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お題シリーズ6

だって悲しかった

作者: リィズ・ブランディシュカ
掲載日:2024/06/04



 涙を流す機能なんて、


 自分には、そんなものがなくなったから。


 だから余計に、まぶしく見えるんだろう。






 放課になったから、隣の席の女の子に慣れた手つきでハンカチをわたす。


「ずびっ、あっありがとう」


 この子、よく泣くな。


 涙もろい性格なんだろう。


 昔の戦争の事、歴史の授業の中で、先生が横道にそれた。


 悲恋の話に及んで、そこから隣の席の女の子が涙し始めた。


 最初はおどろいたけど、もうなれたもの。


 今日ハンカチ持ってたっけ?


 二、三枚あったよな。


 なんてこの後のことを考え始めた。


 彼女は、ほんとうによく泣くんだ。


 国語の授業で、教科書の話でなく。


 友達のことを耳にしてなく。


 ニュースや新聞のちょっとした出来事でなく。


 どうしてそんなに素直に感情を表せるのだろう。


 なく姿なんて弱い姿を見せているようなものなのに。






 脳裏によみがえるのは、転校前の日常。

 不良の先輩にからまれてる自分の日常。


「ははっ、こいつまた泣いてやがる! だっせ」


 あの出来事が僕から涙を奪った。


 忘れられそうにないな。






「ううっ、悲しいよ。なんてかわいそうな女優さん」


 だから、僕は今日も隣の席の女の子にハンカチを差し出す。


 ニュースに出てくる有名人なんて赤の他人なのにさ。


 ほんと不思議だな。


 いつか「なんで人前でそんなに泣くことができるの?」って聞いてみたいよ。



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