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頭脳と異能に筋肉で勝利するデスゲーム<Ⅱ>  作者: もちもち物質
第一章:あのバカが帰ってきた!
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ゲームフェイズ2:大広間3

 ……そうして、腕輪がガンガン破壊されていった。バカは自分のパワーが誇らしい。『腕輪に勝った!』という誇らしさと、『皆の役に立てた!』という誇らしさ、2つ合わさって最強のバカが爆誕している。

「さて……じゃあ、どう振り分けようか」

 デュオが『じゃあ腕輪の無い人、集まって』とやって、腕輪が破壊された者達……タヌキ、四郎、むつ、七香、孔雀、バカがぞろぞろと集まった。

「とりあえずさー、海斗とデュオと孔雀は頭いいんだろ?なら3人、別れた方がいいんじゃねえか?あっ、あと俺、海斗と一緒だと嬉しい!」

 そしてバカは、『自分の希望はさっさと言うに限る!』と知っているので、元気に挙手して元気に発言した。

「……成程ね。まあ、そういう考え方もあるか……」

「俺はそれでいいと思う。俺はむつと一緒だと嬉しい。……となると、俺とむつが五右衛門さんのところに入るのでいいか?」

「アタシはそれでいいわよぉ。またよろしくね」

「よろしくね、五右衛門さん!」

 ……ということで、とんとんとん、と進んでいって、無事、『5』の部屋に入るチームが完成していた。この3人は、さっき『20』の部屋を攻略していたチームなので、お互いに勝手がわかる、ということだろう。

「えーと、樺島君が『1』に入るとすると……あと1人か2人、そっちに入ってもらうのがいいかな。それで、俺は『8』に入る、と……。成程ね」

「はい!はい!でしたら私は四郎さんと一緒に樺島さんのところに入りたいです!」

 残る『1』と『8』についても、タヌキが早々に挙手したため、決着がつきそうである。……四郎は『俺ももう決定か……』とぼやいていたが、タヌキにしがみ付かれているのでセットでの参加は免れないだろう。

「……となると、俺と七香さんとヤエさんで『8』かな。それでいい?」

「私は構いません」

「……よろしくお願いします」

 そして、ヤエのチームも完成したらしい。……ということで、いよいよ、次のアルカナルーム攻略が始まるのだった!




 ……こうして、『1』にはバカと海斗とタヌキと四郎、『5』の部屋には五右衛門とむつと孔雀、『8』の部屋にはデュオと七香とヤエ、というチームで挑むことになった。

 それぞれ、『いってらっしゃい!』と互いを見送りつつ個室に入って……さて。

「……この人数での攻略が想定されているのかいないのか、が問題だな」

 エレベーターの中、海斗は少々不安そうにそう、零す。

「……本来なら、僕1人でここを攻略するものなんだろう。まあ、そういう仕組みになっている可能性が高い。下手をしたら、1人で攻略した方が安全、ということすらあり得る」

「なんかよくわかんねえけどすげえなあ!」

「そうか、今のもよく分からないのか……」

 深刻そうな顔の海斗の一方、バカはバカなのでにこにこ顔である。海斗は盛大にため息を吐いた。

「いいか?今、僕達は悪魔も想定していない解法でこの部屋に挑もうとしているのかもしれないんだ。そうなると、いよいよ注意が必要なんだからな?」

「うん!分かった!俺、頑張るよぉ!」

「……心配だ」

 海斗は非常に心配そうなのだが、バカは『これが終わったら最後に『0』を攻略して、終わり!』と、大層元気な状態である。るんるん、と頭の上に音符を飛ばしかねない元気さで、エレベーターの中で小躍りしている始末なのだ!


「もしかしたら、1人で入れるアルカナルームは、1人で攻略することが前提のお部屋なのかもしれませんねえ……」

 ……が、タヌキまでそんなことを言い出したので、バカも流石に踊るのを止めた!

