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[改稿版] 白黒神の勇者召喚陣  作者: 三価種
1章 勇者召喚とフーライナ
8/93

8話 組合

「イメージ通りですね…」

「だねぇ…」


 俺らの目の前にある冒険者ギルドはまさにイメージ通り。石造りで3階建て。放っている雰囲気がいかにも!という感じ。

 

 

 街が焼かれる前提の癖してしっかり建てられている。



「…行かないの?」

「ううん、行くよ」


 両開きの戸を開け放ち、中に入る。こっちもイメージ通りなような、そうでもないような。



 酒場があるのはイメージ通りだけれど、きちんとこっちのホールとは区別されているし、この時間に騒いでいる人はいない。まぁ、ファンタジー作品によくある冒険者業務だけじゃなくて、銀行とかも管轄下にあるということを鑑みれば当然の処置だろう。

 

 

 冒険者のガラが悪くてこれない…となっても困るのだし。



「…受付はあっち」

 

みたいだね。とっとと用事を…、



「んぐっ」


 !アイリが誰かにぶつかられた?ちっ、もうちょいアイリを俺らの陰に押し込んどきゃよかったか。アイリは大丈(だいじょう)



「エルッー!」


 ()ではない。思いっきり鎌を見られた。最悪だ。



 思わず声を出しかけた受付嬢さんにはペンを投げつけ黙らせる。



 横に居て鎌を見たっぽい女性は四季がファイルを投擲。驚かせて喋らせない。



 座っていて女性と同じように鎌を見たかもしれない男性は俺が直接押さえ込んで口を封じる。



 最後に、四季がぎゅっとアイリを抱き寄せて目と耳を塞いで情報を遮断、同時に鎌を二人の間に隠す。



 最悪だ。迷惑とか考えずに早々に何とか鎌をうまいこと隠せるモノを持たせてあげるべきだった。後でも何とかなる…わけなんてなかった。



 さっきの受付嬢さんの恐怖に染まった目。あれはきっとまだ良い方だ。悪魔を見るような目。そういうかつて向けられていたであろう目から守ってあげなきゃいけないのに…!



「…お母さん。わたしは大丈夫。…というか苦しい」

「あ、ごめんなさい。それより、大丈夫です?」

「…ん。平気。…お父さんもありがとう。…でも、わたしは黒目。だよ?」


 今のアイリは偽装で赤目ではなくて黒目。だから「黒髪赤目で鎌持ちのエルモンツィと同等には扱われないよ?」と、言外に訴えかけてきている。



「…だから気にしないで。…これがわたしの宿命。…前も言ったよね?」


 そんな悲しいことは聞いていない。けれど「親子の演技をしているのであれば、初めてこれを見て怒っているように見えるのはおかしい」のだ。だからアイリも言ってないことを承知で言っているし、それを理解した以上、乗るしかない。



 心がかき乱される。



「…ほら、行こ?」


 立ち上がって、ててっと受付へ走ると「受付嬢さんの存在に初めて気づいた。怖い!」とでも言うようにくるっと戻ってきて距離が近い俺の陰へ。そしてぐいぐいばれないように押してくる。



 わかった。行くよ。ここでうだうだしていても仕方ないのだから。



「あの、よろしいですか?」

「え?……あ。あぁ。はい。ようこそ、ミェージュ支部へ。ご用件は何でしょう?」


 顔が死んでる。…俺じゃなくて四季が喋った方がよさそうだ。ペンを回収してひっこんでおこう。



「両替と預金。それと魔物の買い取りをお願いしたいのですが」

「かしこまりました。こちらをどうぞ」


 ずいっと大量にお金が入った箱を押しやってくる受付嬢さん。



「えっと…、勝手に両替すればよいのです?」

「え?あ。あぁ。両替でしたね!えぇ!」


 俺の聞き間違えでなければ、「強盗じゃなかった」…って付け加えてたね。強盗に見え…ないこともないか。さっきやらかしたことを考えると。でも、ああなった理由にはだいたい察しがついているはずなのだけど。

 

 

 あぁ、また思い出したらイライラしてきそう。落ち着こう。俺と世界がクソすぎるだけなのだから。



「どのように両替すれば?」

「市井で使うのに便利なように両替していただきたいです。こちらが両替をお願いしたい小金貨2枚です」

「承りました。で、あれば…、小銀貨にまで崩します。それ未満は細かすぎて重いと思われますので…」

「では、それで」


 四季が小金貨二枚を渡すと、袋に入った小銀貨が2袋返された。



「二百枚です。ご確認してくださいませ。していただけますと五体投地で感謝します」


 ???五体投地で感謝?意味がわからない。五体投地って力尽きてだらけてるときとか、無抵抗の時の仕草では…?



