第三話 女性がメロメロ!?
次はここか
「ん?なんか変だな」
「どうしたの?」
「・・ここ・・女しか目に入らねぇ」
「・・・本当だ。男の人がいない・・・」
それに・・・
「レイ。これ巻いとけ」
「・・マフラー?」
「口にもだぞ」
「う、うん」
「あら・・坊や達かわいいわね・・・」
「ほら・・こっちへいらっしゃい」
な、何だこいつら・・・
「君たち!こっちこっち!」
「!!レイ!つかまれ!」
「あ、うん」
「動物魔法・チーター!」
ギュン!!
「どわっ!」
ゴツン!!
「ってーーー!!」
「君たち大丈夫かい?」
「え、えぇ。まぁ」
ん?
男・・・
「あの・・あなたは?」
「私はこの村の村長、ナルバと申します」
「俺は戎人。こっちはレイ」
「よろしくお願いします」
「・・もういいぞ。とれ」
「うん。ふぅ・・・」
「!!お、女だ!!」
・・・
「ナルバさん。こいつは俺の仲間だ。心配要らない」
「・・そ、そうですか・・・」
「お聞きしたいのですがあの人たちはいったい・・・」
「・・彼女らは・・何か魔法のようなものにかけられているのです」
「魔法?」
ナルバはゆっくりとうなずき
「あれは四日ほど前、一人の女性がこの村にやってきました。その人は突然見かけた男にキスを迫ったのです。しかし皆逃げ彼女の前には男は現れなかった。しかし女性がこの村の女を見ても同じことを繰り返しました。そしてある時、その女性は女とキスし、そのキスされた女も同じ行動をとるようになりました。それからこの村の女は皆あのようになってしまい男は女が恐くて外に出れなくなってしまったのです」
「そんな魔法・・聞いた事無い・・・」
「・・・魔法・・・」
本当に魔法なのか?
もっと違う何かが・・・
「調べるしかないな」
「でもどうやって・・・」
「このマフラーは外からの風を受けないように出来ている。もしかしたら空気感染かもしれないからな。それに調べないでどうやって止めるんだ?」
「と、止めてくれるんですか?」
「あぁ。俺に任せろ」
「・・ありがとうございます!」
「これを」
「これは・・通信機?」
「あぁ。俺もそれを小型化した物をもっておく。何かあったら呼べ」
「うん」
「よし・・いいな?」
「うん」
ガチャ・・・
「あら・・かわいい。キスしましょ」
「・・動物魔法・カンガルー」
ビヨーーーーーン!
大ジャンプ
「動物魔法・鷲」
「どう?」
「・・何も・・・」
俺は着地した
「・・!!」
「どうしたの?」
「・・窓をほんの少し開けてくれ」
「は、はい」
「姿魔法・蜂」
ブーン・・・
「キャッ!蜂!」
「よっと!」
「カイト?」
「閉めろ!」
「うん!」
バタン!
「何かわかりましたか?」
「あぁ・・これは惚れ薬だ」
「惚れ薬?」
「あぁ。たぶん魔法で作られた薬だ」
「でもそうだと長時間はあんなふうにならないでしょ?」
「これは定期的に風で惚れ薬を飛ばしてる」
「・・そういえば何度か元に戻ります。でも北風でまたあぁなってしまいますが・・・」
北風・・・
「・・あれ?私は・・・」
「レイ!誰か女性をここに!」
「うん!」
ビュッ!
「ヤバイ!レイ!戻れ!」
「・・・」
「だ、大丈夫か?」
「・・カイト?心配してくれるの?うれしい・・・」
「れ、レイさん!?」
「まずい!!表でろ!」
バダン!!
「れ、レイさんは・・・」
「今の風で惚れ薬が舞ったようだ」
「・・・そうですか・・・」
「ナルバさん。あんた北がどっちかわかるか?」
「え、えぇ。わかります」
「案内しろ」
「ですが外は・・・」
「恐竜魔法・プテラ」
俺はプテラノドンになり
「なっ!?」
「大丈夫」
・・・どうやって出るか・・・
「屋根ぶっ壊していいか?」
「・・あれを止めるためならば!」
「これ巻いとけ」
「はい」
「行くぞ!」
バギン!
イッテーーー
「あちらです」
「・・ここだな」
「洞窟?」
「あそこから妙な気配がする」
「ではあそこが・・・」
「あぁ。惚れ薬はあそこからだ」
「どうするんですか?」
どうするって・・・
「ぶっ潰す。あんたはここにいろ」
「しかし・・・」
「ナルバさんは防御の魔法使えるのか?」
「え、えぇ・・・」
「じゃあそれで自分の周り防いでろ。惚れ薬の影響を受けたくないならな」
「ですが・・・」
「じゃ!」
「動物魔法・ゴリラ!」
ドゴン!!
「な、何だ!?」
「洞窟か・・・ありきたりだな」
「だ・・応援を呼べー!!」
「・・お前らか?南の村に惚れ薬撒いてるのは・・・」
「武器魔法・バズーカ!」
「盾魔法!」
盾で守りながらバズーカ砲で攻撃か・・・
「・・撃てー!!」
どぅん!どぅん!どぅん!どぅん!
「・・お前ら自分のアジトを自分の手で破壊するのか・・・」
「喰らえーーー!!」
「・・恐竜魔法・トリケラ!」
どがーん!!!
