第2の人生の始まり
4「第2の人生の始まり」
ちゅんちゅんちゅん
何やら鳥の鳴き声が聞こえる
風が肌を撫でるような感覚がする
何だか長い夢から覚めたようでいて、新しい朝を迎えたかのような・・・
「んぁ?もう着いたのか?次の世界」
目を覚ました俺は女神様の力によって、本当に次の世界に到着したみたいだ
しかし何故だろう?
「なんで俺はベッドに寝てて、知らない場所にいるんだ?」
次の世界に来たのはいいんだが、なぜ知らないベッドに寝てるんだろう?
多少疑問に思ったが、これも女神様のもてなしかなっと勝手に納得して周りを見渡す
何やら高価そうなツボや花瓶や鏡などがこの部屋には飾られている
なんだろう、どうやらここは金持ちの家?みたいだ
俺がそんな事を考えていると
コンコン
「失礼します、お客様お目覚めですか?
王があなたをお呼びです
出来るだけ早く広間にお越しくださいませ」
扉の外から中年ぐらいの女性が声を掛けてくる
ふーん、なるほどな
どうやら普通の一般市民としてこの世界に来たわけじゃないみたいだ
もしかしてそれ読みの女神の力なのかな?
などと考えてはいたが今は目の前のことだな
「わかった、もう目覚めたからすぐ行く
広間の場所がわからないからちょっと待っててくれ」
「かしこまりました」
とりあえず鏡で髪を整え、色々チェックはしておく
身だしなみは大切だしね
ガチャ
俺はとりあえず、扉の前に立っていた40代ぐらいの女性に声を掛ける
「すまない、それではその王?の所に行こうか
というかその道すがらこの世界について教えてくれたら助かる」
一応異世界人とは分かってるはずだし
ここで聞けば教えて貰えるはずだ
そしたらこの世界についての常識などを知ることが出来る
まあ、そんなもん知らなくても何とかなるような気もするが・・・
「ええ、わかりました
それではこの世界についてですが・・・」
「・・・ですから、この世界の平和を取り戻すためにお客様を召喚により呼び出したといった訳でございます
・・・ソロソロ王の御前でございます
くれぐれも粗相無いようにお願いいたします」
「ほいっと、ありがとさん
じゃあ行って来るわ」
とりあえず女性に礼を言って、ノックをして室内に入る
目の前には王の椅子まで続くバージンロードのような赤い絨毯
そしてその先の椅子にどっしり座る王様と見られる人物
大体60〜70代ぐらいの頭に王冠が載っているだけの普通のおじさんにもみえる
あんまり人を敬う事をしない俺だが、まあ形だけは敬うことにするか
入ってすぐに頭を下げつつ、先ほどの女性の話を少し思い出す
どうやら俺はユリヤス王国という国に召喚された勇者候補みたいだ
俺の他にも2人勇者がいるようで、そちらはもう王にあっていたらしい
召喚した際に俺は眠っているような状態だったらしく、現在まで安静にしてもらっていたみたいだ
まあ、俺以外に勇者がいるようなら話ははやいな
内心ほくそ笑みながらもそれは顔には出さず、とりあえず目の前の王様に挨拶してみる
「お忙しい所失礼いたします
勇者召喚により参上しましたタカナシ カルマと申します
この度はどういったご用件でお呼びになったのでしょうか?」
慣れない敬語で変な感じになっているが、まあ敬意を表してるようには見えるだろう
まあ、初っ端から偽名を言っているのは何となくその方が面白そうだからだ
それを聞いて王様はうむと頷き
「侍女のものから聞いているかもしれないが、現在この国には魔王からの脅威が近づいている
異世界から来た、勇者タカナシよ
これから魔王を倒す冒険に出発してくれるな?」
王は威厳のこもった声で命令をしてくる
魔王討伐はしんどそうだが、勇者召喚された人間は何か特別な力と高いステータスを買われ、ある意味貴族のような生活ができるようだ
この世界で生きていくための色んな事を知らないし
まずは王城で情報収集が必要だろう
長々と考えてしまったが、俺の今後の方針を決まったも同然だろう
そうだな俺はもちろん!
「だが断る!」
王様を含めた家臣一同、全ての人と空間が凍りついたような気がした
そして冒頭に戻る・・・
ここで1話目の冒頭に戻ります
次から本当の意味での異世界生活スタートです!