12月24日 23:00
俺は、ただただひたすら、チャリのペダルを漕いでいた。
『これを、窓に向かって思いっ切り投げるんだ』
睦月に渡されたのは、軟式の野球ボール。
彼曰く、硬式じゃなく軟式って所に意味があるらしい。
『仁がやってるのは硬式野球だろ?一種の撹乱ってやつだよ』
胡散臭そうに見つめる不知火そっちのけで、睦月は得意げに解説し。
『あんだけ野次馬がぞろぞろいたら、ちょっと難しいかもしれないけど…人に見つからないように、こっそりね。で、何食わぬ顔で自転車に乗って、全速力でこの場を離れること。後は俺達がうまくやるから、頼んだよ!』
俺の肩をぽん、と叩いて…笑ったのだった。
二人と別れて、店の周辺の…人気のない方へ回る。
カーテンは全て締め切られていたが、一箇所隙間の開いているところがあり。
犯人らしき男の黒いニット帽が、ちらりと見えた。
………よし。
渡された手袋をはめ、大きく息を吸い込んで。
軽く肩を回して、小さくスナップをきかせて。
俺は、そのボールを思い切り窓に叩きつける。
ガラスは…
気持ち良いくらい綺麗に割れ、耳がおかしくなりそうな音を立てた。
辺りは一瞬静まり返り。
そして、蜂の巣をつついたような大騒ぎになる。
チャリのペダルに足をかけ、最初は何気ない風を装って、スローペースでスタートし。
大通りに出る、角を曲がった所から。
俺はこの調子で、もう数十分走り続けているのだ。
そろそろいいかな…と思ったりもしたが。
「いや………駄目だ」
あれは完全な『公務執行妨害』だ。
俺がやった、というのがバレたら、多分…簡単な注意じゃ済まないだろう。
未成年だから、きっと親も呼ばれるだろうし。
生徒手帳だって、見せなきゃならないだろう。
そしたら…
もしかしたら俺のせいで、うちの高校は春の選抜予選に出場することが出来なくなってしまうかもしれない。
そりゃ、うちみたいな弱小チームじゃ、どこまで勝ち残れるかなんて知れてる。
けど………スタートラインにすら立てないなんて。
しかも………それが…俺の軽はずみな行動のせいなんて。
背中がぞっと寒くなり。
俺は、チャリのスピードを更に上げた。
と、その時。
ジャンパーのポケットに入っていた携帯が、けたたましく鳴る。
「誰だよ…こんな時に」
ディスプレイに映ったのは…
『水月、私!』
「不知火…俺、今急いでんだけど」
『待って!ストップ!そっから急いで引き返して!!!』
………何だって?
「お前なぁ、今引き返したりしたら確実に」
『ち・がーう!事情が変わったの!計画変更』
相変わらずのキンキン声で喚く不知火によると、犯人の一人が先輩を連れて、バイクで逃走したのだという。突然の逃走劇に警察も足取りを掴みかね、現場はごたごたしているらしい。
『お願い、そいつ捕まえて!あんただけが頼りなの!』
「頼り…って」
『仁頼む!バイクは400ccの黒で、ナンバーは』
「睦月!?待てってば!…俺、警察じゃないんだし、そんな情報貰ったってわかんねーよ」
慌てて反論すると、電話の向こうが不意に静かになった。
「それに、相手はバイクなんだろ?こっちは自転車なんだぞ!?そんな…見つけたって追いつけるわけねーし」
睦月も不知火も…きっと俺に、一縷の望みを託して電話してきたのだろう。
「…ごめんな」
俺の責任じゃないけど、なんだか申し訳ない…と思いつつ言うと。
二人は………
『役立たず!!!』
声を揃えて、怒鳴った。
だから、そんなの…俺の責任じゃねーだろ。
さっきまでの殊勝な思いは瞬時に吹っ飛んでしまい…溜息をついて、俺は街灯に青白く照らされる、元来た道に目をやった。
………と。
『何でもいいから、つべこべ言わずに早く探して!根性よ根性!』
「……………」
『仁!?おい、聞いてるのか!?』
「………不知火、睦月…悪い。切るぞ」
ぎゃーぎゃー五月蝿い二人には構わず、携帯を切って。
速くなる鼓動を抑えこもうと、大きく一つ深呼吸する。
あれは………
黒いバイク。
400ccくらいで。
ナンバーも…ビンゴ。
目を凝らして見ると、後ろに誰か乗せているようだが。
小柄な容姿は女性のようで…先輩に間違いないだろう。
「どうしよう」
止めなければ。
でも………一体どうやって?
