があった。人のスマホに送られてきたメールを見るのは気が引ける。しかし今、絶望の淵にいる隆也にとっては何が助けになるか分からない。


「持ち主さん、助かったら後で謝りますから」


 誰とも知れないスマホの持ち主に謝罪してからメールを開くと


『お目覚めかな、東条隆也君。

 おはよう、いや、こんにちは、かな。

 僕は隆也君達からみると高次元の存在、まあ”神様”と思ってくれて間違いないよ。

 早速だけど今、君が置かれている状況とこれからについて説明するね。

 もしかしたら察しているかもしれないけど、君は異世界に転移した。僕の力でさせたんだ。

 何故そんな事をしたのかって云うと、

 その世界は君に分かり易く言うと、ファンタジーの世界だけど、

 良くも悪くも安定しすぎてしまって発展も衰退も止まってしまった世界なんだ。

 勿論、街が大きくなるとか、人口が増えるとかそう云った発展はある。逆の衰退もある。

 僕が言う発展や衰退は人が高みに上るか、落ちるかと云った発展や衰退なんだ。

 そんな世界はつまらない、っていうか、持て余してしまう。

 だから君にはその世界に良くも悪くも刺激を与えて、良ければ発展、悪ければ滅亡に導いてほしい。

 発展するんだらそれで良し、滅亡したらしたで新たに創り直せばいい。

 真っ新の方が創り直す時には好都合なんだ。

 何故君がそんな役目に選ばれたかっていうと理由は”なし”。

 選ばれたんじゃない。僕の異世界転移させる力に偶然引っ掛かったのが隆也君だったってだけ。

 もっと平たく言えば、誰でも良かったけど適当にやったら隆也君だったって事。

 でもね、君が世界に大きな影響を与える力があるかって訊いたら無いよね。

 断じて無い、絶対無い、間違っても無い。

 二十歳の若造、取り立てて優れた能力も特技も持ち合わせていない。

 強いて言えば、現在は天涯孤独という境遇なのでバイト経験が豊富くらいかな。

 そんな君に何が出来る? 何もできずに野垂死に確定だよね。

 でも僕は鬼じゃない。”神様”だ。

 今君が手にしているスマホもどきの”ショップ”を見てごらん。

 その”ショップ”で様々な物を手に入れることが出来るんだ。

 代金は君がこの世界に与えた影響をポイントとして与えてあげるからそれを使ってね。

 当然の事ながら世界に与えた影響が大きい程沢山のポイントが得られて、

 価値のある商品ほど多くのポイントを必要とする。

 因みに”メール”は僕からの受信専用だから僕に送信したくても出来ないよ。


 さて、説明はざっとこんな物かな。精々頑張って生き延びて、

 世界に影響を与えてくれたまえ。これは君の使命だ。なんて神様っぽいことを言ってみました。

 追伸、忘れたことがあったらまたこの”メール”で伝えるね。


                        ”神様”より』


 この人をバカにしたような”メールを一読して隆也が最初にした事は

「ふざけるなーー!!」

叫ぶ事だった。




 感情のまま絶叫した隆也だったがそんな事をしても事態は変わらない。


 とりあえずはスマホもどきの”ショップ”を確認することが優先だった。


「へえ、これは便利だな」


 ”ショップ”は元の世界の通販サイトに似ていて、食料や衣料、雑貨に至るまで各種取り揃えてある。


 しかも元の世界の物に限らず『ポーション』の様な元の世界には無く、この世界にしか存在しない物まで売っている。


(もしかしたら、この方法は使えるかもな)


 隆也がある事を思いついた。最もそれは街に行かないとどうにもならない。


 そんな事を考えながら更に”ショップ”の確認を続けると、かなり物騒な物まで用意されている事に驚いた。


『銃』などは序の口で『戦車』『戦闘機』まで各種取り揃えてある。極めつけは『核兵器』…って、

「こんな物騒な物を通販に出すなーー!」

と隆也が叫び出すような物まで存在した。


(これって俺が破滅思想の持主だったらこの世界を滅ぼしかねないと思うんだけど…。

 あ、でもあの自称”神様”はそれも許容するって事だったし…)