「ええっと…、とりあえず、習君。確認お願いします」


 了解。



「で、」

「はわっ!?」


 すごい声ですね…。



「銀行機能の利用をお願いしたいのですが」

「そ、それでしたらギルドカードが必要なのですが、カードはお持ちですか?」

「いえ。作成をお願いしても?」

「いや…こほん」


 気のせいでなければ「嫌」って言われかけた。嫌われたものだ。



「かしこまりました。担当のものに「そもそも担当者とかいねぇよ!書類はその下にあるだろ!」…!」


 目に涙をたたえながら書類を取り出す受付嬢さん。そんなに俺らの相手が嫌ですか。…普通に考えたら嫌ですね!ごめんなさい。



「ここに必要事項をお書きくださいませ。お三方は家族でよろしいですよね?」


 はい。



「であれば、その旨をお書きください。名前とそれだけあれば結構です」


 審査が結構ガバガバ。それでギルドメンバーにしてしまっていいのだろうか?こっちには都合が良いけど…。



「…銀行とかの関係。…誰が見てもわかる証明書を渡すのも役目の一つ」


 了解。ありがと。事実上の戸籍管理みたいなモノも担ってるのかな?



「説明は…」

「「お願いします」」

「うげっ」


 お願いしたら一瞬めっちゃ嫌そうな顔をされた。でも、聞く。



「えっと、これらが冒険者カードです。本人しか使えないようになっていますので紛失、破損した場合はこちらに来てください。ただ、再発行には小銀貨がかかりますのでご注意を」


 偽名使ってカードを複数枚持とうとしても、本人にしか使えないようになっているから無理と。ますます最初が無料なのは事実上の戸籍だからっぽい。



「カードにはランクがございます。いわゆる冒険者ランクというものでして、どれくらい我々に協力してくださったか?を表す指標となります。あげる場合は依頼を達成していただければよいですけど、興味ないですよね!」


 え?えぇ。興味ないですけど…。何故にそんなにくい気味なのでしょうか?



「あ。ランクには複数ございますが、尤も一般的な冒険者ランクは依頼をこなしていただかねば上がりませんのでご注意を。寄付などは別の寄付ランクになります」

 

 寄付だけであがるなら色々と困りそうですしね。護衛の人手がほしいのに腕っ節がないとかだと詰みますし。



「ランクはお金と同じ。下から石、鉄、銅、銀、金、白金です。「ランクの低いやつは全然組織に貢献してくれてないから価値ないぜ!」という意味だと言われてます」

「言われてるのですか?」

「えぇ。言わされてます」


 (一般的な説として)言われているのではなくて、(こうだと言えと)言われているなのね。単細胞な人に「悔しい!」と思わせて馬車馬の如く働かせようという思惑かな。



「私としてはギルドとお金が形になったのは同時期だそうですから、「めんどくさいからお金と同じで良いんじゃない?」だと思うのですが。習君はどう思います?」

「俺?俺も同感」


 俺の読んだ本にお金とギルドの成立時期の関係なんてなかったけど…、たぶんそうだろう。



「そ、そうなのですか…」


 受付嬢さんの目が死んでる。あ。あぁ。貴族に見えるからか?貴族とかプライド高そうだし、価値ねぇんだよ!」みたいなことを言うと逆上されるかも…?と思っているのかね?