はたと思い立って、ディバッグに手を突っ込む。
取り出したのは…子供が遊ぶ、鮮やかなピンクのゴムボール。『どっちがいいか分からなくて』と、さっきの軟式ボールと一緒に睦月から渡されたものだ。
『指紋が残らないように』と貰った手袋もそうだが…あいつはこの短時間に、どうやってこんなものかき集めて来たんだろう。
まあ………それは、後でいい。
余計なことを考えて、時間を引き延ばそうとしてる、自分の思いきりの悪さが悔やまれる。
「………やるっきゃないな」
…どこを狙う?
男は、黒いフルフェイスのヘルメットを被っている。こんな柔らかいボール一つ頭に当たったくらいじゃ、痛くも痒くもないだろう。
乗っているのは、見たところ…一般的なものより一回り大きなバイク。ゴムボールが例え正面からぶち当たっても、勢い良く跳ね返ってくるだけだろうことは、なんとなく想像がつく。
…ただ。
犯人が動揺して、運転を誤り…あのスピードで走っているバイクが、右手に見える川の土手に突っ込んだとしたら。
転げ落ちる途中で、先輩…大怪我をするかもしれない。
でも、他に手だてはない。なにがなんでも、あいつを止めなければ。
「そうだ、少し減速させて…」
そんなことを考えてる間に、バイクはどんどんこちらに近づいてくる。
「行くぞ、俺!」
一瞬、息を止めて。
俺は、ライトに照らされた、バイクの進路上に走り出る。
と。
こっちの狙い通り、バイクはブレーキをかけ…減速した。
「よし…いいぞ」
足を踏み締めると、アスファルトがズッ…と音を立てる。
心の迷いを払拭するために、大きく首を振って。
「ウンディーネ」
おまじないのように唱えると。
俺の目の前に広がっていた、不安や躊躇の濃い霧は、すっ…とたちまち掻き消え。
俺には彼女がついてる…そんな風に思った。
それに…先輩のことは、絶対姉ちゃんが守ってくれる。
大丈夫だ。
後は…思い切りボールを放るだけ。
「…どうだ!!!」
振りかぶって、投げたボールは。
前方を確かめるように徐行し始めた、バイク男のヘルメットにボコンと当たり。
跳ね返って、暗い夜空に高く高く、舞い上がった。
「うわぁ!!!」
男の悲鳴と耳障りな急ブレーキの音と共に、バイクは横倒しになり、乗っていた二人はアスファルトの上に、勢いよく投げ出される。
「先輩!」
駆け寄ると、先輩は膝から血を流していた。
「大丈夫…ですか?」
俺の問いかけに…先輩は痛そうにちょっと顔を歪めつつも、笑顔で頷いてくれる。
「かなりスピード落ちてたから…膝も変な痛みはないし、擦りむいただけだと思う」
「…よかった」
コートを掛けてあげると、先輩はありがと、とため息混じりにつぶやいて。
頭を抱えてうずくまる男に、厳しい視線を向けた。
「大丈夫ですか?」
気遣うような言葉と裏腹に、突き刺さるような鋭い声。
男は…何も答えない。
「説明してください」
「……………」
「何とか言ったらどうですか?」
「……………」
「最初から…変だと思ってたんです、本当は」
無言で小刻みに首を振っている男との距離を詰め、先輩はぐいっ、とその腕を掴む。
「『早く帰れ』なんて…あんな強く言われたこと、なかったし。それに言いましたよね?『その子には関係ない』って」
男は依然…俯いたまま。
先輩の頬を、一筋の涙が流れ。
「どうしてあんな馬鹿なこと…」
そして。
握りしめていた男の腕を大きく揺さぶり、強い口調で怒鳴った。
「ねえ………何とか言ってください!マスター!?」