 隆也は頭を抱えながらも立ち上がった。


「右も左も分からない、じっとしてても助けはこない、じゃあ動くしかないな」


 そんなある意味達観した考えで隆也は行動を開始する。


「街道でも見つからないかな?」


 そう思い只管広い草原を歩いていると、意外とあっさりと街道が見つかった。


 街道は当然の様に180度左右反対に伸びている。ただしどちらも視認できる範囲に街はない。


「さてどっちに行くか…」


 悩んでも正解は分からない。しかし街道を進めばいずれは街に着くだろう。


 そう考えて歩き出してから1時間、いや、2時間も歩いただろうか。


 少しだけ疲れを感じ始めた頃、不意に後ろから、

「おい、こんな所でどうかしたのか?」

荷馬車に乗った商人に声を掛けられた。


「いや~、マルスに拾って貰って助かったよ」

「偶然だよ、偶然。

 行き先は一緒で手間も掛からない。

 それに話し相手が出来たのは俺としても嬉しいしからな」


 隆也に声を掛けた商人はマルスといった。この街道の先にある街デルタに向かう途中で隆也を見つけたとの事で、荷馬車に同乗させてもらっている。


「しかし隆也も野盗に襲われるとは災難だったな」

「まあ、命があっただけでも良しとするさ」


 隆也は最低限怪しまれないように、自分も商人だが野盗に襲われ荷物を全部奪われた。しかし隙をついて何とか逃げて命だけは助かった、と話していた。


「それにしてもよく逃げきれたな」

「昔から逃げ足だけは速かったからな」


 隆也は自分で語った設定に沿って話を合わせていた。


 そんな道すがら、隆也はこの世界、この国の常識を教えてもらっていた。


 この国は王都を中心として十二の州がありそれぞれの公爵家が治めている。だから州は公爵の領地と云える。その州の中で州都と呼ばれる一番発展している街が公爵の直轄地となっているが実務は代官が行っている。そして公爵本人は王都に詰めているのが通常との事。州の中の州都以外の街はその公爵の寄子である貴族がそれぞれ治めている。その街を治めている貴族は街に詰めているのが主流との事だった。


 そして今、隆也たちが向かっている街であるデルタはアリエス公爵の治めている州で、中堅の大きさという話も聞いた。尤も隆也は治めている貴族の名前に興味がないので訊かなかった。




「本当にありがとうな」

「ああ、俺も話せて楽しかったよ」


 デルタに到着し、隆也とマルスは互いに礼を述べ合う。


「でも隆也はこれからどするんだ?

 荷を全部取られて一文無しじゃ、なにも出来ないだろ?」

「いや、商売の宛はあるんだ。

 ただこの街で商売をやろうとしたら…」

「商業ギルドへ登録は必須だな。

 ついでに狩りとかをするなら冒険者ギルドに登録してからにしろ。

 どっちも登録料が必要だけど、分割後払い制度があるから文無しでも大丈夫だ」


 マルスは隆也が訊きたいことを先回りして教えてくれた。


「じゃあ、もう行くからな。

 縁があったらまた会おう」

「ああ、そのうちマルスと取引する機会があるかもな」


 隆也はマルスと別れた。短い間であったが、この世界に知人もいない隆也はマルスと出会えて僥倖だったと心から思った。


「さて商業ギルドに登録だったな、でも…」


 初めて訪れた街で商業ギルドの場所など分かるはずも無く途方に暮れてしまう。マルスにそこまで乗せて貰えば良かったと後悔する隆也であった。




 さて、人に道を尋ねて何とか商業ギルドの前までやって来た。因みに冒険者ギルドは隣の建物らしい。


 そこで隆也のスマホもどきから電子音が響いた。それを見ると”メール”が届いている。


『やあ、隆也君、先ほど伝え忘れて事があったよ。

 君には転移に伴い二つのギフトを付与しておいたんだ。

 一つは《言語共通化》。これは言語を勝手に翻訳できるギフトだよ。

 もう、誰かと話しをしたならばその能力の一旦を実感できたんじゃないかな。

 しかもそれは文字にも適用され、読み書き双方に対応しているチート。

 もう一つは《精神強化》。これはグロ耐性とか倫理無視とか言った方が分かり易いかな。

 この世界で暮らすにあたってはグロい場面には必ず遭遇するし、

 倫理観で行動を躊躇えば即死亡。

 それを防げるんだから地味に優秀なギフトだよ。

 あ、お礼はその世界に影響を与える事で許してあげるよ。僕は”神様”だから寛大なんだ。

 では、頑張ってね~。

                         

                        ”神様”より』


(こいつずっと俺を監視してるんじゃないのか?)




 隆也は商業者ギルドに入り真っ直ぐカウンターへ向かうと

「いらっしゃいませ、ご登録ですか?」

 受付嬢が美人なのは万国共通なのだろうか?


