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恋愛短編集  作者: 夕顔
1/3

憧れの先輩

トクン。

胸が鳴る。今日も通った。

私は徒歩通学。先輩は自転車。

毎朝の至福の時。

「今日もカッコいいなー、八神先輩。」

「毎朝幸せそうだね。羨ましいよ。」

「恋は元気の源だよ!」

私は、神永優愛。高校2年生。隣は木原沙紀。小学校からの大親友。

そして、私の好きな人は、八神俊樹先輩。

長身で爽やかイケメン。弓道部の1個上の先輩。あと1ヶ月で先輩も引退。

心がはやる。


放課後、部活に走る。先輩に早く会いたい。

部室に着くと、先輩が見えた。

「八神先…」

先輩に話しかけようとしたが、隣に紫吹瑠璃先輩がいた。瑠璃先輩は清楚な美人で八神先輩の幼馴染。2人は同じマンションに住んでいる。

「あっ、八神先輩だ!」

「瑠璃先輩とお似合いだよね。」

後から来た部員が話している。

そうだよね。私なんかじゃ…


「優愛?元気ないね。どうしたの?」

「私なんかじゃ無理だよ。八神先輩は瑠璃先輩とお似合いなんだよ。私なんか、先輩と釣り合わない。」

「…あのさ、優愛。釣り合う、釣り合わないって何?」

「…え?」

「釣り合うとかって、誰が決めるの?」

「それは…」

「優愛。あんたは、見た目によらず純粋で、可愛いし、素直ないい子だよ。もっと自信持って良いんだよ。

「沙紀…。ありがとう。ちょっとディスられた気もしなくもないけど。」

「あはは、気のせい、気のせい。さあ、どんとぶつかっておいで!」

「うん。」


「あっ、あの八神先輩!」

放課後、先輩を人気のない北校舎に呼び出した。

「神永さん。どうしたんだい?」

「あの……ずっと前から先輩のこと好きでした!…」

「…ごめんね。ちょっと……」

「すみません。迷惑でしたよね。失礼します!」

そう言って駆け出した。分かっていた。でも、次から次へと涙が溢れてくる。

「うっ……っつ…」

昇降口に降りると、沙紀がいた。

「…沙紀…。」

「…優愛。お疲れ。頑張ったね。」

親友の温かい言葉に、涙がまた、溢れて来た。

ああ、終わったんだな。私の初恋。



それから、三日後。

「沙紀。帰ろー!」

失恋から立ち直ったとは言えないけれど、少しだけ吹っ切れた。沙紀も今まで通り接してくれる。

「あーあ。今日の社会眠かったー」

「だよねー。社会とか将来必要あるのか!って感じだし。」

なんて、たわいもない話をしていた。

「あっ…」

突然、沙紀が声を上げた。視線の先には、八神先輩と瑠璃先輩がいる。

ズキン。

「優愛。行こう。」

やっぱり、2人は付き合っていたんだ。

沙紀に手を引かれて、足早に2人の横を通り過ぎる。

と、左手を誰かに、掴まれた。

「えっ…」

掴んでいたのは八神先輩だった。

「ちょっと良い?」

「あ、はい。」

先輩に手を引かれ、近くの駐車場の裏にたどり着いた。

「あの、神永優愛さん。」

「はい。」

「僕と付き合ってください。」

「えっ…。なんで…」

「君が弓道部に入ってから、ずっと気になってたんだ。可愛いし、練習に対しても真剣だし。ずっと、良いなって思ってたんだ。」

「でも、この前…」

「ああ、あれは…。引っ越す予定だったんだ。でも昨日、予定が変わって、俺だけ1人で残ることにしたから。…君と一緒にいたくて。瑠璃にも相談して…」

「お二人は付き合ってなかったんですか⁉︎」

「うん。全然。」

あんなに悩んでたのに…これが杞憂ってやつ?でも…嬉しい。

「で、あの、返事は?」

「お願いします。」

そう言うとまた涙が溢れて来る。

「さあ、戻ろっか。」

私の手を先輩の温かい手が包んだ。


「あ、お帰りー。ってまた優愛ちゃん泣かして。俊樹になんかされた?」

「ひでーな、瑠璃。なんもしてないよ。なっ。」

「優愛ー。おめでとー」

なぜか大号泣してる沙紀が抱きついて来た。

「沙紀ちゃんずっと心配してたよ。良い友達もったね。優愛ちゃん。」

「はい。後、先輩。すみませんでした。」

「ん?私謝られるようなことされてないけど…」

「先輩にずっと嫉妬してました。八神先輩のことで」

そう言うと、先輩が吹き出した。

「やだ、優愛ちゃん、ちょー純粋。俊樹が、ずっと優愛ちゃんのことで相談しに来てただけだよ。

「ちょ、それあんま言わないでよ。恥ずかしい。」

2人の先輩の優しさが、身に染みる。また、泣きそうになる。

「ほら、また俊樹が泣かしたー。これからなんかあったら、私に相談しなよ。」

「はい。ありがとうございます。」


風が通り抜けて行く。幸せという暖かさを運んで。


最後まで読んでくださりありがとうございます❣️

キュンキュンできましたでしょうか?素人なので、下手くそかもしれないですが、他の作品も楽しんでいただけると幸いです。


こんなシチュエーションで!などご希望があれば、書いていただけると、作ってみたいと思います。

作品の感想も、取り入れていきたいので、アドバイス等もお願いします。


これからも色々描きたいので、よろしくお願いします。



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