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夕日は瞳の奥に  作者: ぬりえ
第十六章
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三、

 あ、そうそう、と、帰ろうと言ってきたシエルがまた話だした。


「グリンヴェルドューユ様は忠告、とおっしゃったけど、あれは君たちへのヒントだよ。守護神に対しての、ね」

「ヒント?」

「それから、そのエメラルドのことは誰にも話さないほうがいい。どんなに信頼している人にもね。お守りとして、というより預かりものと思うのがいい。君は仲介人だ」

 大切な話をしてくれているのはわかるため、眉を顰めながらも頷いてみせる。金糸で編まれた袋の中に入ったエメラルドが、ずしりと重みを増した。

「あと、二回目の石像事件のときに、君が見た、というか、君の視界を隠したのは僕だよ。君を護りたくて、つい手をはさんじゃった。見えてたら君も危なかったからね」

「どういうこと?」

「僕が言えるのはここまで。あとは君が、君たちが考えることだ」

 中途半端な説明に物足りなさを感じるが、シエルがこれ以上話すつもりがないのがわかる。やはり人間に介入するには制限があるのだろう。

「護ってくれてありがとう。あと、アドバイスも」

「再会できてうれしかったよ。戻ってもうまくやってよ」

「俺もだ。事件は解決できるようにがんばるよ」

 シエルが大きく手でアーチ描く。

「安心して、今度は、帰る時間は間違えないから」

 間違わないのはわかった。シエルももう大きくなったし、ここに自分を連れてきたのも彼だ。

 でも、いつ、どこに続いているのかは教えてもらえていない。


 それに。


「碧は、碧のことは教えてくれな」

「またね」

 ふおん、と視界が明るくなったその中へ、とん、と背中を押される。

 身体はそのまま吸い込まれていった。

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