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【本編完結】乙女ゲームの世界に召喚された悪役聖女ですが、元彼は攻略したくないので全力で逃げたいと思います  作者: 兎束作哉
第一章 悪役に転生なんて聞いてない!

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12 攻略キャラピックアップ




「まあ、一番安全ルートだとグランツかな。好感度も上がりやすいし、結構楽だよ」

「楽とかじゃなくて、一生添い遂げると思うとちょっと真面目すぎというか、堅いというか。あまり愛してるとか好意を伝えてくれないから」




 グランツは、平民上がりの騎士ということで周りから良く思われておらず、孤立していた。しかし、誰よりも努力をして最終的に彼のルートを選ぶと、グランツは騎士団長にまで上り詰める。そんな彼の努力と、不器用な優しさに惹かれたヒロインは恋に落ちていくのだ。

 だがしかし、ゲームでは彼が想いを告げてくる場面は少なく非常に分かりづらい。愛しているのは事実なのだろうが、乙女ゲームにしては薄いというか、物足りない感じがする。




「じゃあ、アルベドは? あーでもこいつはエトワールのルートだと出会いが最悪なのよねえ」

「……じゃなくても、暗殺者ってだけで怖いんですけど!? 危険すぎない!? 一応私悪女で、ハードモード走ることになってるんだからね!?」




 アルベドは、公爵家の公子で暗殺者である。性格は、このゲームの中で一番荒々しい、言わば危険人物である。ヒロインのストーリーでは暗殺者であることは終盤まで明かされず、公子として振る舞っていた。いいところといえば、分かりやすいツンデレである……ということだけだろうか。そして、攻略キャラの中で唯一闇魔法を扱う。

 兎に角彼は私のタイプではない。リースが一応ゲーム内での危険人物第一位なのだが、中身元彼の今一番警戒すべきは彼だろう。危険のレベルは人それぞれだが、リースの冷徹な暴君性格とはまた違った荒々しさというか……




「ブライトは? 彼も、比較的まともだし、顔もいいよ」

「このゲームのキャラは皆顔良いのッ! ブライトは嫌だ! ブラコンなんて絶対嫌ッ!」




 ブライトは侯爵代理であり、ヒロインがお世話になる神殿の神官とも親しい仲である。しかし、彼には致命的欠点がありそれこそがたった一人の弟を溺愛しているということ、つまり超のつくドブラコンである。ヒロインと会話しているときにも度々弟を連れてくる。

 蛍の言う通り確かに見た目はいいが、私にはその要素が微塵も理解できない。現世で兄妹がいなかった私にとっては、兄妹のありがたみが分からない。乙女ゲームにブラコン要素がいるのかどうか、しかも、兄妹ではないのに……シスコンとかだったら分かるけど、そういうのでもない。自分の弟を溺愛しているとか要素が理解できない。




「最後は、ルクスとルフレね……おねショタっていいわよね。あ、私はおにショタがいいけど! それに、双子の兄弟って萌え……」

「はいはい。あの二人は可愛いけど、ショタはちょっと」




 ルクスとルフレは双子の兄弟で、ゲーム唯一の癒やしである。少しおてんばでヒロインは手を焼いたが、ある一定層のお姉様方には刺さっているようで。私はおねショタは好きだが、実際攻略するとなるとまた話は別である。

 それに、この双子のイタズラは行き過ぎている。攻略キャラの中で一番年齢が低いのに超のつくサディストである。




「巡は文句言いすぎなのよ! 親切に教えてあげてるのに! だったら、リースを攻略すれば良いじゃない!」

「嫌よ、元彼は絶対嫌なの!」




 私はそう言って足をばたつかせた。




「ちょっとお茶がこぼれるじゃない。こぼれたら私が掃除しないといけないんだから」

「メイドなんだからそれぐらいやってよ」




 蛍はムッとした顔で私を見た。

 エトワールストーリーを知っている蛍が助言してくれるのはありがたいし、感謝しているが、リースだけを見てきた私にとって他の攻略キャラを攻略するという気持ちにはなれない。かといって、リース中身元彼を攻略しようとも思えない。

 けれど、誰かは絶対攻略しないといけないだろう。一人でも攻略キャラを味方に付けなければ一年後死だけが待っている。

 あと、思ったけどこうやって一人ひとりピックアップすると問題ありな男しかいない。こんなゲームだったっけ? って思ってしまうほどには。




「それで……? リースの好感度はいくつなのよ?」

「70……」




 私は俯きながら言った。すると、蛍は頭を抱え込んだ。

 そして、ため息を吐くと呆れたように笑った。それはまるで、諦めろと言われているようであった。




「もうそれ、リースルートに入っちゃってるじゃん」

「だよね、そう思うよね……」




 私は深い溜息をついた。




「巡は、リース攻略に特化したプレイヤーなんだから! リース攻略しちゃえって」

「元彼でもか! 中身が元彼でもかッ!」




 私の声は虚しく部屋に響いた。

 そんな必死な私を、呆れた顔で見てる蛍。

 だって、元彼だよ!? 元彼とよりを戻すとかどんな拷問ですか!




「てかさぁ……何で別れたのよ。あんなイケメン滅多にいないじゃん。それに、巡の事オタクでも四年も好きでいてくれた訳じゃん。何がダメだったのよ」

「……破った……から」

「なんて?」

「私の……私の当選した推しの3Dライブチケット目の前で破ったからッ! それもプレミア席のッ! たった二十席しかないウルトラスーパーレアのチケット!」



 私は拳を握りしめ、机に叩きつけた。


 そう、あれは一ヶ月前のこと――――……


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