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頭脳と異能に筋肉で勝利するデスゲーム<Ⅱ>  作者: もちもち物質
第五章:地獄の沙汰もバカ次第
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ゲームフェイズ1:『5』教皇

「猥褻物陳列罪!?」

「俺も樺島も、局部は出てねえぞ!」

 ……そうして『5』のアルカナルームに入ったバカと四郎は、『教皇』に目ン玉をひん剥かれた。それはそうである。半裸のムキムキ2人が『どどどどどどど!』と駆けこんで来たら、誰だってこうなる。

「きょくぶ?ってなんだ?」

「お前のパンツで隠れてるやつのことだ」

「あ!そういうことかぁ!」

 バカはバカなので、四郎に用語解説してもらった。ありがとう!


「なーなー!服、くれねえかなあ!俺も四郎のおっさんも、見苦しいって七香に怒られちゃってさあ……」

 そしてバカは全く物怖じせず、教皇に厚かましくも服を無心し始めた。教皇はこのあまりにも奇妙な状況に、目ン玉をひん剥いた状態で固まっていたが……。

「……汝、法を愚弄するか!?」

「えっ!?何!?何て言った!?」

 急に喋り出したので、バカはびっくりした。だが仕方がない。教皇も必死なのだ。自分の仕事を、自分のペースに取り戻すのに必死なのだ……。

「罪を犯した者よ!汝らの罪を、ここに明らかにするッ!」

 なんだか聞き覚えのあることを聞き覚えの無い勢いで口早に言って、教皇はバカと四郎を代わる代わる見つめて……そして。

「な、汝が最も重い罪を犯した者!」

 そう言って、四郎を指差した。

 そして。


「刃渡り18センチメートルに及ぶ刃物を所持して往来を歩いた!銃刀法違反である!」

「あー、それ多分、包丁買った時のだなあ……」

 教皇の言葉に、四郎は『多分それ』と一応、心当たりがあるらしい。が、ものすごくげんなりした顔をしている!

「えっ、包丁買ったらダメなのか?」

「いや、ただ買うだけなら問題ねえ。購入した包丁を持ち帰るっつう正当な理由があるからな。だが……あー、多分、その時の俺は、河童橋で買って、そのまま別の店ハシゴしちまったんだろ」

「お店のハシゴ!?それ、駄目なのか!?」

「一応、法律上はダメだぞ。すっげえ厳密に言うとな。ただ、そんなモン守ってられっか、っつう話ではあるよな。だが軽微なモンでも、銃刀法違反は割とよく点数稼ぎに使われがちだぜ。キャンプ帰りとか、注意しとけよ」

 バカは、『注意する!刃物を買ったらまっすぐお家に帰る!』と学んだ!ヨシ!


 が、それでヨシとしてくれないのが教皇である。

「市民の安寧を脅かした罪は重い!」

「ああ、まあ、そうかい……」

「死刑!死刑!死刑!」

「何言ってんだこいつ」

 ……四郎がどっしり構えている一方、教皇は非常に元気に『死刑!』と言っている。

「四郎のおっさぁん!包丁買って、他のお店ハシゴしちゃったら、死刑なのかぁ!?」

「んなわけあるか!ソレだったら『うっかり包丁持って店をハシゴしちまったから、ついでにムカつく奴殺しとくか!』が成立しちまうだろうが!」

「どういうことォ!?」

 バカには色々と難しい話であるが、ひとまず、『四郎のおっさんは不当に死刑を求刑されている!』ということだけは理解した。

「ま……そういう話なのかもな」

 が、四郎はそう言うと、にや、と笑って身構えた。

「さっきの皇帝は話が通じる奴だったが……こっちはやるしかねえようだな!じゃなきゃ死刑だ、っつうんなら、『ならそのついでにムカつく奴は殺しとくか』ってことだろ!?」

 ……そうして、吠える四郎が氷の塊をぶん投げ、教皇は無事、倒れた!つまり……勝訴!




