12話 馬車
目が覚めて、横を見るとアイリと四季が寝ている。無事に寝れたけれど、まだ慣れない。好きな人がそばにいて、寝ている。そう考えるだけで心臓がドキドキしてしまう。
「習君、おはようございます」
「あぁ、おはよう」
寝起きで眠そうな四季は可愛らしい。寝起きの無防備なところを見せてもいい…くらいには信頼されていると言って良いのだろうか。
「アイリちゃん…はまだ寝てますね」
だね。穏やかな顔…とは言いがたいけれど。寝ているときも気を張っているのか寝顔が凜々しい。
「四季、少し相談があるんだけど」
「アイリちゃんのことですね?寝ているうちに済ませてしまいましょう」
頑張って起こさないようにしながら距離をとって、部屋の隅へ。
「結論から言いますと駄目だと思います」
四季、俺、まだ何も言ってないんだけど。
「アイリちゃんの呪いのお話でしょう?」
「うん。センが何とかなったから行けるかもと思ったんだけど…」
駄目か。
「おそらく博打になるでしょう。センでうまくいったとは言えるでしょう。ですが、センは鎖という目に見える異物がありましたから…。それがないアイリちゃんには……」
応用できるとも限らない。か。
「何より、元の保護者はルキィ様ですよ?何とかしようとしたに決まってます」
「それでも駄目だったってことは…、何か根源的な部分で駄目とか、そう言うのがありそうね」
仕方ない、今は諦めるか。
「…おはよ。…二人とも早いね」
「おはよう。そりゃ、俺らのが大人だしね」
「ですね。子供の方がより睡眠を必要とするものですから」
先に寝てくれてもよかったのに最後まで付き合ってたらそうなるよ。『冷却』も『スクロースの抽出』も使い切っちゃうくらいの量、だいたい20 kgぐらいあったんだから。
ま、全員起きたから音には気を遣わなくても良いな。身支度して人前に出られるようにして…ん?戸がノックされた。
「「どうぞー」」
「え?いや、入らなくていいのだが」
じゃあ何故声をかけてくださったんでしょうかね?
「ノックしたのは起床確認と朝食をどうするかを聞くためだ」
あぁ、そりゃ入らなくてもいいですね。お仕事ありがとうございます。
「で、朝はどうする?こっちに持ってきて良いか?量はどれくらいにする?昨日の量の6人前までなら受け付けられるが」
多い!俺らは一人前で足りる。けど、アイリは…。
視線をツイっと彼女にやると、笑顔でにっこり頷いた。なるほど、全部か。
「最大でおねがいします」
「了解。しばらく待ってろ」
しばらく待機するまでもなく持ってきてくださったね。仕事が早い。
「入ってくださーい!」
「あいよ。飯は入り口付近の台に置くから持って行ってくれ」
了解です。お盆を持ってご飯を机の上へ。次に持ってきてくださった分をアイリと俺、その次を四季とアイリが運んで終了。
「で、明らかに変わった馬の話をしたいのだが」
おっちゃんのセンに注がれていた目線が、運んだご飯に移る。
「飯が冷めちまうから後にするか。どうせ暇してるから食い終わったら呼んでくれ。こっちに来て話そう。じゃ、また後で」
パタッと戸が閉まる。では、手を洗って…、
「「「いただきます」」」
パン二個とお肉の入ったスープ、みずみずしい野菜のサラダ。それらを美味しく食べきってごちそうさま。
「同じ量を食べてるのに習君の方がいつも少し早いですね…」
「俺のが口が大きい分、一口が大きいからじゃない?」
噛む回数は同じであっても処理できる量が違う。
「一理ありますね」
「とはいえ、別に急いで食べる必要もないよ」
