31. コミケは最高
31. コミケは最高
そして週末土曜日。明日は葵ちゃんとのデートの日なので、大事な用事を済ませることにしている。ボクにとってすごく楽しみなイベントなのだ。
「うわぁ……やっぱりすごい人だなぁ」
コミケ会場の入り口で思わずそう呟く。今日の用事とはこのコミケに参加すること!やっぱりオタクとしては絶対に参加するイベントだからね。
そしてボクはいつもとは違う大好きなアニメのキャラクターのコスプレをしている。もちろん女の子だけどね。
さてと……まずはコスプレ広場だよね。とりあえず行ってみようかな?ボクは会場の案内板に従って進むことにする。そこにはたくさんのコスプレイヤーさん達がいたけど、みんな気合が入っていてクオリティが高い人が多かった。
「あの!アニメ『魔法少女リリカル☆シュガリィ』のクロエちゃんのコスですよね!写真いいですか?」
突然声をかけられる。声のする方を見ると、そこには眼鏡をかけた男性が立っていた。その人は目を輝かせながらボクを見ている。
「はい。どうぞ」
「うわぁお姉さん本当に可愛いですね!大ファンなんですよ!」
「本当ですか?ありがとうございます!」
そう言われて嬉しくなる。やっぱり褒められるのは嬉しいな!そんな風に思っていると、周りにいた人たちもボクの周りに集まってきた。
「あの!私もリリスのコスプレしているんです!写真いいですか?」
「あっ!私も撮りたい!」
そんな感じで次々と声をかけられる。なんかすごいことになったけど、悪い気はしない。むしろ嬉しい気持ちの方が大きいかもしれない。
やっぱり……コミケはボクにとって天国だ!本当にいい人ばっかりだし!その後ボクは様々なコスプレさん達と写真を撮ったりお話をしたりして楽しい時間を過ごしていた。
「あの。あそこにシュガリィちゃんのコスプレさんがいるんですよ、良かったら一緒に写真撮らせてもらえませんか?」
「おお!『シュガクロ』はエモすぎ!オレ聞いてくる」
そう言って1人の男性がそのコスプレさんに許可を取りに行く。ボクの許可は?と思ったけど……こんなにみんながボクを求めてくれているんだから……
そんなことを思っていると、男性は嬉しそうに走ってきて手でOKをだす。どうやら許可が取れたみたい。ボクはそのままそのコスプレさんのところに行き挨拶をする。
「あの……よろしくお願いします……」
「はい。全然いいですよ」
それにしても……この人本当に可愛いな。年齢はボクと同じくらいだと思うけど大人っぽい雰囲気があるし、胸も大きくてスタイルもいいし……そんなことを考えていると、そのコスプレさんに話しかけられる。
「よくコスプレしてるんですか?」
「コミケの時だけ……クロエちゃん好きなので……」
「そうなんですね。私もです。一応YUKA猫って名乗ってるんです。そこそこ有名なんですよ?良かったらお名前聞いてもいいですか?」
「え?えっと……白雪……って呼んでください」
咄嗟に名前を聞かれてまた安直に答えてしまった……するとYUKA猫さんは優しく微笑んでくれる。
そしてそのまま撮影会が始まる。YUKA猫さんがポーズを取るたびに周りの人たちは歓声を上げる。やっぱり凄い人だな……そう思いながらボクも写真撮影に応じる。
「ハートショットのポーズお願いしてもいいですか?」
「えっと……はい」
ボクは恥ずかしさを感じながらも、YUKA猫さんとともに指示に従ってアニメの決めポーズを決める。すると周りにいた人たちは更に盛り上がりながら気づいたら撮影会になっていた。
YUKA猫さんの周りにいる人達から再び歓声が上がる。やっぱりすごいなこの人……そう考えていると、YUKA猫さんは微笑みながら口を開く。
「あの……よかったら連絡先聞いてもいいですか?」
「……え?あっはい」
突然の誘いに少し戸惑いながらも返事をしてしまう。するとYUKA猫さんは嬉しそうに微笑む。
こうしてボクとYUKA猫さんは連絡先を交換することになった。まさかこんなことになるとは思いもしなかったけど、悪い気はしないかな?そう思いながらもボクはこのあともコミケを楽しむのだった。やっぱりオタクにコミケは最高だよね!