………マスター…って。
「先輩…それ」
「これは最初から…計画づくだったのよ、仁くん」
パチンコの換金所を狙った、強盗事件。
通報が早く、逃げ切れない時は、『昔の仲間』のやっている喫茶店に逃げ込むこと。
盗んだ金は、喫茶店の金庫の中に隠す。そうすれば、簡単にはアシが付きにくくなるだろう。
そして、人質を取られて身動きが取れなくなった警察の隙をついて、身軽になった強盗達はバイクで散り散りに逃走する。
捕まった所で、初犯だし…執行猶予もつくかもしれない。ほとぼりが冷めた頃に、金庫の金はみんなで山分けすればいい。
予想外だったのは…バイトをしていた大学生の存在。そして…おそらくは、俺達も。
そうでしょ?と、強い口調で尋ねる先輩。
ヘルメットを脱ぎ、呆然とした視線を俺達に向け…男は、ぽつりと何事かつぶやた。
「………何ですか?」
さっき会った時よりも、ずっとずっと小さな声。
暗がりの中、目を凝らすと。
男の口の動きから…『あいつらが悪いんだ』と…読めた。
「お前なぁ!」
掴みかかろうとする俺を制して、先輩はきっぱりと言う。
「どういう意味ですか?あいつらが悪いって」
「あいつらがっ…あいつらがあんなこと言い出さなきゃ…『楽に金が手に入る』って…俺だって最初は反対したんだ。そしたらあいつら、『このままこんなボロっちい喫茶店と心中したいのか』って」
男は震える声で、何度も何度も息継ぎしながら語り続ける。
「『お前は万が一って時の保険だ』って…『その時は人質になったフリをすりゃいい。金庫の金はおやじの保険金の残りだって言い張ればいい』って。だから………」
「だからあいつらに手を貸した…ってのか。お前なぁ!そんなの」
「仁くん。お願い、もうちょっとだけ待って」
俺をたしなめるような、先輩の声。
「でも!」
「いいから…ね?」
いつもの優しい声と対照的な…怒りに満ちた彼女の瞳に気づき、俺は口を噤んだ。
ありがと…と先輩は低い声で呟いて。
また、話の続きを促すように、じっと男を見つめる。
「それで?」
「それ…なのに、あいつら文ちゃん見るなり、悪乗りしやがって…あんな…文ちゃんに乱暴しようだなんて…殴られたり蹴られたりだって、最初の予定では振りだけの筈だったのに」
一度は落ち着いたように見えたが、また…段々気持ちが高ぶってきたと見え。
「そう…そうだ!君だって」
先輩の両肩を掴み、男は涙声で怒鳴った。
「だから言ったじゃないか!?早く帰りなって。なのに君が帰らないから、文ちゃんがいなきゃ、あの計画だってもっとうまく行った筈なのに!」
俯く男に、先輩は冷たい視線を投げる。
「…それだけですか?」
「……………」
「言いたいこと…全部言い終わりました?」
「……………」
「じゃあ…私の方からも、言わせていただきます」
先輩は突然、肩に置かれていた男の両手を、ぎゅっと掴んで。
ぐっと男に顔を近づけると…物凄い勢いで怒鳴った。
「何でもかんでも他人のせいにするの、いい加減にしなさい!!!」
「………せん…ぱい???」
「マスターはいっつもそうです!お店が流行らないのは『ボロいせいだ』とか、『立地が悪い』とか…挙句の果てに、何ですか!?自分が悪いことしておいて、あいつらのせい!?私のせい!?甘えるのもたいがいにしてください!」
いつもより高い先輩の声は、車も人も通らない暗い夜道に…存分に響きわたっている。
不知火と先輩は姉妹で、顔も声も良く似ているのだが。
普段聞き慣れないせいか、怒鳴り声は………先輩の方が、数段怖い。
