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異世界グランドホテル ~転生したらホテル経営者になりました。スタッフは調伏したゴーストです!?~  作者: 四葦二鳥


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最終部屋 結婚式

 襲撃事件の諸々が判明・解決してからしばらく経ち、4月になった。

 この3月から4月にかけて、様々な動きがあった。


 まずクラウディアだが、本来であればパラドール王立学院で卒業していたはずだ。だが婚約破棄と禁じられた領域への追放、そしてその後の様々な事情から禁じられた領域へ留まらざるを得なくなり、学院への通学が不可能になってしまっていた。

 ところが例の襲撃事件とその捜査が進むにつれクラウディアの婚約破棄騒動の真実が明らかになり、学院側に救済措置を求める声が続出。

 結果的に『相応のレポートを提出すれば卒業資格を与えます』ということになり、クラスディアはレポートに打ち込むことになった。ちなみに題材は自由らしい。

 クラウディアはホテルの勤務経験から『ホテルのサービスと経営術』というタイトルでレポートを執筆。50ページにも及ぶ超大作となり、無事卒業資格を得られた。


 そしてこのレポート、なんと思わぬ反響があった。

 伝えられた話によると、最初は卒業資格審査のため学院の教員のみで読まれていたらしいのだが、あまりの出来の良さに一部の教員が非常勤の教員にも読ませたのだ。

 非常勤の教員は、教員とは別に本職を持つ人で構成されていて、それぞれの専門分野や職場経験を学生に伝授する目的で雇われている。

 そんな非常勤の教員の中に有名なホテルの経営者がいたらしく、その教員がクラウディアのレポートを読んでいたく感動。『世に広めるべきものだ』と力説し、ついには学院がクラウディアへ連絡して本として出版することになった。


「わたくしとしては、レポートと言うより日記の抜き出しのようなものなのですが……」


「まぁ、くじに当たったと思っていようよ。印税も払ってくれるらしいし」


 なお、後にこのレポートを元に書かれた本は『ホテル・宿屋経営のバイブル』として100年以上に渡って多くの観光・宿泊業関係者に愛読され続けることになるのだが……この時点で僕達は、そんな反響を受ける事になるとは思いもよらなかった。


 他に変わったことと言えば、かつてクラウディアに婚約破棄を言い渡し、禁じられた領域へ勝手に追放したジュリアン王子の事だ。

 彼は自分が本気で惚れたと思い込んでいた女が、実は自分を利用していただけだと知ってかなりショックを受けたのか、学院の卒業式が終わったと同時に即帰国。そのままリッツ王国の王宮内にある自室にしばらく引きこもってしまった。

 だがしばらくして自室から出てきたかと思うと、なんと『旧メルキュール男爵領を統治したい』と言ってきたのだ。

 この発言にリッツ国王やフランソワ皇太子もビックリしたが、貧しい領地に赴任したがる代官はいなかったため、渡りに船とばかりにジュリアン王子を代官に任命。見違えるほど――というわけではないが、意外とよく統治しているらしい。


「面識はないけど、あんまり評判が良くなさそうな王子がこんなに変わるとは……」


「ジュリアン王子も、何か思うところがあったのだと思いますわ。そもそも、王立高等学院は家柄や財力だけでは入学できないのです。そこに入学できるだけで、元々彼が持っている能力は高い証拠ですわ。

 遅まきながら、ようやくジュリアン王子はようやく自身の責任や使命に目覚めたのだと思いますわ」





 色々なことがあったが、とにかく諸々の問題が綺麗さっぱり片付いた。

 そして現在、僕とクラウディアはヌエヴォ・グラン前の公園内にあるチャペルにいた。

 ここで何をしているかというと――。


「新郎リオ・ホシノ。貴方は新婦クラウディア・モンフォルテを生涯愛し支えることを誓いますか?」


「誓います」


「新婦クラウディア・モンフォルテ。貴方は新郎リオ・ホシノを生涯愛し支えることを誓いますか?」


「誓います」


 前々から話していたことだが、ようやく僕とクラウディアの結婚式が催されることになったのだ。

 来賓はクラウディアの家族や親族、友人としてブルーノさん、アルフレド、セシリオ、リリアーヌさん。リリアーヌさんはホテルと取引のあるノボテル商会としての来賓という面もある。

『ホテルで行う結婚式と披露宴……。ビジネスチャンスの予感がしますので、ぜひ見本となるような結婚式にしてください! 私も出来る事なら協力します!』と言っていた。おそらく、ホテルウェディングが一般的になる頃、ノボテル商会が第一人者になっていることだろう。


 結婚式と披露宴の運営には、優秀なスタッフゴーストの中から選抜した。そしてなんと、司祭役はモニカが請け負った。

 どうも生前、主人の冠婚葬祭に関わることがあったらしく、そのときに儀礼関係を勉強していた経験があるらしい。


 結婚式は進み、結婚指輪の交換、誓約書へのサインを行った。


「新郎は新婦のベールを上げて、誓いのキスを」


「クラウディア。これから夫婦になるわけだけど……まぁ、よろしく」


「はい。これから一生助け合って生きていきましょう」


 そして、僕とクラウディアは唇を重ねた。

 会場が盛り上がる中、第一部となる結婚式は幕を閉じた。

 第2部の披露宴も結婚式とは異なるベクトルで盛り上がり、ホテル結婚式の見本としては上出来だったと思う。


 だが、僕達はまだまだ先がある。夫婦生活は始まったばかりだし、ホテル経営もスキルの成長が終わった以上、自力で色々とアイディアを出していかなければならないだろう。

 でも、なんだかんだ上手くいくと思う。なんと言っても、愛する妻と信頼できる仲間がいるのだから。


~完~

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― 新着の感想 ―
 体現止や、「〜する事ができる」のようなくどい言い回しもなかったので読みやすかったし、物語の着眼点も良かった思います。  物語もおかしな所はなく、最後まで引っかからず読めました。  しかし、おおまかな…
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