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学芸院凰雅の華麗なる日常  作者: 枕返し
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学芸院凰雅と推理

 一時間後ロッジにいる全員が集められた。


「被害者は金持成蔵かねもち なるぞう氏。いわゆる普通の善良なる一般ピープルでーす。しかしそれはあくまで表の顔。裏の顔は海外のマフィアの元締めでーす。日本国内で半グレの少年たちを詐欺や窃盗に使い、その利益を暴力団に上納させ、抗争の準備として拳銃を海外から買い付ける。その拳銃を販売するマフィアの元締めをでもありました。とにかく彼は自分を中心にお金が回る仕組みを作るのが得意な男でした。」

「すいぶん回りくどいことをする奴だな。」

「そうなのデース。そこが成蔵の巧妙なところでした。彼は大地主でもありましたので、半グレや暴力団に事務所を賃貸していたのでーす。表向きはまともな会社として登記してありますし、その地域では警察の情報ですら先んじて入ってくる程の有力者だったので末端ですら全く足取りが掴めなかったのデース。」

「で、そんなやつが殺された、と。当然な気もするがな。」

「しかし成蔵氏は表向きには一般ピープルでーす。殺される理由があーりませーん。ということは犯人は成蔵氏が作った巨大犯罪組織に関係している可能性がありまース。」

「なるほど。犯人を捕まえればその組織の情報が得られるかも知れないというわけか。それで?こいつらが容疑者ってことか?」

「そうでーす。容疑者は全員で4人。4人とも、うすらハゲで中年太りしたオヤジでーす。犯行は定番通り1人で行ったと思われまーす。」

「なるほど。どう思う?能丸。」

「定番通りってのが意味わからないけど、一応全員から話を聞いて推理してみよう。もし本当に犯人がわかったら警察が来る前に拘束してもいいんじゃないかな。」

「ああ、そうだな。俺も同じことを考えていた。」

「では話を聞いていきましょーう。」




 1人目

 弁護士 一夜いちや 紋太郎もんたろう

「私が殺人犯?そんな訳ないだろう。大体私には動機がない。このロッジにいる理由?それは招待されたからだ。昔に金持氏の弁護をしたことがあるからな。その事件?遺産相続だよ。金持氏は多額の遺産を相続したが弟と折り合いがつかなくてね。アリバイ?その時間私は自室で本を読んでいた。確かにそれを証明できる人や物はないが。君、私を疑っているのかね?意義ありだ。知る人ぞ知る新進気鋭の正義の弁護士と陰で呼ばれていたこともあったとかなかったとか噂されていたかも知れない私を犯人扱いとは無礼千万極まりない。もし君が私を犯人だと言うのなら私には法廷で戦う覚悟があるぞ。私が私自身を弁護して見事無罪を勝ち取って見せよう。」



 2人目

 代議士 詩遊戯しゆうぎ みかど

「金持さんが殺されたなんて。人に恨まれるような人には見えなかったのに。このロッジに来た理由?私は金持さんとは古い付き合いでね。いつも並々ならぬご支援をいただいているんだ。まだ恩返しもできていないというのに。アリバイ?その時間は既に就寝していたからな。アリバイになるかわからないがいつも就寝サポートAIを枕元に置いているんだ。その時間の私の呼吸や脈などの情報が記録されている。明らかに就寝を示しているはずだし改竄していないことは調べればわかるだろう。証拠として使えるのなら是非持っていってほしい。」



 3人目

 詐欺師 弁賀べんが 達夫たつお

「金持のおっさんがねえ。ま、あの人は人知れず恨まれてても不思議はないし、組織のクーデターの可能性もある。俺みたいなもんは触らぬ神に祟りなしだぜ。なんで組織のことを知っているかって?そりゃこの業界じゃ有名な話だからな。ロッジに来た理由?招待されたんだよ。今後組まないかってな。ま、丁重にお断りするつもりだったがな。アリバイ?その時間は食堂でメシ食ってたぜ。誰か俺を見かけた奴はいるかもしれないが、俺はわからないな。あんた、俺の職業で偏見を持って犯人だと決めつけてるだろ。かー、浅い。浅いねえ。俺はいっぱしの詐欺師として、この胸に譲れない誇りってもんがある。俺は言葉で騙くらかすことに誇りを持ってるんだ。殺人なんて暴力は天地がひっくり返ってもやらないね。命かけるぜ。俺は殺しはやってない。」



 4人目

 OLマン

「私はOLマン。正義と弱者の味方、ご存知OLマンだ。怪しい者ではないので安心してほしい。しかし大変な現場に居合わせてしまったようだな。よし、このOLマン全力で捜査に協力させてもらおう。このロッジに来た理由?それは、たまたま通りかかったからだ。アリバイ?その時間は基地の司令官と通信していた。通信履歴は当然残っているが機密なので見せられない。うーむ、そうすると私の無実が証明できないな。ならば信じてもらうしかない。この澄んだ瞳を見てくれ。この瞳が嘘をついているものの輝きかね?ん?」



「全員に聞いたわけだが。確かに難しいな。決め手に欠けるというか、これといってピンとこない。」

「そうなのでーす。とても難しいのでーす。」

「能丸はどう思う。」

「そりゃあこれだけの情報じゃあね。怪しいという点で言えば四人目は明らかに怪しさしかないんだけど。後、詐欺師の人は殺人してなくても捕まえてほしいかな。そう言えば死因を聞いていなかったんだけど。」

「そうだな。俺も能丸と同じことを思っていた。死因がわからないのでは推理なんてできないぜ。」

「おー、失念していましたー。そのことに気づくとは流石はミスターオーガ、サスガのチャクガンテンでーす。ガイシャの死因は窒息死デース。餅とプレッツェルを喉に詰まらせての窒息死でーす。」

「フッ。なるほどな。」

「え?そんなことで何かわかったの?凰雅。」

「ああ。今の一言ではっきりとわかった。俺の母子内転筋がピンときたぜ。そして映る!俺の網膜に!犯人の姿ってやつがなぁ!」

「それは凄いでーす。流石はミスターオーガ。では聞きまショウ。犯人は誰なのですか?」

「犯人、それは・・・、お前だ!」

 凰雅が指さす先にいたのは・・・

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