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夕日は瞳の奥に  作者: ぬりえ
第八章
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十一、

 のんきなやつらだ。

 あんなイベントごときで幸せになれて、恋人や仲間を増やして。

 そのうらで不幸になって居心地の悪さを味わっているやつがいることなんかにまったく気づかない。

 私の計画はどんどん進んでいるというのに、それにさえ気づいていない。


 はっ


 “影”は鼻で嘲笑った。もうなにもかもすべてを嘲笑う。


 まぁ、幸せな時間なんて長くは続かない。せいぜい一時の幸福に浸っていればいい。そして不幸の底へと落とす。そのほうが、苦しみを目の当たりにしたときの絶望は大きくなる。


 私は許さない。すべての生きるものたちを。

 私をあんなふうに扱い、蔑み、避けてきたものたちを。

 幸せになどさせてなるものか。

 お前たちのせいで、私は“影”になっているのに、それすら知りもしない、知ろうともしないものたちを、許せるはずがないだろう。


 世界が闇となれば、“影”はそれに溶け込んで、生きるものすべてが苦しむ姿をどこからでも見ることができる。


 楽しみだ。


 次のターゲットはもう決まっている。

 あいつらは気付いていないようだが、準備も着々と進んでいるのだ。

 そろそろ、“影”の姿を見せてやってもいい頃だ。

 さて、あいつらはどうやってくるかな。


 ……楽しみだ。


 にぃ、と“影”は笑った。

 不気味に歪む口元は、時空をも歪ませてしまうかのように、昏く昏く弧を描いていた。

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