「…わたしが居るからね」
「「アイリ」」
「私がいるからね!」みたいな冗談めかした言い方ならいいけれど、そんな自虐じみた言い方は駄目。
「…ごめんなさい。気にしなくて良いって言われてたね」
分かってくれてるなら良い。たとえ押しつけがましくても、ここは曲げてなるものか。
「セン。センもご飯にしようか」
「ブルッ!」
「待ってた!」…かな。尻尾がめっちゃ喜んでる犬のようにぶんぶん振られている。本当に待ってくれてたみたい。
「昨日聞いてなかったのですが、ご飯は魔力だけで良いのです?」
「ブルッ!」
鳴きながら頷くセン。嘘を言ってる様子はない。本当にこの子、ただの馬じゃない。二人並んで手を差し出すと昨日同様、手をパクリ。
「魔力以外は食べられないの?あ。食べ終わってからで」
「ブルルン!」
食べ終わってからで良いよ。と言おうと思ったのに…、「ううん!」って鳴かれた。
……ありゃ?もう終わり?昨日に比べて全然減ってない。たぶん0.5割ほど。二人併せて1割にも行かない。
「一応、食べられはするのですね」
「ブルッ。ブルル、ブルルルッ!ブルルッ!」
「うん。でもー、魔力がないとー、だめー!」…か。
「となると、食べなかったのは食べたところで魔力が全然足りないから?」
「少し満たされたことによる飢餓感の悪化。それを恐れたのですね?」
「ブルッ」
「だよー」…ね。喉が渇いている時に海水を飲んでしまうと余計喉が渇く。それに近しいものがあるのだろう。何か食べて魔力を摂取してしまえば、その飢餓感を満たすために暴れ回ってしまう。センはそれを恐れたのね。
俺らの魔力量の多さなんて全然わかんないけれど、アイリが言うにはかなりあるみたい。その勇者の魔力の8割が必要だった。それを満たそうと思うと…、宿屋のおっちゃんは確実に干からびる。それ以外にも被害が出るかもしれなかった。…賢明だね。
「…それだけ魔力がいるなら、今までどうやってきたの?」
「ブルルッ、ブルルルッ!」
え?
「…翻訳お願い」
「あ。うん。了解。『生まれた、ばかりだよっ!』って」
「言ってますね」
生まれたばかり。何か深い意味があるとかではなく、きっと文字通り生まれたばかりなのだろう。
「ねぇ、セン。本当に何者?」
「ブルルッ!」
「さー?」かな?そうだよね。自分が何者かなんて説明できないよね。
それは兎も角、生まれたばかり。この子をここに連れてきた人が親から奪い取ったのか、捨てられたのを拾ったのかは定かではないけれど、この子は何者なのだろう?
「ブルルン、ブルルッ!」
「二人の馬で、いいじゃんー!」…ね。ありがとう。セン。
「…そういえば、作ってくれた飴は日持ちするの?」
「うん。腐らないはずだよ。時間を止める鞄に入れておかなくてもいいから、アイリが使いやすいように調整しておいて」
「…腐らないの?」
「えぇ、腐らないはずですよ」
魔法で作ったから飴の原料は砂糖…スクロースと水だけ。水に雑菌が繁殖すればやばいけれど、煮詰めて飛ばしてあるからほぼスクロース。スクロースはまっとうな環境に置いておけば大丈夫。
さすがに地面に置かれちゃうと蟻とかに持って行かれて終わるけど…。
「…ごちそうさまでした」
「「お粗末様でした」」
さて、これで全員食べ終わったから。
「おっちゃん呼んできて良い?」
「私は構いませんよ。じゃ、行きましょう」
「…ん」
ん?一人で行こうと思ったのに三人になったぞ?
「宿の本館?に行くだけだよ?」
「えぇ。知ってますよ?」
…あれぇ?通じない?
