第七場
第七場 同場
本舞台、元と同じ今の佐平次内の道具。ドロ〳〵を打ち上げると明転。佐平次は門口、三太は下手に立っている。
三太「あれもお前の過去だ。お前さんは、あの時から変わってねえ○それにしても、あの越後屋の大旦那に気に入られるなんておすゞさんとやらも商売の才覚があるようだな。誰に似たんだか」
佐平次「うるせえ。あんなやつなんか知らねえ。どうで今はくたばってらあ」
三太「そうかえ」
佐平次「もう用も済んだろうよ。お前が釈迦だか閻魔だか、はたまた耶蘇の使いだかも構わねえ。さっさと浄土だか地獄だかに帰りやがれ」
三太「つれないことを言うなよ。お前さんとはほんのちょっとの付き合いでこんなにも仲良くなれたんだから、もう少しぐらい付き合ってくれていゝじゃねえか」
佐平次「俺は仲良くなったとはちっとも思ってねえよ」
三太「で、どうだい」
佐平次「○袖振り合うもなんとやらだ。いゝだろう。こゝまできたら冥土の土産だ。見せれるもんがあるなら見せてみろ」
三太「冥土の土産ねえ。やっぱそうこなくちゃ面白くねえ」
ト、三太、笑うので佐平次はゾッとする。
暗転。道具回る
ドロドロにてつなぐ