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しばらく歩くと冒険者ギルドに着いた。
ギルドのドアを開けて中に入ると意外と人がいた。
「あれ、見ない顔だね。依頼しにきたの?」
ショートカットでラフな格好をした女性が話しかけて来た。
「いえ、冒険者登録をしに来たのですが…」
「お、新人さんだね! この番号札を持って待っててね! 手前の1番から3番までのカウンターで呼ばれるよ!」
「わかりました。ありがとうございます。」
「ちなみに…そのメーラブは買取?」
「はい。買取をお願いしたいです。」
こいつ、メーラブと言うのか。
「買取カウンターは一番奥で順番に並んで貰えばいいよ。…ただ、そのメーラブは状態があまり良くないから期待できないかも…」
「わかりました。そんなに良くないんですか…?」
「うん〜 羊毛と皮がボロボロなのと、血抜きもきちんとされてないから少し変色しているし…」
「…あまり期待せずにいておきます。」
「そうだね。少しでもいい金額になるといいんだけど… あ、他の人が来たからゴメンね!」
ショートカットの受付嬢は別のお客の元へと行った。
獲物の状態が悪いか…
初めての狩りだったし、連携確認で色々試したからだな。
俺たちが買取カウンターへ行くと幸運にも並んでおらず、すぐに対応してもらえた。
「買取か?」
50代ぐらいの親父という呼び名が似合いそうな男性が、大きめのカウンターの向かいに居た。
「はい、このメーラブをお願いします。」
俺はメーラブをカウンターに乗せた。
「…メーラブは過剰在庫中だから買取が安くなるぞ。メーラブ1頭、血抜きなし、羊毛は70%ロスト、皮は50%ロスト、肉の査定なし。そうだな、サービスして銅貨50枚ってところだ。」
「わかりました。それでお願いします。」
高いか安いかわからないな。
俺は銅貨50枚を受け取った。
「おぉー! 初この世界の金だな!」
「不思議な感じだね!」
「これで色々とできるといいんですけど…」
「とにかく、これでお金が手に入ったし、次は冒険者登録だ。」
買取作業を終えてしばらく待つと、俺たちの番が来た。
カウンターの前に4人で立ち、冒険者登録したいことを伝える。
「冒険者登録ですね。お一人様1銀貨になりますので、皆さまで4銀貨になります。」
えっ?
いきなり銀貨?
俺以外の3人も放心状態になっている。
「少し高額ですね…」
「冒険者ピンは魔道具となっていますので、それを貸し出すとなると無料という訳にはいかないのです。冒険者の中には戻って来ない方もおられますし。もちろん、冒険者ピンを返却いただければ、1銀貨はお返し致しますよ。1銀貨は預かり金という形ですので。」
「すみません。今日の手持ちは4人分には少しお金が足りないので、また登録しにきます。」
「そうですか。登録はいつでもできますので、またお越しくださいね。」
「ありがとうございます。」
俺は会話を切り上げ、3人の袖を引っ張り意識を戻させる。
そして、3人を連れて冒険者ギルドの片隅にある記入台の一つを陣取る。
「この後に休憩をする予定だったが、獲物が大した金額にならなかった。冒険者ギルドに登録できないのは痛いが、まだ後回しでもいい。それよりも宿や食事を賄えるかもわからない状況かもしれない。急ぎこの街の硬貨価値を確かめよう。」
「…そうね。」
「えー! あたし疲れたから休憩したいよー!」
「チカは疲れているみたいだし休憩してもいいんじゃないか?」
「どこで休憩するんだ? 冒険者ギルドには座れるような場所はないが…」
「喉も渇いたし、お店に入ればいいんじゃない?」
「銅貨50枚で4人も飲食できるかわからないぞ?」
「えぇー? 大丈夫だよー!だって羊1匹売ったんだよ?」
「それに、宿代がいくらかもわからないのよ? せめて宿代だけでも確認してから休憩にしましょう?」
「うぅー…わかったよぉ〜 宿代確認するまでは我慢するよ。」
俺とユカリでチカの説得に成功した。
この嫌な予感が気のせいで済めばいいんだが…