「ねえ、マスター」
暗い目をした男の様子に変化はないが、先輩は懸命に訴え続ける。
「マスターは、ずっとそんな風に…逃げて来たんじゃないですか?」
「………逃げる?」
ぽつりと呟いた男に、先輩は小さく頷いて。
「そうです。自分のこと…うまく行かないことや辛いこと、全部周りのせいにして、言い訳ばっかりして…自分は何もしないで、逃げ回って来たんじゃないんですか?」
「………それは」
「違いますか?」
息継ぎするように一つため息をついて、先輩は諭すように言う。
「『友達が入ったから』悪い仲間に入ったって、前言ってましたよね?『脇道からバイクが急に飛び出してきたから』事故して大怪我して…ご両親泣かせて。お父さんに『半ば強制的にコーヒーの勉強させられた』って。それで『まだ仕事覚えきれてないのに、親父が死んだから仕方なく店継いだ』って、そう私…聞いた記憶がありますけど」
なんて…呆れた奴。
「で、『場所が悪いから、店が古いから』店が流行らないっていうのかよ」
『親父が建てた店だから、文句も言えないし』
さっき店を訪ねた時…確かこいつは、そんなことを言っていた。
「で、『昔の仲間に誘われた』から、犯罪に手染めた…ってのか?自分では何の努力もしなかったくせに、金がないのも全部店のせいにして…だから金欲しさに、そいつらに協力したっていうのかよ」
男は突然会話に割り込んできた俺を、目を丸くして見つめている。
「マジで腹立ってきた!お前いい大人のくせに、何考えてるんだよ!?」
「仁くん」
「先輩は下がっててください!なぁ…何とか言えよお前!」
「仁くんてば」
男の胸倉を掴む俺の手に、先輩はそっと自分の手を乗せる。
「見て、あれ」
先輩の視線の先…通りの遥か向こうには、パトカーらしき赤いランプが点滅していて…段々こっちへ近づいて来るのがわかった。
「仁くん…これ以上巻き込んじゃうといけないから、早く行って」
「でも」
先輩をこんな馬鹿と二人にして、この場を離れるなんて…そんなこと出来ない。
俺の気持ちを察してくれたのか、先輩はありがと…と微笑んで。
アスファルトの上に正座して、うなだれている男に声をかけた。
「マスター…どうします?」
「どう…って」
「またバイクで逃げますか?それとも、あくまで被害者を装ってしらを切りますか?それとも…自首、しますか?」
「……………」
「決めるのは…マスターです」
「俺…が………?」
「そう。今度こそ、誰が何て言ったからとかじゃなく、何がどうだったからとかじゃなくて…自分自身の気持ちに従って…マスターのしたいようにするんです」
きっぱりと言い放ち、また俺に逃げるよう促す先輩に…首を振って答える。
「俺…出来ないです、先輩置いて行くなんて。だって、こいつ…切羽詰まったら何するかわかんないし、危険ですよやっぱり」
「でもね」
優しい声で、先輩は微笑む。
「マスターは、私のこと…助けようとしてくれたの」
強盗に乱暴されそうになった先輩を、こいつは咄嗟に庇ったのだという。
「本当は、優しい人なのよ」
先輩は、男に視線を向けながら言う。
「お店だってね…そうは言っても、一人じゃ無理だって畳んじゃうことも出来たのよ?でも…常連の、毎朝コーヒー飲みながら新聞読むのが日課のおじいちゃんとか、お昼ご飯の後に世間話しに来る奥さん達とか、受験勉強しに来る高校生とか…日曜礼拝の後に立ち寄る親子とか、ね。何より」