・・全然痛くねぇ!!
「な・・・」
「ゴーーーーー!!」
「な・・なんだ!?何者だ!?」
「こいつはトリケラトプス。唯一ティラノと互角の恐竜だ。そしてトリケラの皮膚はサイより硬い!!」
俺は軍勢の中に突っ込んだ
「うわーーーーッ!!!」
「な、何!?何なの!?」
・・変身・・解けたか
「お前がここのリーダーか?」
「な、何よ・・・それが何!?」
「お前のせいで南の村が迷惑している。今すぐやめろ」
「・・ふん・・その事・・・」
・・何だ?
「いやよ。あれは私の開発した惚れ薬の研究のために必要なの。やめるなんて・・・」
「そのせいで男が町を歩けなくなっている。しかも女におびえているんだ」
「・・あら、そう・・・じゃあ男に対してどんな効果があるか試さないとね・・・」
何する気だ?
「・・これがね、私の開発した薬なの・・・ふぅー」
「な、しまった!」
吸っちまった!
「ふふふ・・・さぁ、どう?」
「・・・・・悪いな・・俺には効かねぇようだ」
「え!?な、何で!?」
どうやら俺のいた世界とこの魔界の人間は構造がちょっと違うみたいだな
「お前は寝とけ!姿魔法・獅子!」
「キャーー!!・・・・」
「・・なっただけで気絶しやがった・・・」
最後の仕事か・・・
「火魔法」
惚れ薬なんて・・・
アホな奴だ・・・
俺は最後に惚れ薬とその作り方、研究所を燃やして洞窟を出た
「お、おぉ。どうじゃった」
「あぁ。漏れ薬は燃やしてきたよ」
「・・ありがとう・・ありがとう・・・」
「じゃあ、戻ってみるか」
「はい!」
「恐竜魔法・プテラ」
「・・ナルバさんはここにいろ」
「え、まだ・・なんですか?」
「・・最後に・・・」
「わかりました」
・・・こいつらなんでまだ・・・
「そうか・・何度も浴び続けているから・・・」
「・・カイト・・・」
「レイ・・・お前もまだなんだな・・・」
「何が?・・ねぇ・・こっち来て・・・」
「・・・レイ・・・」
こいつらを戻すには・・・
「ねぇ・・来て・・・」
「こっちよ、こっち・・・」
「引っ張るな!」
「強気・・かっこいいわ・・・」
「カイト・・・」
「・・戻れ・・・戻れよ!」
「キス、しよ・・カイト・・・」
「・・・戻れーーーー!!!」
ビュッ!!
「医術魔法・薬終決!!」
ゴーーーー・・・
これは・・・台風の目・・・
「ん・・・ここは・・・」
「私たち・・今まで何を・・・?」
「やっと解けたか・・・」
「・・・カイト?」
「よぉ、レイ。大丈夫か?」
「うん・・・」
・・ふぅ・・・
ナルバさん呼ばないと・・・
「おぉ・・おぉ!」
「ごめんなさい・・皆さん・・・」
「元に・・戻った・・・戻った!」
「ありがとう、あんたのおかげだ」
「・・お前らやせてんなぁ・・・」
・・やばいぞ・・・ほぼ骨・・・
「待ってろ。レイ、来い!」
「え!?どこに!?」
「恐竜魔法・プテラ」
「よっと・・ほら川から魚と山から山菜を取ってきた。これ食え」
「ぁ・・い、いいんですか?」
「あぁ。あんたら対していいもん食ってないだろ」
「あ、ありがとうございます!今日は祝いだ!!」
へへっ
喜んでもらってよかった
「あの・・・」
「ん?何だ?ナルバさん」
「何かお礼をしたいのですが・・・」
「いいよそんなの」
「ですが・・・」
「・・なら・・ここから近い村の場所と・・ここ、近くに遺跡みたいのあるだろ。その場所教えてくれ」
「・・祠ですか・・・ではあなたたちのことを教えてもらわなければなりません」
・・何かあるな
「俺はここではない所から来た」
「それは?」
「カイトは人間界から来たの。私は魔界の人だけど」
「なんと人間界から?」
「あぁ。なぜか、な」
「うむ・・・それではお教えしましょう。祠の場所を」
祠・・・
「一番近い村はここから東に行った所にあります」
「東か・・・」
「祠は西に行くと洞窟があります。その中に祠が。その祠にある石を人間界から来た者が触ると龍が目覚め力をあたえてくれます」
「・・力?」
「はい・・しかしその者にあたえるかはわかりませんが」
「・・・・・」
「それでも行きますか?」
「あぁ!行くとも」
「でも出発は明日だよね、カイト」
「そうだな。今日はここでゆっくりしてくよ」
「わかりました。では寝る所を準備いたします」
次の日
「さて行くか」
「うん」
「そうだ。ナルバさん、これを」
「これは・・・」
「通信機だ。何かあったらこれを使ってくれればすぐに来る」
「・・・ぁ・・・」
「恐竜魔法・アーケオル!」
・・・意思の・・コントロール・・・
「グギャーーーーーッ!」
「・・・それ、肉食?」
「まぁ一応な。乗れ。こいつは速ぇぞ」
アーケオルニトミムスはダチョウ並みの速さだからな
「では皆さん。お元気で」
「さようなら」
ダッ!
「ありがとうございましたー!」
第三話 終わり