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異世界グランドホテル ~転生したらホテル経営者になりました。スタッフは調伏したゴーストです!?~  作者: 四葦二鳥


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021号室 グランピング体験

「本日はこちらのテントでのお泊まりとなっております。お食事は夕方6時頃と朝7時頃にお持ちいたします。テントの隣に設置されている小屋のような建物はお手洗いとなっておりますので、ご利用ください。

 注意事項ですが、現在冬期ということもあり一部アクティビティが休止中となっております。ご了承ください」


「わかりました。ありがとうございます」


 モニカが一礼して立ち去ると、僕達は自分のテントを見て回った。

 まず、テントの全面にある屋根付きのウッドデッキ。屋根の下にはウッドテーブルとイスが置かれている。

 脇には流し台と調理台、バーベキューグリルが置かれていた。


「あら、このホテルの食事は自分で調理するのですね」


「屋外で料理するのもキャンプの醍醐味だからね」


 後で知ったことだが、どうやら希望すればホテルのスタッフに料理を作って貰うことも可能らしい。

 でもまぁ、僕達には必要ないかな。


 続いてテントに入る。なんとこのテント、普通の木造ドアが付いており、カギがしっかりかかるようになっていた。カギは金属製のカギで木工工芸品のアクセサリーが付いている。

 気になる内部は、中心に絨毯、その上にテーブルセットが置かれている。テーブルの上にティーバッグやドリップコーヒーと共に金属製のケトルとカップが置かれており、アウトドアの雰囲気が感じられる。

 ベッドは2台で、人数によってはさらに2台追加し4人同時に泊まれるようになっているらしい。

 その他にもタンス、金庫、スタンドライト、冷蔵庫、テレビが設置されていた。

 そしてテントの一部が透明になっており、窓のような役割を持っているらしい。もちろんカーテンが付いているので、外から見られたくない時や夜はカーテンを閉めることが出来る。


「とても野営とは思えませんわね。ホテルのような充実さですわ。テントなのに空調も効いているようですし」


「アメニティも豊富だしね」


 アメニティはスリッパ、寝間着、タオル、綿棒、コットン、櫛、使い捨てカミソリとシェービングローション、歯磨きセット。スリッパ、寝間着、タオル以外は持ち帰りOK。

 なおタオルは手拭き用のタオルらしく、風呂用のタオルとバスタオルはインフォメーションセンターにある大浴場を利用するときに貸し出されるらしい。


 ある程度テントの設備を把握出来たところで、僕達はテーブルの上に置いてあった冊子に目を通した。

 この冊子、グランピング場のサービスや地図、提供されているアクティビティが網羅されており、宿泊する上で非常に便利な情報源になっていた。


「すごいですわね。野菜の収穫体験や渓流遊びも出来るなんて」


「冬だから休止されているけどね。野菜は育たないし、水遊びなんて出来ないし。渓流釣りは禁漁期らしいからこれも不可能みたいだしね。

 出来るのは、牧場で乗馬体験や乳搾り体験、それと湖でワカサギ釣りとか……」


「ワカサギ? 聞いたこと無い魚ですわね……。気になるから、そこに行きましょう」


 と言うわけで、僕達は敷地内にある湖に向かった。

 この湖は比較的小さく、1時間もあればぐるっと一種出来るくらいであった。

 冬の時期は非常に厚い氷が張っており、人が乗っても安全であった。


「氷が張っているのでは、魚が釣れませんわ」


「いや、ワカサギ釣りはこれでいいんだよ」


 僕は湖の案内所でワカサギ釣りセットをレンタルし、氷の上を歩いた。ちなみに、レンタルされたのは釣り竿、餌、折りたたみ式のイス、クーラーボックス、そして、


「手回し式のドリルですか?」


「そう。これを使うのがワカサギ釣りの特徴だ」


 案内所で教えて貰ったポイントに到着すると、僕は手回し式のドリルで氷に穴を開けた。

 そこに餌を付けた釣り竿を垂らしてしばらくすると、小さい魚が釣れた。


「これがワカサギだよ。そして氷に穴を開けて釣る『穴釣り』が有名な魚でもあるんだ。釣りの素人の僕でも知ってるくらい知られているよ」


「面白い釣り方ですわね。では、わたくしも」


 2人でワカサギ釣りを楽しみ、この日は合わせて10匹くらいは釣れた。


「初めてにしては上出来じゃないかな?」


「そうですわね。ところで、釣ったワカサギはどうしますの?」


「案内所に持って行く」


 案内所に釣ったワカサギを持って行くと、その場で捌いて天ぷらにしてくれる。

 

「さすが、自分が釣った魚は格別だな」


「サクサクでおいしいですわ!」


 なお、夕食として塩焼き用に下ごしらえして出して貰うことも出来る。

 僕達は半分くらい天ぷらにして食べ、もう半分は夕食で塩焼きにして貰うことにした。




 夕食。ウッドデッキで僕達が座っていると、モニカがカゴを抱えてやってきた。


「お待たせしました。本日の夕食、バーベキューセットになります。本日お釣りしたワカサギを塩焼き用に下ごしらえした物も用意しております」


「ああ、どうも」


 モニカは夕食を置くと、バーベキューグリルに火を付けた。


「それでは、お食事が一段落した頃にまたお伺いします」


 そう言うと、モニカは一礼して立ち去った。


 さて、夕食は全てバーベキュー用の串に肉や野菜を刺した状態で提供されている。下味は付いているが、焼けてはいない。

 つまり、僕達がグリルでこれらを焼く必要があるわけだ。


「とりあえず、焼くか」


「わたくしもお手伝いしますわ」


 2人で協力して具材を焼き上げ、いざ実食。


「味自体はまだ伸びしろがあるかもしれない。焼き方とか工夫すればさ。でも――」


「自分で焼いて、星空の下で食べるなんて最高の贅沢ですわ!!」


 その後、食事が終わりモニカによって片付けられると、僕達はインフォメーションセンターの大浴場に向かった。

 特に凝った浴槽はなかったけど、露天風呂が付いていたことはうれしかったな。

 なお、僕は早めに上がってテントに帰り、寝間着に着替えて上着を羽織り、ウッドデッキでコーヒーを楽しんでいた。

 夜の雰囲気を楽しむのが半分、もう半分はクラウディアと着替えがかち合ってしまうのを避けるためだ。




 翌朝。

 早く目覚めた僕は、さっさと着替えてウッドデッキで朝食を待っていた。

 すると、テントからクラウディアの姿が現れた。


「おはようございます。ずいぶんと早いんですのね」


「せっかくのアウトドアだしね。早朝の空気を味わってみたかったから。それに、着替えが重なるだろ?」


「あら、わたくしは家族とリオさんになら見られても気にしませんわよ? 他の方に見られるのはごめんですけど」


 どこまで本気かわからないが、深くは追求しないでおこう。

 そうしている内にモニカが朝食を持ってやってきた。

 メニューはキャンプの定番の1つ、ホットサンドとサラダ、新鮮なオレンジジュースのセットだった。


 朝食を楽しんだ後、しばらくしてからインフォメーションセンターに向かい、チェックアウトした。

 なお、料金は1室1泊当たり8000V。


「これだけサービスを受けて、自由にアクティビティを楽しめて8000Vは安いですわ」


 あ、この世界の基準でもそうなんだ。前世のグランピングだと1人当たりの値段だし、もっと高かったと思う。

 ちなみに、このグランピング場『エンカント』の維持費はおおむね15万V。やはり維持費も安いらしく、さらにクラウディアにはさらに驚かれてしまった。

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