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残念すぎる婚約者たち。さて、どう婚約破棄する?

作者: 文月藍

思いつきで書いてみました

 これはゲームの世界だと気が付いたのは学園に入学してすぐだった。

ものすごくドジっ娘を装った金髪、碧眼の美少女が校門で誰かをわざわざ待っているのを目撃したとき、フラッシュバックのように脳内に流れ込んできた。

 このままだと冤罪で断罪される。

マリサが真っ青になりながら辺りを見回すと同じく固まっている令嬢が2人いた。

思い出した記憶をたどると私と一緒に断罪される令嬢たちだ。

気を取り直して2人に声をかけた。

サマービス公爵家アイリン嬢。

ルディス伯爵家サリナ嬢。

2人は、ハッと気が付いてマリサを見る。

「入学式の後にわが家においでませ。ささやかながら同じクラスになったお祝いいたしましょう」

元々顔見知りの2人だがマリサを見てそれぞれが了承する。

 それぞれ気を取り直して移動しようとしたときに

「きゃっ」

と声が聞こえた。

あ、固定スチルだ。

ねらいは私の婚約者第2王子ルイスか。

マリサは、冷静に見ていた。

普通、王子の周りは護衛がいるはずなんだけれどいない。

これがゲームの強制力かと驚いた。


入学式後。

マリサのグルビス侯爵家にて3人は情報をつきあわせていた。

「アリスのときめき学園ですわよね」

マリサが話し始めると皆が頷く。

「皆、ゲームの記憶があると言ってよろしいかしら。となれば話は早い。このままですと私たち冤罪でこちらの有責で婚約破棄ですわ」

ゲームを最後までクリアしていたサリナがまいったと両手をあげる。彼女は宰相家の令息レンと婚約している。

「学園にて彼女に会うまで思い出せなかったのが悔しい。わかっていれば脳筋バカと婚約なんてしなかったわよ」

アイリンは騎士団長の息子カリヤと婚約している。

「私は第2王子だから断るのは難しかったから仕方ないけどね」

マリサはため息をつく。

「さて、これから私達はどうする?強制力が働くみたいだから断罪まっしぐらよ」

アリスのときめき学園。

アリスが6人の男の人たちと学園生活をしながら恋愛していくゲームだ。で、私達は主人公を妨害する悪役令嬢として登場。婚約している男性にコナをかけるんだから注意して当然なんだけれどそれが誇張されて断罪されてしまう。

「何もしないで修道院行きになるのは嫌よね。卒業式で断罪だからそれまでにできることはしましょう」

マリサは2人にこれからの対策を話し始めた。

 3年後学園の卒業式終了後すぐまだ、皆がいる中。

「マリサ!」

「アイリン!」

「サリナ!」

3人の男たちがアリスを囲みながらそれぞれの婚約者の名を呼ぶ。

3人が前に出る。

「何事でしょうか。ルイス様」

マリサが礼をしながら婚約者に話しかける。

「お前たち3人がアリスに嫌がらせをしたと聞いた!そんな意地の悪い者とは思わなかった。今をもって婚約を破棄させてもらう。そしてアリスに謝罪するんだ!」

ルイス王子が学園生や卒業生の親たちがいる中で怒り始めた。

「婚約者がいる男性に節度をもって接しなさいと1年生のときに話しただけですわ。嫌がらせなどしておりません」

ルイス王子を見つめながらマリサは話始めた。

「ならばなぜアリスが嫌がらせされたと私たちに話してくる。お前たちが私たちの知らないところで嫌がらせしていたからだろう」

レンがメガネを持ち上げながら令嬢たちをにらむ。

「そもそも私たちはアリス様と同じクラスではありませんから嫌がらせなどできません」

アイリンが反論する。

「自分たちがしなくとも人を使ってやらせたんだろう?証拠もあるぞ」

カリヤが自信満々でマリサたちに鼻息荒く破かれた教科書、破かれたドレスなどを提示する。

マリサたちは顔を見合わせてため息をつく。

「それだけでは私たちがやったと言う証拠にはなりません。他にありますの?」

「もちろんだ。つい先日アリスが階段から突き落とされた。幸い高さもなかったから擦り傷ですんだが、周りの証言で貴様ら3人だとはっきり聞いた」

カリヤが言い逃れできないぞとニヤニヤしながら私たちを見る。

アイリンがにっこり笑いながら

「では、証拠があるのですわね。学園長様お話していたものはこちらにありますわね。入学後全校集会で学園長が話されたかと思います。学園は私たちが安全に暮らして行けるように各教室、階段などに監視用の記憶装置がありますの。ましてや王族の方々も在籍するのですから中庭などにもあります。ですから階段の記憶装置も確認すれば誰がやったかわかりますわ」

