✒ 番外編:キャンプ 4
キャンプ場に来て、セロフィートが予約してくれたキャンプ地にテントを張った日から4日がたった。
朝食を食べる前に降っていた雨も、朝食を食べ終わる頃には止んで晴れてくれた。
青空には虹が出ていて綺麗!
「 う~~~~ん!
雨が降ってたなんて思えない青空よねぇ! 」
「 お母さん、今日は何処に足を運びます? 」
「 そうね~~。
今日は親子連れが利用してるキャンプ地に行ってみよっか?
子供が遊べるアスレチックがあるんでしょ? 」
「 アスレチックで遊びたいですか? 」
「 ち、違うわよっ!
そんなわけないでしょ(////)」
「 姿を子供に変えれます。
ワタシが父親のフリをします。
気が済む迄、アスレチックで遊んでください 」
「 遊ばないわよ!(////)」
テントの見張りを〈 器人形 〉に任せて、セロフィートと一緒に親子連れが利用しているキャンプ地へ向かって歩く。
ハイキングコースになっているから、広いキャンプ場で迷子になる事はなさそう。
「 はぁ~~。
やっと着いたわね~~。
ハイキングコース、しんどぉ~~…… 」
セロフィート
「 良い運動になりましたね、お母さん。
戻る時は走ります? 」
「 絶対に嫌!
アタシは走らないわよ 」
ウォーキングに疲れた私を見て可笑しそうに笑っているセロフィートに文句を良いながら、目的地のキャンプ地に入った。
「 ──あれ?
何か騒がしくない?
家族連れが多いのかしらね? 」
「 キャンプ場は予約制です。
何処のキャンプ地も利用者数は決まってます。
多い事はない筈です 」
「 じゃあ何で? 」
なんてセロフィートと話ながら歩いていると、人集りが出来ていた。
「 嫌だぁ~~。
あれって警察じゃないの?? 」
「 確かに刑事さんですね。
見覚えのある刑事さんの姿もあります 」
「 此処って県外よね?
何で居る?? 」
「 お母さん──、蓮宮さんも居ます 」
「 えっ!?
陰陽師の蓮宮さんも居るの!?
陰陽師って県外に出張したりするのかしら?? 」
「 さて──、どうでしょう?
本人に聞いてみます? 」
「 えぇ~~……。
他県のキャンプ場に来て迄、瀧東さんと蓮宮さんに関わるの?
嫌なんだけど…… 」
「 お母さん、瀧東刑事に気付かれてしまいましたよ 」
「 えぇ~~ 」
「 ふふふ。
瀧東刑事が嬉しそうに駆け寄って来ます 」
「 セロ、笑顔で手を振らなくて良いから! 」
「 ふふふ。
瀧東刑事、ワンコみたいです(////)」
「 セロぉ~~、刑事で遊ぶんじゃないわよ~~。
刑事は玩具にしちゃ駄目だからね! 」
「 そんな事しません♪ 」
「 ………… 」
信じたいのに信じられない。
笑顔に騙されちゃ駄目よ!
「 セロフィートさぁん!!
まさか、他県のキャンプ場で会えるなんて、思ってませんでしたぁ~~!! 」
うわぁ……。
まるで御主人に向かって走って来る従順なワンコみたいね。
私も居るんだけど、どうやら私は瀧東さん眼中に入ってないみたい。
「 セロフィートさぁん!!
どうしてN県のキャンプ場に居るんですか?
お~~~い、蓮宮も早く来いよぉ~~ 」
「 瀧東刑事、御早う御座います。
お久し振りですね。
元気そうで何よりです 」
「 瀧東刑事は何でN県に居るんですか?
転勤でもしたんですか? 」
「 瑩琺さん!
お久し振りです。
私はN県の警察署へ研修に来てたんですよ 」
「 研修?? 」
「 新人刑事は3ヵ月に1度、他県で研修を受ける事になっているんです。
あっ、蓮宮は違いますよ。
蓮宮は中学時代の友人とキャンプ場に来てただけなんで。
まさか、事件現場で顔を合わせる事になるとは思ってませんでしたよ~~ 」
「 人の縁は面白いです。
お母さんが選んだキャンプ場で瀧東刑事,蓮宮さんと会えるとは、お母さんもワタシも思っていませんでした 」
「 瀧東刑事が居るって事は、このキャンプ地で事件が起きたんですか?
…………行方不明者が出た……とか? 」
「 確かにキャンプ場では行方不明になる人が多いみたいですね。
山や森が近いですし、迷い込んで──。
此処は子供連れの家族がキャンプを楽しむキャンプ地です。
子供の捜索願いでも出されました? 」
「 あっ──、昨日の子供に扮した異形,怪異の類いに連れ去られた──とか?? 」
「 子供は敏感ですし、連れ去り易いです 」
「 …………私もキャンプ場からの電話だったので、行方不明になった子供の捜索願いなのかと思って来たんですけど、違ってました。
今回は蓮宮が居てくれて助かりましたよ~~ 」
「 捜索願いじゃないなら何が起きたんですか? 」
「 このキャンプ地には家族連れのキャンパーしか居ません。
今朝、起きたら子供が干からびたミイラに変わっていたんですよぉ!! 」
「 え?
子供が干からびたミイラ?? 」
「 そうなんですよ!!
ミイラ展に展示されてるミイラみたいに、カラカラに干からびていたんです!!
それも10歳未満の子供だけがです!!
こんな奇妙キテレツな怪事件がキャンプ場で起きたのは初めてですよ!! 」
「 …………セロ、子供がミイラで発見される──なんて事があるの?? 」
「 あるのでしょう。
現に起きてますし。
昨夜はどうでした?
元気でした? 」
「 事情聴取はしましたけど、何処の家族も昨夜の子供は元気だったと証言しています。
幼いですから両親に挟まれて寝ていた子供が多かったですよ。
朝起きたら昨夜まで元気だった我が子が変わり果てた姿で横たわっていた訳ですし、騒ぎにもなりますよね……。
母親の取り乱し様は凄かったと聞いてます……。
ショックを受け過ぎて気を失ったり、精神病院へ搬送された母親も居るぐらいですよ……。
父親は辛うじて平常心を保ってますけどね…… 」
「 お父さんは自分のお腹を痛めて産んだ訳じゃないもんね。
何処かで他人事だって感じてるんじゃないの? 」
「 お母さん、呉々も父親の前では言わない様にしてください 」
「 言わないわよぉ~~ 」
キャンプを楽しみたくて遊びに来たってのに、とんでもない事件に鉢合わせちゃったわね。
何で……こんな厄介事に巻き込まれないといけないのよぉ~~。
最悪ぅ~~~~。