「一人でも大丈夫だよ?」
「いえ、大丈夫じゃないかもしれませんので行きましょう」
「…二人が行くなら着いてく」
何故か四季が心配性になってる。押し問答したところで意味はなし。一緒に行くか。折角、三人で行くんだったらお盆も全部もって、宿の正面入り口に突撃。
「おっちゃん!」
「おう!…って何やってんの?」
?呼ぶついでに食べたお皿持ってきました。
「置いといてくれと言ったんだが…、それに何故に三人?」
さぁ?俺に聞かれてもわかりません。アイリを一人で行かせるのは袋で鎌を誤魔化せるとは言え論外。四季は万一、誰かに口説かれてそのまま連れて行かれたりしたら、そいつを殺したくなるから駄目。だから俺しか選択肢がなかったんですけどね。
「仲いいんだな…。ま、行くか!」
小屋に帰還。
「ブルッ!」
「おかえりー!」的なことを言ってぐいぐい頭を押しつけてくるセン。親愛を湿してくれるのは嬉しいけれど、もう少し中に入ってからにして。全員入りきれてないから。
「元気に立ってるし…、めっちゃ懐いてるな。昨日も言ったようにその子は連れて行ってあげて欲しいんだが…、いいか?」
もちろんです。こちらから頼もうと思っていましたし。
「よし、なら馬車もいるよな?」
「お願いします」
「わかった。準備は出来てるから、出発したくなったら声をかけてくれ。じゃ、またな」
了解です。
「じゃあ、片付けをしたら出発しようか」
「ですね。朝しなきゃ駄目な準備とかはもう済んでいますものね」
片付けと言ってもやることはそんなにない。昨日今日で汚れまくるわけもなし。水浴びに使わせて貰った場所、トイレ、ベッドの上等々…忘れ物がないかを調べて終わりだ。
さ、おっちゃんに声をかけに宿に…行かなくてもいるね。
「おっちゃん!」
「早いな…」
「一応、色々あるので」
バシェルは抜けた。フーライナの不埒ものは許さない特性を考えると、バシェルも無法は出来ないだろう。そして、国境付近にいた隠密は片付けたからしばらく手は出せないはず。
だからのんびりしていたけれど、一日経つと少し不安ではある。もう少し遠いところに行きたい。
「馬車はこいつだ。馬につなぐために必要な諸々はその子に合わせたやつを見繕ってある」
よく見る木で出来た馬車。サスペンションとか絶対付いてない。でも、かなりぎっちぎちに詰め込んで6人乗れる!というわけではなく、余裕を見て乗っても大の大人が六人乗れる大きさ。
馬車の後ろは両開きで外にパカッと開く。前方の御者台に繋がる部分には内開きの戸。
襲われた場合、後ろの戸に閂をかけて、前方の戸を人間の圧力で防ぐ…そんな感じで籠城できるよう設計されているようだ。御者台は広くて、俺、四季、アイリが並んで座れそう。ちょっときついかもしれないけれど。
「繋ぎ方を見せておく」
センと馬車をつなぐ方法を見せて貰って、実際に軽くセンが馬車を引く。つなぐときに魔道具を使うとは思わなかったけど、しっかり繋げているし、問題なく引けてる。
「いけそうだな。ついでに鞍と鐙の様子も見とくか」
「え?その二つは馬車には関係ないのでは…?」
鞍と鐙は騎乗する時に使う道具。馬車に乗るなら不要だ。
「この子なら三人乗れるだろ。乗馬練習をして、三人乗り出来るようになれ。そうなりゃ、最悪、馬車捨てて逃げられるだろ?馬車を切り離すだけならさっきも見せたように魔力流してくれりゃあいいんだし」
なるほど。では、ありがたくその気持ちを受け取っt、
「ま、嬢ちゃんが育つか、二人目出来たら意味ないけどな!はっは!」
おっちゃん。色々台無しです。
「おぉ?こんな嬢ちゃん居るのにまだまだ初々しいな!俺も嫁さんと話すべきだろうか?」
