星になるおまえと土に還るおれ
友に捧ぐ。
別れは塩辛くて ぬるい酒が進む
空いた盃なら 満たしてくれと
ねだりもできるだろうけど
こんな席での 昔語りにゃあ
臆面もなく友と呼ばせてくれないか
不義理と不相応に恥じ入ることもなく
あの日肩にまわしたこの腕を
悲しく空振りさせてくれないか
星になるおまえと 土に還るおれじゃあ
くたばったあとだって 逝きさきはちがうことだろうさ
星になるおまえと 土に還るおれじゃあ
今生かぎりの縁かもしれないが
別れは酒臭くて 塩辛こそ似合う
烏賊の帆を張るように 旅立ったなら
もどりはしないだろう おぉ
こんな夜での 昔語りじゃ
額面よりも多い想い出が浮かぶよ
不埒と不始末とに終わった友情を
あの日雨に打たれたその肩に
古びた手ぬぐいみたいにひっかけ
星になるおまえと 土に還るおれじゃあ
墓標に名を刻んでも となりには並ばないだろうさ
星になるおまえと 土に還るおれじゃあ
袖すりあうもこれきりかもしれないが