「ああ、そうだ。タヌキと四郎さんに聞きたいんだが……さっき『10』を攻略した時、どんな様子だった?」

「『10』のアルカナルームはですね、『運命の輪』だったみたいです。なんかぐるぐる回ってました!で、四郎さんがそれを、ビタッ!と止めましてぇ!」

「その間に、タヌキがカードを取った。ま、そんなところだ」

 成程、どうやら、『10』の部屋は、聞く限りバカ1人でも攻略できそうである。……筋肉の前にはきっと、『運命の輪』とやらも無力であろう。

「他に1桁の部屋に入ったのは……タヌキは『3』に入ったんだったか。どうだった?」

 ……が!バカは『んっ!?』と即座に反応した!

 そう!バカの記憶にはしかと、『3』は駄目!と刻まれているのだ!

「あっ!海斗!海斗!『3』は駄目だ!『3』の部屋の話は駄目なんだよぉ!」

「な、なんでだ」

「あー、それはですねー……ちょっとえっちな部屋だったからです」

「ちょ、ちょっとえっちな部屋……!?」

 バカは、『ああああああ!言っちゃった!言っちゃった!』と、悲鳴を上げた。そのついでに、『きゃー!』とスクワットを始めた。狭い個室の中で走り回る訳にはいかなかったからである!

「あの、具体的にそれは、ど、どういう……?」

「……恥ずかしいので、あんまりお話ししたくないですぅ……」

「そ、そうか……」

 そしてタヌキは、しょぼ……としているし、海斗も深くは聞けないし、なんとも気まずい空気になってしまった!

「い、いや、しかし、それが2人以上での攻略を想定していたのかどうかは……」

「あっ、そういうことなら、1人の方がまだ楽だったと思います!気が!」

「気が……そ、そうか……」

 海斗は、『な、成程……成程な……』と、分かったのか分かっていないのかよく分からない返事をして、そわ、としてから、ちょっとわざとらしく咳払いした。尚、バカはその間、海斗の数倍はそわそわしていた!


「それで、四郎さんは……確か『6』と『4』を攻略した、んですよね?」

 そして最後に、四郎の話になる。

 のだが。


「……は?いや、俺は『4』に入ったが、『6』には入ってねえぞ?」

 ……四郎は、そんなことを言い出したのだった。




「えっ、いや、しかし、『6』は……確かに、攻略済み、なんですが……?」

 タヌキが困惑している。

「……僕は当然、『6』に入っていない。五右衛門さんもそのはずだ。だから、6になる組み合わせは、後は2+4しか無いから……デュオと四郎さんで入ったものだとばかり、思っていたんだが……?」

 海斗も困惑している。

「なんもわかんねえ……えっ、何がわかんねえのかも俺、わかんねえ……?」

 バカはずっと困惑しているので今更だが、困惑している!

「お、おいおい……なんだよ、何かあったのか……?」

 そして四郎自身も、困惑している!

 バカ達は全員揃って、おろおろする羽目になったのであった!




「ど、どういうことなんでしょうか……」

「……考えられることがあるとしたら、むつさんが1人でさっと入って、さっと解決してきた、というパターンだが……彼女の様子を見る限り、そんなかんじでもなかったな……」

 タヌキと海斗がおろおろしながら考える中、四郎は1人、深く考えている様子だし、バカは『ほげえ……』と完璧なおいてけぼりである。

「……タヌキ。もしかして、もう1匹居たりするか……?」

「えええええええええええ!?そんなことありますぅ!?」

 そして海斗がいよいよ思いつめ始めてしまった!バカは、『海斗、考えすぎじゃねえかなあ……』と思いつつ、ぽふ、ぽふ、と海斗の背中を叩いてやるのだった。元気出せよ、ということで……。

「私がもう1匹いたらどうしよう……」

「2倍フカフカだなあ……」

 タヌキはタヌキでおろおろしていたので、バカはこちらも、ぽふ、もふ、と叩いて励ましてやるのだった。多分大丈夫だよ、ということで……。




「……ええと、四郎のおっさん、『4』の部屋でなんか変なことしたのか?」

 さて。バカはバカなりに聞いてみよう、と思って、質問してみる。

 何せ、海斗とタヌキは四郎を迎えに行った時に色々と聞いて知っているのだろうが、バカだけは1人、蚊帳の外なのである!