顔真っ赤にしてるだろう俺と四季を放置して、このおっちゃんは何を言ってるんでしょうかね。
「支払いは昨日も言ったように小金貨15枚と小銀貨5枚だ」
「あぁ、即金で払います。どうぞ」
あいにく小銀貨の持ち合わせはない。|小金貨15枚と大銀貨1枚《151万円》出す。
「あいよ」
「あ。お釣りはとっておいてください」
「おっちゃんのお仕事に対する感謝の証です」
今まで過ごした感じ的にこの世界にチップ文化はない。もしあったとしても、日本人が多いっぽい勇者が息の根を止めてる。だけど、感謝の気持ち。渡しておこう。…鞍と鐙、センの諸々にかかったお金にはならないだろうけど、ちょっとくらいはとっておいて欲しい。そんな気持ちもある。
「そうか、わかった。じゃ、元気でな!」
「はい!おっちゃんもお元気で!」
さて、馬車を袋にしまい込もう。街中で未経験者が走らせるのは危険だし。ガバッと広げて、無理矢理押し込む。…うん。ギリギリ入った。
「…街を出たら北東に。…バシェル国境は近いけど、後を考えるとこっちのが楽」
了解。でも、進む前に街を出てしばらく歩いたところにある広い平原。ここでセン周りのことを確認しておかなければ。
「…馬には乗れるの?」
「うん。乗れるよ」
「同じくです」
おぉう…。四季もあるのね。
「ちゃんとした馬?」
「です。機会がありましたので。習君も…ですよね?」
うん。俺も四季のこと言えないけど、よくそんな機会があったね。
「…器具の付け方から全部出来る?」
「うん。やってみるね」
つべこべ言う前にやる方が早い。これには魔道具はついてなさそう。であれば、地球でやったように。
「ほい。出来た。セン。乗るよ」
「ブルルッ!」
「やさしくね!」…ね。もちろん。
馬に乗るには馬と心を通わせるのが大事。だけど、何故か俺と四季はセンが何を言いたいかわかるし、センは言葉がわかる。行けるかな?みたいな感覚的なものではないから楽。
「セン、軽くこのあたりを一周しよう」
「ブルッ!」
嬉しそうに俺の合図で動き出すセン。速さはなかなかのもの。だけどまだ手加減してくれているような。
「セン。全力でも良いよ」
「ブルッ!?ブルルルッ!」
「ほんとに!?やったー!」みたいに鳴くと、急加速。かなりの速度。すぐにバテてしまうかもしれないけど…。90 km/hくらいあるかもしれない。…って、もう減速し始めた。
あぁ、もうすぐ一周終わるのね。ありがと、セン。何も言わなくても慣性を考えて丁寧に減速して、二人の前で停止。
「お疲れ様です。ちょっと心配でしたが…、危なげなく乗れてましたね」
「まぁね」
あっちで何回か練習したもの。
「一度外す?」
「確認のために外しときましょう」
了解。俺が外して、四季がつけ直す。そして、センに四季が騎乗し、駆け出す。
センに乗って風をきる四季。風でたなびく黒髪は美しく、正面を見据える顔は凜々しくてかっこいい。人馬一体を体現するようなその姿は、本当に絵になる。
…のだけど、スピードを上げられるとちょっと不安。俺と同じことをやっているのだろうけど。
……四季も俺の時、こんな風に思ってくれていたのだろうか。
「ただいまです。アイリちゃんも乗りますか?」
「…わたしは乗れるから良い」
「了解です。では、外してしまいますね」
四季がテキパキ馬具を外して、収納。次にやりたい二人乗りするには邪魔だしね。
「習君。前に乗ってください。私が後ろに乗ります」
「わかった。了解」
四季の顔は赤い。俺の顔も、きっと赤い。けど、突っ込まない。平常心。
センにまたがり、俺が四季を引き上げる。安全なように乗る位置を調整すると、四季の胸が思いっきり背中に当たる。でも、平常心。平常心。大丈夫。何も問題ない。
「セン。行くよ」