 ……ということで。

「よし。これで一応、俺達二人とも、なんとか見られる格好になったんじゃねえか?なあ」

「うん!いいと思う!」

 バカと四郎は、教皇の服を貰った。……『迷惑料ってことで服は貰ってくぜ!』と四郎が教皇から剥ぎ取ってきたものである。

 教皇は倒れて動かない。頭部に氷の塊をぶつけられて気絶しているらしい。なので教皇は無抵抗でパンイチにされた。

 バカは、『服、貰っちゃっていいのかなあ』とちょっと心配だったが、四郎が『そもそも悪魔に人間の法は適用されねえだろうが』と教えてくれたので、『そうだった!』と遠慮なく服を貰うことにした!

「なんか、立派な服になっちゃった……えへへ」

「……そうだなあ」

 ということで、四郎の上半身は金刺繍が入ったシャツになり、バカは同じく金刺繍が入ったローブを纏ってその上に皇帝のマントを羽織ることになった。

 尚、教皇のローブは結構大きいサイズだったので、バカにもちゃんと着られた。四郎が帯をちゃんと締めてくれたので、大暴れしなければ脱げないだろう。これでヨシ!


 そうして無事に服を着ることができたバカと四郎は、『カードも拾っとこう』と、教皇のカードを奪い、そして、やっぱり四郎のケツポッケに入れておくことにした。四郎のケツポッケには既に3枚のカードが入っている!

「ところでさぁ、四郎のおっさん」

「なんだ?」

 そしてエレベーターの中、バカはちょっと気になっていたことを聞いた。

「包丁買った後、何のお店、ハシゴしたんだ?」

 バカが首を傾げて尋ねると、四郎はちょっと、もぞもぞもじもじしてから、答えた。

「……通りがかったところにあったソフトクリーム屋さんだ。娘達が食いたい食いたいって、揃って言うもんだからよぉ……可愛くねだられたら、買っちまうだろ……」

 ……四郎はなんとも気まずそうにしていたが、バカはにっこりした!

 バカもソフトクリーム、大好き!




「あ、やっぱり早かったね。おかえり」

「ただいま!服、貰ってきた!」

「その……随分と立派な恰好になったな、樺島……」

「うん!なんかかっこよくて嬉しい!」

 そうしてバカ達は、大広間の皆と合流することができた。ただいま!

「ああー、裸足なのは裸足なんですね?大丈夫です?スリッパならありますけど……」

「ううん、スリッパはいいや!俺、裸足で大丈夫!」

「まあ、樺島さんって足の裏も滅茶苦茶頑丈そうですもんねえ」

 タヌキは優しくていい奴である。バカは嬉しくなって、『ありがとなあ!』とタヌキの頭を撫でまわしておいた。タヌキは『撫でられるのもタヌキの役目!』とばかり、ぽこぽん!と胸を張って撫でられていた!

「じゃあ、戻ってきたところ早々で悪いんだけれど、次のチーム分けが決まったからよろしく」


「次は、俺とタヌキと七香さんで『15』、五右衛門さんとヤエさんで『13』、そして樺島君と四郎さんとむつさんと海斗で『10』だ。えーと、だから七香さんの腕輪の破壊、よろしく」

「分かった!じゃあもうやっとくな!」

 ということで、バカは七香の腕輪をさっさと『バキイ!』とやった。七香は憮然とした表情であった!

「おいおい……むつはそれでいいのか?」

 が、これに異を唱えたのは、四郎であった。




 言われてみれば確かに、おかしい。

 ……むつ自身はあんまり気にしていない様子ではあった。が、それでも、『さっきまで半裸だったムキムキ2人と組む』というのは……いいのだろうか!

「あ、うん。いいんだ。私が言い出したことだから、気にしないで」

「なんでぇ!?」

 が、このチーム分けの提案はむつの方から成されたものであったらしい!バカはびっくりした!