先輩がにっこり微笑みかける先の男は…いつの間にか、顔を上げて真剣な眼差しで彼女を見つめていた。
「看病疲れで体壊して、元気のなかったお母さんのために…お店、残したかったんですよね?マスター」
「文ちゃん…」
凍りついていた、男の表情に。
ほんの僅かだが…変化の兆しが見えた。
「何だかんだ言って、マスターはあのお店…大好きなんですよね」
「……………」
「お父さんの形見のコーヒーサイフォンを手入れしてる姿、とても嫌々やってるようには見えませんでした。それに、マスターのコーヒーは、いつもすっごく美味しくて。お客さんが褒めてくれて、私…とっても誇らしかったです。しょうがないからってやってて、あんな美味しいコーヒー淹れること…出来ないんじゃないかなって…思うんですけど」
「……………」
「あの仕事…好きなんじゃないんですか?」
「……………」
「本当は…お金が欲しかったのだって…お店を守るためでしょ?」
先輩の優しい問いかけ一つ一つに、小さな子供みたいに大きく頷く…男。
「私、あの人達見て実感しました!やっぱりマスターには、悪い事するのなんて似合わないですよ!マスターもそう…思ったんじゃないですか?あんな風に安易に人を傷つけて、お母さんやケーキ屋さんの幼馴染や…周りの人を悲しませてまで、お金なんか欲しくないって」
男の目から、涙が溢れる。
「すずや睦月が現れて…予想外の出来事にパニックになって、逃げ出してしまったけど………仁くんが止めてくれたこと…心のどこかで、ほっとしてたりしませんか?マスター」
「文ちゃん………俺」
男は、アスファルトに両手をついて…肩を震わせながら、大粒の涙を流した。
「なんてこと…したんだろ。こんなことして………あの店…『ロザリオ』は」
『パパが元気だった頃の楽しかった思い出が、あの喫茶店にはいーっぱい詰まってるの!』
さっき、店からの帰り道…そう言って目を輝かせた後、不知火は不意に表情を暗くして、口を尖らせた。
『だから…あんな軟弱でどーしょーもないマスターに、お店めちゃくちゃにされたくないのよ、私』
確かに…優柔不断の塊で、弱虫で、しょうもない奴だけど。
こいつにとっても…店は、かけがえのない大切な場所だったってことか。
先輩は、満足そうに頷いて…号泣している男の肩に、優しく触れた。
「マスター、私………待ってます。マスターがちゃんと罪償って、帰ってきてくれるの」
「文ちゃん」
「マスターがまたお店開く時は、私…絶対お手伝いしますから。だから」
サイレンの音が、段々大きくなって…こちらに近づいてくる。
明るい表情の先輩と目が合って…俺は。
小さく頷いて、自転車にまたがった。
「また後で。気をつけてね、仁くん」
「先輩も」
自転車をうまくコントロールしながら、土手を一気に駆け下りる。
今度こそは、あいつ…まともになれるのかな。
いや…きっと、大丈夫だろう。
俺は、あいつの…先輩の言葉に流した涙を…信じたいな、と思った。
それに。
何たって、俺達が一肌脱いでやったんだから。
『GAME』という…人智を超えた、精霊達の戦い。
沢山血も流したし、悩んだり苦しんだりもしたし。
泣いたり怒ったり笑ったり…かけがえのない出会いや、別れや。
そんな経験をした俺達には…奇跡みたいな事でも、起こすことが出来るような気がする。
「よし!早くあいつらんとこ戻って、安心させてやらなきゃな」
夜空の星を仰いで、そう…呟くと。
遠い空の果てで、ウンディーネがにっこり微笑んでくれたような…そんな気がした。