「え、えっと。ランクが上がる際、ゴールドとプラチナは試験があるのでご注意を。たまーに推薦を貰って上がる方もいらっしゃいますが。そういません。ランクが上がると受けられる依頼の質が上がります。説明は以上です。では、」

「あ。待ってください。預金と魔物の買い取り…」

「はぁい」


 勢いよく引っ込もうとして声をかけられて死にそうな顔で戻ってきた。トラウマ植え付けたっぽい。ごめんなさい。



「先に買い取りからしましょう。お金が増えると預けるお金の量も変わるかもしれませんし!おーい!買い取り担当のh「あの、魔物のお金は全額預金で」…ふえぇん」


 ……。



「預金は小金貨30枚(300万)でお願いします」

「かしこまりました。あ。お父さん、両替の確認は出来ましたか?」


 お父さん…?あ。俺か。



「はい。正しかったです。ありがとうございました」

「それはよかったです。では、金貨をお預かりします。以上で?」

「え?あの、確認は…」

「見たらわかります!30枚ですね!その旨を記しておきました。あぁ。口座はお三方共有ですので、解除したい場合とかはまた来てくださいませ。買い取りはあっちです!」


 いかにもさっさと行って!というような対応で押し出された。



「買い取り物を出してください」


 遭遇の証拠に魔物の頭二つ。それと形が綺麗な牙と魔石を出す。魔石は魔獣や魔物が体内に持つ魔力の塊のようなもの。…暇だったから見繕ってくれていたらしい。ほんとにごめんね、アイリ。



「この頭は…?」

「あ。それはバシェルの街道で狩ったやつです。そこにいた騎士さんに信じて貰うための証拠として確保した分です」


 残してくださったのは俺らへの誠意という面もあったと思う。フーライナでは情報提供代をもらえるように。……あのとき死んでたら意味ないけれど、



「国境では?」

「バシェル側に伝えたので、伝えてません」


 忘れていただけとも言う。バシェルの騎士さんに比べてすんなり通れたので。



「……畏まりました。バシェルとも連携をとる必要がありそうですね」


 俺らを怖がった目で見ながらも、呆れた顔をしながら真面目な顔で言う男性。器用ですね。



「査定後、口座に勝手に振り込んでおきます。情報料を含めますと査定には一週間ほどかかるかと。お金は津々浦々で引き出せますので、興味が湧いたら確認ください!では!」


 デジャウを感じるくらいさっさと帰って!といわんばかりに外に押し出された。本気でごめんなさい。反省はする。



 けど、たぶんやめられないと思う。今回はまだよかった方だろう。速攻落ち着いたから。二回目は起きないようにするつもりだが、もっとひどくなって起きるかもしれない。そんなときに止められなければアイリの親である意味がない。



「…ご飯」

「鎌よりもです?」

「…ん。食べたい」


 わかった。なら、



「どっか良い感じのお店を探そっか」

「ですね。可能であれば種類が豊富なお店が良いのですが…」


 今の時間から探すのは面倒くさい。



「ギルドで「…やめてあげて」だよね」


 であれば、その辺の人数人に。聞いた後に他の人に聞いているのを見られると気まずいから適度に距離をとって…、



「3人中3人が種類ならここらしいし」

「ですね。『潮騒(しおさい)』でいいでしょう」


 このあたりに海はないのに『潮騒』。ネーミングセンスは謎だが、いけるだろう。



「アイリ。確認だけど食べられないものは?」

「…前も言ったようにない」


 言ってたね。じゃあ、入るか。時間はだいたい5の鐘の直前…あ。鳴った。地球の14時。ピークを外れているからかすいている。



 そのせいか、3人客なのにあてがってくれた机は広い。これならアイリを挟んで3人で並んで座れば、こそこそ話が出来る。



「種類は……確かに豊富ですね」

「だね」


 地球基準なら普通ってぐらいだけど、異世界基準だと豊富と言えそう。



 フーライナが農業国兼畜産国であるからか、魚料理は少なめ。だが、それ以外は多い。主食のパンだけで小麦、大麦、ライ麦パンとか種類があるし、スープもトマト、コーン、ジャガイモと思わしきスープがちらほらと。