「!」

アリスがまずいと表情を変えた。

そう、私たちがゲームの世界だと思いだしてした対策。前世の知識をいかして前世でいう監視カメラを固定スチルがおきる場所と教室など婚約者たちとアリスが行動する場所に設置してもらったのだ。王族がいることを理由に防犯に役立つからとマリサが王家と自分の家の援助をもらって設置した。プライバシーのこともあるから保護者に同意書をもらい、生徒には学園長から全校集会をアリスたちが固定イベントで学園を抜け出した日にわざわざあてて(彼等が聞いていないことを確認後)ひらいてもらう根回しもした。周りに配慮していれば装置自体は隠していないからすぐに見つけられるのだから気が付いてもおかしくないのだがそこはゲームの強制力で見事に婚約者たちはスルー。

そうとは知らずに婚約者たちはさらなる証拠があると喜んだ。

「では、確認しようではないか。お前たちの本性がこれで暴かれるだろう」

ルイス王子がうつすように促す。

そして映像がうつしだされる。

「なっ!」

3人の婚約者たちが焦り始めた。

3年間の彼等とアリスの行動がダイジェストで流れたのだ。これはアイリンが編集したものだ。

そこには婚約者じゃなければタブーとされている行為もあり、傍観者たちが呆れた視線を送る。

 そして階段。

そこには私たちと同じ体型でかつらで似たような髪型にしたアリスがお金を渡して雇った役者がいた。

「今よ!」

アリスの小さな声を合図にわざとぶつかりアリスが自分から倒れている様子がうつされていた。

上の階にはたからみればマリサたちがやったように見える距離に2人ほど見えた。

「…アリス」

3人の婚約者たちがアリスを見る。

アリスが後ずさりして会場から逃げたした。

マリサは

「私たちがやった証拠ではなくて残念でしたわね。

さて、皆さまあらためまして詳細は保護者を交えての話とさせていただきますが、私共3人は婚約破棄謹んでお受けいたしますわ」

こうしてゲームは終了した。


後日

私たちはマリサの家に集まっていた。

「あとの3人でてこなかったわね。なんでだろう」

推しがいたのにとぼやくアイリン。

「とりあえず皆さまあちら有責の婚約破棄おめでとう」

マリサがにっこり微笑む。

あの卒業式の前にそれぞれの自分と相手の保護者には映像を見せて話はしていた。私たちは卒業式の後に3人がやらかすと話していたが信じてもらえずだったので本当におきたら私たちの要求通りにしてほしいと伝えいたからこそ、あの茶番劇に保護者たちは騒がなかったのだ。

保護者たちは信じていなかったことが現実になり驚愕。私たちの要求をのまざるえなかった。

「今後、どうするおつもりですの?今から新しい婚約を結ぶのもなかなか大変ではありませんか?」

私も推しが出てこなかったといいつつサリナが話始めた。周りは小さいときに婚約するから改めて探すとなるとなかなかに大変なのだ。

マリサが

「大丈夫ですわ。ちゃんと申し込みがきていますわよ。お入りになって」

茶会を開いていた部屋へ3人の男性が現れた。

アイリンとサリナが目を見開く。

そこにはアリスが攻略する6人の中で今回でてこなかった3人がいた。

「入学式のときにゲームだと気が付いたのは私たちだけではなかったのよ」

マリサが説明した。

男性たちも思いだしアリスに関わりたくないと途方に暮れていた。固定スチルが発生しないように逃げていたのをマリサが気が付き極秘に3人に接触。

マリサの家の力を使って入学後すぐに隣国へ留学してもらっていた。

アリスはかなり彼等を探していたが見つからなかったし、出てこなかった理由がそこにあった。

で、なぜマリサの家にいるかといえば実はかつてゲームを攻略時に3人令嬢たちそれぞれが推していたキャラクターなのだ。

アリスに関わるためにゲームの強制力で婚約者がいなかった3人。マリサは留学の条件に婚約破棄後にそれぞれと婚約してほしいとお願いをしていた。

アリスによって破滅を回避できるし、それぞれなかなかの爵位を持つ家の令嬢。好条件だったのだ。婚約破棄後すぐにそれぞれの家へ彼等の家から婚約の申し込みはしてもらっているし、卒業式の条件にも実はマリサから2人には内緒で保護者にしてあった。

「めでたしめでたしでしょ?」

サリナは微笑んだ。


ちなみにアリスたちはというと

アリスは王族を騙した罪で修道院行き。

第2王子のルイスは近隣諸国にも話が広がり婚約者が見つからず、大陸の噂が届いていない島国の王族に王配としてでていった。

宰相の息子レンは、領地に戻りそこの有力者の令嬢と結婚し、領地からでてこなくなり、跡継ぎは宰相の次男が継いだ。

騎士団長の息子カリヤは、辺境に1兵士として預けられ脳筋にさらに磨きをかけられ寄り付く令嬢もおらずに平民の女性と結婚。辺境で生涯過ごしたそうな。
























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