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か…可愛いんだけど

子供………?

こんなとこにいる子供といえば、ルドウィクの6

歳の弟、ケディだろうか。


声の方を見ると、メイドの後ろに隠れるようにしながら、幼い少年がプルプルと震えて、こちらを見ていた。


か………可愛いっっ!!何この子!!?

金髪碧眼に目はくりっくりだし、愛らしい顔をした天使か、おのれは!?

なんて遺伝子なのベルシエ家!!?恐るべし!!


アドリシアは壇上から飛び降りると、メイドの前に立った。

すると思いっきりケディはビクッとして、今度は兄のルドウィクの背後に逃げて行った。


ガーンッ!!すっごい拒絶!


「あ……すみません、アドリシア嬢。弟のケディ・ベルシエです。人見知りがあって………。ケディ、ちゃんと令嬢に挨拶をするんだ」


ルドウィクはケディを前に押し出そうとするが、ケディは涙目で首を横に振りながら、嫌嫌とそれを拒絶する。


きゃ、きゃわいい。天使か小動物か、とにかく可愛い。見てるだけで癒される〜。


妹の子供なんて生意気で憎々しいったりゃ、ありゃしないのに。32まで実家で暮らしてたから、その間に出産で里帰りした妹の子の面倒を見てやったのよ。会社帰りで疲れてるのに、妹が風呂にのんびり入ってる間、ミルクあげて、ゲップさせてウンチのオムツ変えてやったのに、9歳になった今ではババァ呼ばわりよ。昔はお姉ちゃんって呼んでくれたのに。誕生日とクリスマスのおねだりの時だけ、しおらしくなっちゃってさあ。

小さい時はあんなに可愛いかったのに。


君もいつかは暴言を吐くような男になってしまうのかい?セディ君。


「いいのよ、いいのよ。ちょっと勢いありすぎたからビックリしちゃったかな」


アドリシアはセディの前で腰を屈める。

自分が子供で、こんな女がいたら間違いなくビビるわ。不審者として近寄らないわ。


「アドリシア・ゴルティックよ。今日からここでお世話になるの、仲良くしましょう」


優しくニッコリと笑いかけるも、セディはまだビクビクとしながら、警戒するようにじっと見てきた。


うん、正常正常。こんな不審者にほいほい懐くようじゃ、危なっかしいもの。しっかり警戒できて偉いわね。


「私達はお互いを知らないものね。私子供にはとびきり優しいから安心して。これから、ゆっくり仲良くなっていきましょう。よろしくね、セディ」


手を差し出しすと、セディは少し躊躇ったものの、おずおずとその手を取ってくれた。


きゃー!可愛いーっ!奇跡の6歳!


ニコニコ笑いながら、その手をギュッと握ってぶんぶん振っていると、ふと上からの視線に気づく。


チラリと上を見ると、ルドウィクがこいつ普通にも喋れたんだ、マジかよ、みたいな顔でガン見していた。


「ふふっ、底の知れない女でしょう?私」


不敵に笑ってみせる私。いい女でしょう?アドリシアは顔だけはいいんだから。


「さっ、セディく〜ん、一緒ごはん食べましょうね〜。おば……お姉ちゃんが取ってあげる〜」


手を繋いだまま、アドリシアは制止しようとしたルドウィクを無視してセディを引っ張って歩きだす。


まだぎこちないけど、セディと仲良くなったら〝お姉ちゃん〟って呼んで呼んでもらおーっと。


セディは3歳でルドウィクが戦争に行ってしまって、頼りの叔父はセディを別邸に追いやってしまい好き勝手して、セディに顔を見せることも、可愛いがる事もしなかった。愛情が必要な時期に、両親も兄もなく、放置されてしまった可哀想な子供なのだ。


こんな可愛い子をほったらかしで、ないがしろにするなんて叔父の奴、本当最低ね。


現実世界なら、このくらいの子供が私にいたって全然おかしくないのよね………。

お姉ちゃんでなく、お母さんでもいいわけだ。


よーし!ここにいる限りはこの恵梨香さんがいっぱいの愛情をあげますからねーっ!

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