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出会い side翔誠
踏み入れた足はとてつもなく軽かった。大空を羽ばたけるような気がした。
遠くに黒い車が見えた。その影はだんだんと大きくなる。
頭の中でいろんなことが駆け巡る。
父に殴られた記憶、必死に機嫌を取った日々、薬物でおかしくなった父。いい事なんて1つもないじゃないか。全部悪いことばっか。
「気持ちいい…」
肌寒い風も今は心地よく感じる
息を大きく吸い、目を閉じた。
『プーーーー』 『ビィービィー』
(あれ?)(俺、生きてる?)
「とりあず、いくよ!!ここじゃ邪魔になっちゃうよ!」
はぁ?
状況が理解できない。
俺はさっきくるまに引かれたはずだ。
俺の有無を言わせず、長い黒髪の女性は俺の手を取り、黒い車の中へと駆け足で入っていった。