 申込書類を手渡され、記入が必要になるが《言語共通化》のギフトのおかげで問題なく記入できた。


 代筆を聞かれなかったのでこの世界は識字率が良いのかとも思った隆也だったが、商売で身を立てようとするなら読み書きは必須技能なだけだった。


 記入した申込用紙を受付嬢に提出すると

「では、登録料1000ギルお願いします」

「今は手持ちが足りないので分割後払い制度をお願いします」

「かしこまりました。

 ただ毎月最低100ギルは収めてください」

と問題なく登録が出来た。


 そこで隆也は声を潜めて

「ちょっと伺いますが、胡椒って高額で取引されていますか?」

と受付嬢に訊いてみる。すると受付嬢は

「え、ええ。

 胡椒はかなり貴重ですから」

と教えてくれた。


「ただ信用できる伝手と交渉力がなかったら当ギルドに卸す事をお勧めします。

 何しろ商人は海千山千で、少しでも安く買い叩こうとするし、

 売る時は高値でぼったくろうとします。

 ギルドはそういった事がなく、適正価格で取引しております」


 受付嬢はしっかりと助言と営業をしてくれた。


 隆也が胡椒が高額だと察しがついたのは、元の世界のファンタジー作品で定番だからだ。それで確認してみたら見事に正解だった。


「あの少しの時間、部屋を一室お借りできますか?

 実は服の下に少しだけ隠してあるんです」


 そう言って受付嬢にギルドの部屋を貸してもらう。


 無論、隆也の服の下に荷など隠していない。ただ隆也には考えがあった。スマホもどきで”ショップ”を起動させ、その中の『借入』を選択する。隆也はまだ世界に影響を与えていないのでポイントは0。しかしこの『借入』は限度額を1000Pとしてポイントの借り入れが出来る。勿論、利息はあってそれはトイチ。とは言っても利息の支払いはポイントでではなく、利息のポイント×1時間の寿命、であった。例えば1000Pの『借入』をして10日経過すると1000Pの一割100P×1時間、つまり100時間分隆也の寿命が減少するものだった。隆也はその『借入』を使うことにした。


『借入』を使って買うのは勿論、胡椒だ。しかし限度額一杯使うのではなく半分の500P。この500Pで胡椒を5㎏買う事が出来た。


 ”ショップ”で胡椒を買う操作をすると目の前に胡椒が現れ、重力にひかれて床に落ちる。


 隆也はそれを持って部屋を出てカウンターに提出した。


 受付嬢は隆也の言葉ぶりから、胡椒をもっているかもと推測して驚かないだろう思ったら、

「まさか、本当に…」

どうやら半信半疑だったらしい。


「直ぐに鑑定してまいります」


 そう言って受付嬢は胡椒を持って奥へと向かった。


 そして10分も待っただろうか、

「胡椒5㎏で3万ギルになります」

と言って受付嬢はトレイ(の様な物に)に乗せて金貨を差し出してきた。


 この国の通貨単位は『ギル』で、通貨は銅貨が1ギルで、大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、大金貨と10進法で上の硬貨になっていく。そしてこの国での普通の宿屋の宿泊料は1泊500ギルが相場だ。つまり隆也は宿泊だけなら60泊の金額を得た事になる。


 隆也は内心でガッツポーズしながら金貨を受け取った。




 大金を得た隆也だが生活の安定を優先して登録料は分割後払いのままにしておいた。


 そして隆也は直ぐに隣の建物、つまり冒険者ギルドへと入った。

「いらっしゃいませ、ご登録ですか?」

 ここでも受付嬢は美人だった。ただ胸は商業ギルドの受付嬢の方が大きいかな…。


 商業ギルドと同じ様に申し込み用紙に記入して提出する。そしてこれも同じように分割後払い制度をお願いして手続きが完了した。


 その後に冒険者の常識やルールを教えて貰った。


「あちらのボードに貼ってあるのが現在依頼が出ているクエストになります」


 そう受付嬢に教えて貰って依頼を見てみると依頼はさまざまだった。


 隆也はその中の

【角兎討伐】難易度 E

 報酬 角兎1羽に着き100ギル

が記載されてある紙を手に取って

「この依頼を受けます」

と受付へと申し出た。


 すると受付嬢は少しだけ驚いた表情をして

「角兎の討伐は難易度E ですけど丸腰だと危険ですよ」

と助言をしてくれた。


「承知してます。

 自分も馬鹿じゃないので考えがあります」


そんな隆也の答えに

「はい、では頑張ってください。

 あと、討伐依頼は特別な物以外は受付に事前報告は必要ありません」


 聞けば、魔獣の討伐はほぼ元の世界でいう害獣駆除で年中受け付けているらしい。それに薬草採取などで魔獣に遭遇すればついでに討伐する事も多いので事前報告は不要との事だった。


 余計な恥をかいた隆也は急ぎ足で冒険者ギルドを後にするのだった。

自分で書いておきながらですが、説明が多過ぎです。

しかも物語が進行していない。

異世界物はどうしても独自設定が存在するので、必要であるのは間違いないですが、それでももっと上手くするべきです。自分の文才の無さが恨めしいです。


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