「うーん……海斗さんのことはちょっと分かったし。いい人だって分かったんだから、そんなに警戒しなくてもいいかな、って。それに、樺島さんのことも知っておいた方が、『協力するかどうか』を決める材料になるよね、って、思って」

 ……しかし、むつはしっかりしている。とても、しっかりしている!

 バカは『ちゃんとしててえらいなあ……』と思ったので、ぱちぱちと控えめに拍手をしておいた。

「それから……あ、ううん、やっぱりいいや。これはナシ」

「えっ!?」

 更に、むつは何かを言いかけてから慌ててひっこめた!とても気になる!

 ……バカが、『きになる』という目でむつを見つめていたところ、むつは『あははは……』と苦笑しながら、『じゃあ、エレベーター乗った後で話すね』と、こっそり教えてくれた!バカは『たのしみ!』と居住まいを正した!




 ……ということで。

「じゃあ、また大広間で落ち合おう。全員、気を付けて」

 皆で互いに見送り合いながら、それぞれの部屋へと向かっていく。

 バカと四郎、そしてむつと海斗もエレベーターに乗り込んで……さて。

「で、むつ!さっきの、何だったんだ!?」

 バカが尋ねると、むつは、エレベーターが動き出したのを確認してから……こそこそ、と教えてくれた。

「あの、実はね。五右衛門さんとヤエちゃん、知り合いだったみたいなんだ」

「ん!?」

 バカが海斗の顔を見ると、海斗は『ああ。どうやらそのようだ』などと言いつつ、『これでいい』と頷いて見せてくれた。なのでバカも、『ほええ』と頷いておいた。

「それで……えーと、多分、2人で話す時間が欲しいよね、ってことで。私達は引き揚げよう、って、海斗さんと話してたんだ」

「僕としても、それがいいと思う。むつさんの申し出はありがたかったな」

 海斗がむつに笑顔を向けている。……どうやら、海斗は上手にむつと仲良くなりつつあるらしい。バカは、『ヨシ!』とにこにこした!


 だが。

「ただ……その、私、あんまり戦える異能じゃなくって」

 ……そんなむつの話を聞いたバカは、『おや?』と思った。

 むつの異能は、氷を生み出す異能だ。決して、弱くない異能であろう。

 だが……むつはどうやら、今回も異能をナイショにするつもりらしい。バカはちょっと首を傾げたが、『まあ、むつにも考えがあるんだもんなあ』と納得することにした。

「海斗さんも全然戦えないってことらしいから……その、2人ぼっちは不安だね、って話も、してて……」

「それで、僕が樺島を推薦した、という訳だ。僕ら陣営2人にむつさん1人では不安だろうか、とも打診したら、なら四郎さんも、ということで……」

「成程な。そういうことなら、ま、分かった。……ったく、どう考えても、俺達と組みたいと思うのはおかしいだろと思ってたんだぞ」

「あはー……うん、まあ、さっきのは、ちょっと……インパクト強かったけどね……」

 むつは苦笑いしながら、『さっきの』に思いを馳せているらしい。何とも言えない顔になってきた。

 ……バカは、『やっぱり、服を吹っ飛ばさないように、羽の動かし方、ちゃんと練習し直そ……』と、しょんぼりした!




 そうしてバカ達のエレベーターが到着する。

「さて、『10』か……。デュオ曰く、『10』は『運命の輪』らしいが」

 海斗が緊張気味にそう呟くのを後ろに聞きながら、バカは通路を進み、そして、『10』の部屋のドアに手をかけ……開ける!




「……なんか回ってる!」

 するとそこでは、大きな車輪のような、円盤のようなものがぐるぐると回っていたのである!

 ……本当に、なんか回ってる部屋だった!


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― 新着の感想 ―
「死刑!死刑!死刑!」でがきデカのポーズでやってる教皇をイメージし、「……なんか回ってる!」で、「いつもより余計に回しております!!」をイメージしちゃってギャグ度が一層アップしちゃいます(ネタが古い……
前回もだけどタヌキ乙女すぎるな、まさか……
これ見てる悪魔さん泣いてない…?
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