「アイリ。全種類頼んだら食べられる?」

「!?…食べられる。けれど、わたし、そこまで食べなくてもいいよ?…普通の人より多くは食べる必要があるけど、さすがにその量は…」


 そっか。じゃあ、質問を変えよう。



「食べたいか食べたくないかで言えばどっち?」

「遠慮は要りません。正直に言ってください」


 アイリを二人でじっと正面から見つめる。



「…食べて良いなら食べたい」


 視線に耐えかねたのか、アイリは少しだけばつが悪そうに、はにかみながら言った。



「了解。飲み物は…」

「…出来たらポツジュースがいい」


 遠慮せずに言ってくれるのは良いことだ。限度もあるけど、この子みたいに遠慮されすぎるのもね。



「四季は?」

「紅茶をストレートで」

「わかった。店員さん!料理を全種類一つずつと、ポツジュース。あと、紅茶を2つ!」

「えっ!?あ。あぁ。了解です!」


 一瞬「はぁ!?」って目を丸くしていたのに注文が通った。



「…服」


 だよねー。黒髪黒目で勇者の末裔(=貴族)っぽくて、服も質が良い。作ったところで払えない…となるわけがない。そしてここはフーライナ。「盗賊?一人残らず吊せ。魔獣?皆殺しにしろ。魔物?悉く鏖殺しろ」な国が食い逃げを許すはずがない。であれば安心して注文を受けられる…と。



「…純粋な疑問なのだけど、何で全部頼んだの?…わたしが食べたいと思ったから「とは言わないよ」…じゃあ、何で?」


 完全にこっちの都合。



「金銭感覚を養いたい」

「お店一軒で決められるものではありませんが…、ある程度見ればだいたい察しがつけられるようになるでしょうから」


 日本の100円がこっちの何に相当しそうか?みたいなのがほしい。それがあればあっちの知識と文明度の差異からある程度値段に検討をつけられる。



「…わたしがいるけど?」

「悪いけど、アイリの金銭感覚は…」

「ちょっと、信用出来ないので…」


 大昔孤児で昔近衛、今、護衛。孤児と近衛の待遇は天と地ほど。「いっぱい食べたら高い!」くらいしか分ってない可能性が…。



「…否定できない。最下層と最上層はわかるけど、真ん中がごっそり抜けてるから…」


 理解を示してくれて嬉しい。嬉しいけれど…。「最下層がわかる」という事実がやっぱり悲しい。この子の過去を否定するわけでもないし、否定する気もないけどさ。



「お客様!完成次第お持ちしてよろしいですか!?」

「むしろお願いします!」

「了解です!ではー!」


 ではー、で持ってきてくださる数が尋常じゃない。手軽に用意できるからか、パン、サラダと、それに暖めて置いておいていたのかスープがずらり。



「取り皿は9枚置いておきます。足りなくなればお声かけを」

「ありがとうございます」


 さて、じゃあ…。



「食べよっか」

「ですね。さすがにお腹が空きましたので…」

「「「いただきます」」」


 持ってきてくれたときの量と、入っている食材のバランス。それらを値段と照らし合わせながら、種々の料理をちょっと取って食べる。



 味や匂い、食感も重要なファクター。近江牛とスーパーの安売りの牛が区別出来る…気はしないけれど、ある程度、入ってるモノの価格帯は推測できる。調味料も判別に使えなくもない。



 だが、勇者は日本人が多い疑惑がある。日本人が食…調味料に干渉していないとは思えない。樽いっぱいの胡椒が黄金と等価!みたいな大航海時代もかくやってことはないだろう。



 スープ、パン、サラダ…どれも美味しい。使っている食材のランクは城で食べさせてもらったモノとは比べるべくもないだろうけれど、何回も食べたくなるような味。



「!!??新しい料理でございます。食べ終えられたお皿は回収いたします」

「「ありがとうございます」」

「…ます」


 俺や四季じゃなくてアイリが主体になって食べてるからか、めっちゃ驚かれた。親よりよく食べる子供。絵面はちょっとアレかもしれないけれど、子供が嬉しそうに食べているのを見ることは楽しい。



「習君。全種食べたいですけど、さすがにちょびちょびでもきついです」

「同じく。適当に分担して食べよう。…デザートはそっちに回そうか?」

「あー。そうしていただけると」


 了解。じゃあ、俺はメインを多めに食べていこう。四季もアイリも様子を見ている限り甘い物が好きそう。無理して食べるくらいなら、美味しく食べられる人へ。それが一番。



 スープ、主菜にかかっているソース、サラダのドレッシング。これを味わう限り、本当に地球にある調味料はだいたいありそう。なんならコンソメやシチューも地球のようにキューブやルーの形で置いてあるかもしれない。