さっきと同じように一周。さっき最初に走ってくれた速度は問題なさげ。
「四季、速度あげても?」
「習くんがいけると思うなら。どうぞ」
了解。では、
「セン、少しずつ速度を上げて!」
加速すると揺れが激しくなって不安定になる。その分、四季はセンをぎゅっと足で挟んで、俺に抱きついてくる。…我慢。我慢。でも、
「ちょっときついかな?少し落として」
「ブルッ」
ごめんね。セン。少しバランスが取りにくい。
「習君?」
「一人の時よりちょっと安定感がない」
だからさっきの速度を出すのは難しい。
「前後交代して試してみる?思いっきり触れることになっちゃうけど」
「え?わかりました。二人乗りでもさっきの速度が出せた方が良いですものね。やりましょう」
前後変えたところで変わらないと思うけど、交代。
もういっか…って、これ、根本的に駄目じゃない?安定させようと思ったら四季のお腹側に手を回す必要がある。少し動かすと胸に当たるわけで…。
「習君。さっきので妥協しましょう」
「だね」
「…顔真っ赤」
知ってる。言わないで。
「三人乗りを試そう」
「ですね。習君が前、私が後ろ」
「アイリは…、間で良いか」
「…ん」
間ならアイリの体勢と俺の心が安定するはず。…あれ?アイリが困ってる。乗れるって言ってたはずなのだけど。
「…一人なら馬に悪いけど飛び乗れる。けど、二人がいる状態だと危ないから無理」
なるほど。抱っこして持ち上げるか。
「抱っこしても良い?」
「…ん。荷物はどうする?」
荷物は…、
「アイリが持ったまま乗ることは可能?」
「…ん」
「じゃあ、お願い」
「…ん」
荷物を持ったまま腕をこちらに伸ばしてくるアイリ。『身体強化』をかけてっと、では、失礼して…、軽っ!?ちゃんと食べ…てるな。何でこんなに軽いんだ?
「…魔法使ってたら軽いと思うよ。鎌入れて50より少し下くらい。今持ってる鞄を入れると…50かな?」
鎌入れて50 kgより少し下?身長から考えると…、普通くらい?食べたカロリーは…呪いの抑えとかに回ってるんだろうなぁ。
「…抱きしめるなりしてくれないと、脇に体重集中して痛い」
「あ。ごめん」
俺の後ろへ乗せる。
「セン。大丈夫?」
「ブルッ!」
「よゆー!」かな。それはよかった。ありがとね。
「位置調整しよう」
うん。四季の胸が直接当たらなくて良い感じ。
「…ごめん。たぶん駄目。…お母さんがお父さんにぎゅって抱きつくと、お父さんの背中とお母さんの胸で息できない」
おぉう…。アイリを最後尾…は脱落する可能性がある。となると前か。抱きかかえて俺の前へ。
「横に俺の手が通るけど、構わない?」
俺が手綱を握って腕でアイリを挟む。それがこの状態で一番安定すると思うのだけど。
「…ん」
ならよし。後ろはあまり気にしないで…。
「セン。お願い」
常足から速足、駈足を経て、襲歩へ。一人で乗っていたときと同じような速度は望むべくもないけれど、速い。
一人で乗るときも気持ちよかった。けれど、三人だともっと気持ち良い気がする。
「四季!アイリ!気持ちいいね!」
「ですね!このまま三人と一頭で進みますか?」
良いかもしれない。でも、
「道を走るときはこんなに飛ばせないし、揺れるからあまりこのまま進めないと思うけど?」
「良いじゃないですか!セン!このままでも行けますか?」
「ブルッ!」
「もちろん!」と鳴くセン。なら、そうしよっか。荷物は全部持っているし、少し恥ずかしいけれど、速度を落とせば耐えられないこともない。
「セン!街道に向かいながら速度を落として!街道に入ったら一応、速足に。行けそうなら駈足。でも、襲歩はやめてね!」
「ブルッ!」
「やったー!」といわんばかりのセンの声が、蒼い空に響き渡った。




