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3章 セレブライフが終わる日

 高之瀬地区一帯が管轄の警察が動き出した。

 ひったくり犯出没ポイントに指定し、久間家のあるアパートの住所の東高之瀬町まで、パトロールが強化された。

 商店街のある住所は中央葛田地区といって、宝くじ売場窓口が設置されてある。

 陽二郎がブルーブリーズロットXを購入した住所だ。そこもひったくり犯の行き来ポイントなのであった。


 ひったくり被害者の雪野ゆきの幸知子さちこは、以前もバッグをひったくりに逢って、バッグ内は50億相当の総額の中身を詰め込んでいたらしかった。

 約49億円の物が窃盗されて、残る約1億円はブレスレットであった。


 つまり、陽二郎が質に入れた金品は、幸知子のブレスレットであったのだ。


 県警がバッグを不法投棄された土手の方まで市民の通報で呼び出された。

 パトカーがかけつけた後は、バッグはひどく廃れていて、使い物にはならない。

 鑑識に回す前に、幸知子に本人のものかを確認取った。


「そう、そう……これがアタシのバッグよ!! 指紋鑑定で判るわ」


 下越しもごせ県警の調べでバッグは幸知子の所持品だと判った。

 後で判ったことだが、土手の散歩者の供述で、土手付近の立ち寄り人で、陽二郎の特徴を暴くことに至ったらしい。


 ひったくり常習犯『木藤きどう武春たけはる』が、高そうな雰囲気の中華料理店から出たのを目撃された所を県警は即逮捕した。

 見つかったバッグの指紋と一致し、例のバッグは木藤がひったくったバッグだと判明。

 取締室でブレスレットのことはまるで知らないと見た。


 後日、土手通行中の散歩者の供述にあった『陸橋橋桁男』の捜索が、そこから開始された。


 銀行から例の宝くじ売場窓口の振込額を下ろそうと家を出る陽二郎。

 その青年の外出時を計らって、警察が彼を聴取しだしたのだった。


「下越県警のひったくり常習犯担当の大山と申します。ひったくり常習犯が逮捕された際に、あなたがそのあとに落とされた金品に触れたかも知れない報告があり、そのご確認でご同行いただきます。申し訳ございませんが、我々の取調にご協力願います。ああ、お母さんでございますか? どうぞ我々と共にご同行お願いできますか?」


「大山さんですか? はぁ、事情は後からでも伺いたい所だけど、どうも事態が飲み込めないのであたしも同行します」


「そうですか。では、久間陽二郎さん、下越署までご同行お願いします」


 アパート手前にパトカーが停車されているので、住民のギャラリーが物見たがりでパトカー周囲を囲む感じに集まってきた。

 警察官の後ろにいる久間家母子が連行状態になっている所が拝見できる。 『痛い噂』が近所まで延びていったことは勿論のこと間違いはない。

 

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