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手紙

クシャクシャに丸められたゴミのような紙

作者: 明久携寝

ようこそ、再び。

僕は君を待っていた。

 

 ふむ。分かっていたことだ。

 僕がいくら伝えた所で君達は『まだ早い』と言うのだろう。

 この気持ち丸ごと伝えられればいいのだがね。生憎(あいにく)それは出来ないみたいだ。

 この震えるほどの喪失感も積み重なって今にも崩れそうな後悔も。


 親が子供に『勉強をしろ』と言うのと同じさ。自分に降り掛かってようやくソレに気付くのだ。

 目の前の事で手一杯で他に気をまわす暇がない。


 人間はそれぞれがそれぞれ別々に同じことを繰り返しているんじゃないかな。

 なんて非効率なんだろう。

 何処かに共通する意識の集合体のようなものがあって体験やら経験やら心情なんかをダウンロードできればいいのだろうか。

 それではもう生きる意味なんてなくなってしまう?

 生きることに意味なんて必要ない。



 それはそうと。

 知人よ。知人の明日は一体いつやって来るんだい?

 住所を()いた僕に明日でもいいか、と大丈夫と確かに僕は(こた)えた。

 色々と忙しくしているのだろう。

 なんせ一国一城(比喩)の主だ。守るべき家族と民とその家族まで知人の肩に掛かっているのだから。どうしようもなく仕方の無いことだってあるはずだ。



 一週間と弱。



 知人よ、知人にとって『明日は来たら今日になり、次の明日が存在する。したがって明日とは永遠に来ないもの』みたいな哲学的な意味であり遠回しに僕に教えることは出来ないと断っているのだろうか?

 冗談だ。


 いや、冗談じゃない。

 誰か知人に早くメールを返せやこの野郎(性別は問わない)と伝えておいてくれ。

→再び丸めて捨てる

飛行機に折り直して知人へ飛ばす

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