「あー……さっきも言ったけどな、俺は普通に大広間で待機して、ぼーっとしてて……孔雀とむつが戻ってきたんだが、むつが部屋の攻略に乗り気じゃねえし、孔雀と組んでも『13』じゃもうヤエと五右衛門が入ってるし、ってんで、俺1人で『4』に入るしかねえか、ってなって……」

 四郎は順を追って、バカ達と別れた後の話をしてくれる。バカは、『あー、四郎のおっさんが5分待って誰も来なかったら1人で『4』に入る、って言ってた時だよなあ』と思い出す。

「で、孔雀は『9』に行って、俺は『4』に入った。後は普通に攻略しただけだ。だってのに、いつの間にかバカみてえに時間が進んでやがったらしい。そうとしか思えねえ」

 海斗とタヌキが心配そうな顔をする中、四郎は少々苦い顔である。

「俺は、ゲームフェイズ中に戻るつもりでいた。だが、実際には投票フェイズも終わってた。……少なくとも、30分は目算を見誤った、ってことになるが……」

 ……どうやら、四郎が投票フェイズに戻ってこなかったのは、『時間を見誤っていた』かららしいが……。バカは、頭の上に『?』マークをいっぱい浮かべて、状況を見守る。

「うーん……ちょっとおかしな話ですよねえ……?『4』の部屋は『皇帝』の部屋だったみたいですが、時間の感覚をおかしくするような仕掛けは無かったと思うんですよ」

「まあ、ただ戦って終わりだったからな……」

 ……戦って終わり、ということは、戦う部屋だったということである。バカはそんな当たり前のことを確認しつつ、『うっかり海斗が入ってたら大変だった……』と、ちょっと身震いした。タヌキも戦うのがそう得意ではないのだろうし……そう考えると、本当に、うっかりここの2人で入ると大変だったのだろう。危ない!




「……駄目だ、何も分からない」

「だろうな。俺も分からねえ。まあ、考えるだけ無駄ってことかもしれねえ」

 結局、海斗が考えても、四郎が悩んでも、何も答えは出なかった。バカは、『頭いい奴が考えても答えが出ない時は、俺が考えてもダメだからなあ……』と、ちょっと申し訳なく思いつつ、考えるのを止めた。

「……まあ、ひとまず『1』の部屋を攻略した方がいいだろうな。よし、準備はいいか?」

 そうして、四郎はそう言うと……『1』と書かれたドアを示す。

「あ、ああ……大丈夫だ」

 ……そして、返事をする海斗は少し、緊張しているようだ。なのでバカは、海斗の代わりに前に出て、ガチャッ!と何の躊躇いも無くドアを開けた。

「よし!行こうぜ!」

 心配はあるが、一緒ならきっと大丈夫である。バカはそう信じて海斗に笑いかけると、早速、部屋の中へと飛び込んでいくのだった!




 ……そして。

「……これ多分、俺が苦手なタイプの部屋だぁあああああ!」

 バカが叫ぶ中、海斗は苦笑しながら看板を眺める。

「『魔術師の部屋』か。……成程、これは論理パズルだな」

 海斗は看板に書かれている問題文らしいものを読みながら、どうやら、バカには分からない何かを理解したらしい。

 ……そして。

「……すまない。少し時間はかかるかもしれないが、この謎解き、僕1人でやらせてほしい」

 海斗はそう、申し出たのである。


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― 新着の感想 ―
>僕達は悪魔も想定していない解法でこの部屋に挑もうとしているのかもしれないんだ よくある事では……?
これは腕輪の数字を誤魔化せる異能がありそうですね たぬきがぶんしんするとか、デュオがデュオになってカルテットになるとか 減らす異能より増やす異能のほうがあり得そうだからどっちかが犯人で四郎に細工をした…
ついに出てきましたね、破壊せずにちゃんと頭使う部屋!! …………いや会場内には有りそうだったけど樺島視点の本文だと今回はまだお目にかかって無かったタイプなのでつい………「壊せない」のかはともかく海斗は…
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