 のはいいけれど、メイン料理がちょっと重い。サーロインっぽいのとかカルビっぽいやつのステーキは脂がのってて美味しい。スペアリブのニンニク醤油焼きとか、豚バラブロックのデミグラスソース?煮込みとかも濃厚で美味しい。材料が何かわからないけれど、地球で食べたことがあるのに匹敵するくらいには美味しい。



 でも全部、油が多い部位でこってりしてる。胃もたれしそう。気合いで食べきったけど。ちょっと最初にパンとか食べ過ぎたかもしれない。



「習君。お疲れ様です。これをどうぞ」


 四季がおずおずと差し出してくれるスプーンから桃っぽい果物を貰う。濃厚な甘さが美味しい。口もリセット出来て良い感じ。



「ありがとう。四季。甘くて美味しいね」

「ですね」


 再度四季がスプーンですくって一口。頬をほころばせると机に置いた。



「とはいえ、私もごちそうさまです。アイリちゃん、この量、ほんとにいけますか?」

「…お腹いっぱいにはなるけど、平気」


 まだお皿が机の半分くらい…2×2 mくらいを占拠していて、その上の料理もほぼ半分以上残っているんだけど…、平気なのね。よかった。



「…食べてる間、外出る?」

「いや、さすがに一人にはしない。ゆっくりお食べ」

「ですね。のんびりお茶でも飲んで待ちますよ」


 子供置いて外に行くとかなかなか畜生の所業。日本でも危ないかもしれないのにこっちとかもっとやばい。



 それに俺と四季が両サイドにいることで、アイリの足の上に置いている鎌を俺らの足で隠せている。どいちゃえば鎌が滑り落ちるかもしれない。そういうのを考えるとどこかに行くなんてあり得ない。――なんて理由は立てられるけれど。



「「一緒にいるのは(嫌ですか)?」」


 街という外に比べれば安全な場所で、一緒にのんびりしたい。それだけじゃ駄目だろうか?



「…ううん。…待ってて」


 通じたっぽいかな。のんびりでいいよ。俺らものんびりするし。



 紅茶を二人分頼みなおして、ゆっくり飲む。これで二回ものんびりでいいとか言わなくていいし、アイリがこっちに気を遣わなくても良いだろう。



 アイリを挟んで他の人に聞こえないように四季と会話。ちょっと食べにくいだろうけれど、許してね。



「このお店で判断する限り…、質が1個上がるごとに日本円換算でも一個あがるっぽいですかね?」

「だね。高額になったら変わるかもしれないけど…、日常生活で使う分はそんな気がする」


だから、小石貨は1円、大になると5円。以下、10, 50()(100, 500), |銀《1,000, 5,000》…か?でも、大銀貨が5,000は安すぎる気がする。



「大銀からは10倍かな…?」

「が妥当かもしれません。小金が万だと別に両替しなくても…ってアイリちゃんが言ってくれそうですもの」


 確かに。であれば、大銀貨が万。小金が十万、大金が百万。白金は小で千万。大で億。なんとなくそれっぽい?野菜買うのに10万出されても困るしね。



 …この考えが正しいとルキィ様、現金だけで400万近く渡してくださっているわけになる。すごいな…。



「…ごちそうさま。…お待たせ。どこに行くの?」


 お粗末様。ご飯も食べたし、宿を決めたいけど…、



「宿は少し早い…かな?」

「どうでしょう?日本なら兎も角、異世界ですからね…。日が暮れる前にチェックインさせてくれるような気はしますが…」


 微妙。



「アイリのアレ()を何とか出来るやつを探す?」

「…初動遅れると思うよ?」


 それは知ってる。でも…、



「街中でくらい良いではありませんか。私達もすぐにどうこうなるほど弱いわけではないのですから」

「だね。でも…、嫌なら嫌で良いよ」


 アイリの自由にしてほしい。



「…むぅ。なら貰う。言ってくれたし」


 了解。じゃあ、それと…。



「食材がもう切れてるし、買いに行こうか」

「えぇ。あと、服の替えがなさ過ぎるので新しい物も数点買いましょう」


 そうしよっか。じゃ、次は買い物だ。その後に宿だね。

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