表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夕日は瞳の奥に  作者: ぬりえ
第十一章
77/163

十、

 ううーん、これはなかなか面白い。

 これからどうなるか、楽しみで仕方がない。

 予定どおりにものが進み過ぎてしまったら、それもそれでつまらない。駒が思い通りに動いてくれているのも気持ちがいいのだけれど、やっぱりちょっとした想定外がないと。


 今の状況は私の思っている方向へまっすぐ突き進んでいる。それをどう覆してくれるかな。


 まぁ、無理だろうけれど。


 シナリオに横やりが入るのも、余興の一つだ。

 せっかくだ、無駄な抵抗という名の一大イベントを楽しんでおくとするか。


 窓から月が見える。

 にぃ、と不気味に笑う瞳のような形。


 光は嫌いだ。私は“影”。闇と一体化できる夜のほうが好きだ。

 光がなければ影は存在しない、というのはなんという皮肉だろう。


 まぁ、こんな光なら悪くない。

 すぐに闇に染め上げることができる、か細い希望という名の光。

 すぐにぽきんと折ってしまえる。


 自分は“影”だから、まだ今は必要だ。

 自分が闇となるまでは。そう、今は、まだ。


 ああ、でも、よく考えれば、ここに今は私ひとり。暗い部屋の中。

 私の嫌いな“光”はいない。けれど私は存在している。


 そうだ。私は“光”がなくても存在できるのだ。

 だって今ここに、“影”として在るのだかた。


 “影”の口元も、空を切り抜いた月と同じ形に、にぃ、と弧を描いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