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無機質な戦争

作者: ヒロイセカイ

 ブブッ。

 スマートフォンが揺れた。来たのか。


 机の上に置きぱなっしのヘッドセットを装着しスマホの画面をつけてアプリを起動させる。

「僕」

 このアプリを使うにはフェイス認証、指紋認証そして音声認証が必要だ。


 アプリを開き開始ボタンを押す。

 転送された映像が表示される。

 ここはどこなんだろう。山岳地のようだけど。


 レーダーに反応がある。

 画面が赤く点滅した。近くにいる。

 スマホの画面に四角いアイコンが表示される。これが目標のドローンだ。5機。

 自分以外の味方機は3機。4対5か、おもしろい。


「スピードアップ」

「撃って」

「低く、低く、高く」

「スピードダウン」

 操作は全てヘッドセットから声で指示を出す。

 敵機を迎撃するとスコアが上昇。迎撃タイムが早ければさらにポイントがつく。

 自機の被弾やバッテリーの残量、弾数を確認しながら敵機を追う。


 すでに敵機は4機が落とされた。


 ピピッ。味方機撃墜の通知だ。撃墜されるとスコアが減るのに。まだ慣れてない子なのかな。


 敵機の後ろをとった。

「撃て」


 目の前のドローンが爆破され炎上しながら地上に落下していく。


 画面に「MISSION COMPLETE」の文字が鮮やかに表示される。


 戦闘が終わった。

 戦闘終了後のドローンは近くのステーションまで自動操縦で送られるので僕らはここまで。

 毎度のことながら味方との会話はなし。できないわけじゃないけど同じ人と繋がることなんて滅多にないし全員が戦術を理解してるから支障はない。


 これはスマホを使ったゲーム、ではなく本当の戦争だ。

 国を守るために敵国のドローンと戦うんだ。


 そして僕は神代光かみしろ ひかる、10歳。日本を守るためにドローンパイロットとして戦ってるんだ。

 戦争といっても外に出たり、特別な施設まで行くことはなく自分の部屋で戦っている。


 因みに僕みたいな子供が選ばれるなんてアニメやマンガじゃないかって?

 現代のドローン戦は通常の大人の脳ではもはや処理スピードがついていけないんだって。

 運動神経が発達する5~8歳の間にトレーニングを重ねてさらに1年の訓練を終えた9歳から10歳の少年がパイロットとして選ばれるんだ。だから子供だからって誰もがなれるわけでもないんだ。

 あと詳しくはわからないけど子供の純粋な好奇心だったり無意識な攻撃性が必要なんだって。


 僕らの使うドローンは国とゲーム会社のSONITCH社が共同開発したリモートバトルシステムを取り入れた戦闘兵器。

 パソコンやスマホにアプリを入れてログイン。そしてこの専用ヘッドセットにキーワードを話しかけるだけ。

 だから僕みたいな子供でも簡単に操作ができる。

 キーワード、例えば「撃つ」「低く、高く」なんかはドローンの動きと僕の声をプログラムに登録するのさ。

 声が枯れたらどーするって?大声を出す必要はないし、声が枯れてもAIが読み取ってくれるんだ。

 もちろん、のど飴や喉スプレーは国から支給してもらえるから問題なし!


 ところで敵のドローンてどういうこと?て。

 昔各国でドローンを使った戦争が頻繁に起こるようになったんだけど、それに対抗するためにある国がドローンのAIを狂わすウイルスミサイルでドローンの機能を止めようとしたんだ。でもウイルスが未完成で逆に見境なく人を襲うようになってしまった。


 というわけでいろいろな国で僕みたいな子供たちが家からドローンを操作して戦ってるんだ。

 たくさん墜としてスコアを貯めるとお給料がもらえるしランクが上がったりするんだ。「エースパイロット」とかね。

 ランクが高ければ良い大学にも無料で行けるんだって。詳しいことは両親にまかせてるので僕は知らない。

 もちろん撃墜されるとスコアはマイナス。例えばしょっちゅう撃墜されているとパイロットを辞めさせられちゃう。

 僕がそうなったらお父さんとお母さんをがっかりさせちゃうからミスしないようにがんばってるんだ。


 最近お父さんの会社が忙しいみたいであまり帰ってこられないからお母さんとしょっちゅう喧嘩してるんだけど、僕の成績が良い時は2人ともすごく喜んでくれるから嬉しいんだ。


 あ、もう学校に行く時間だ。準備しなきゃ。

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