第十二話 炎の神殿
「おや、カイト様」
「よぉ」
「仲直りはされましたか?」
「あぁ。もう、大丈夫だよ」
「左様でございますか。それでは皆様を鳥神、朱雀のいる祠へ案内いたします」
案内・・・
「いや、いいよ。道さえ教えてもらえれば俺らだけで行ける」
「・・わかりました。ではお教えします」
俺たちは男性から祠への道を聞いた
「・・・わかった。じゃあ準備して行くとするか」
「うん」
「レイ。お前は大量の水を持って行け」
「え、でもこれくらいでいいんじゃ・・・」
「これから行く所は炎の神、朱雀がいるところなんだ。どんなに暑いかわからない。レイとバルトは水分補給するために大量に持っとく必要がある」
「カイトはどうするんだ?」
「俺は戦闘する側だ。水分補給はこまめには取れないが少しは持って行く」
他に持って行く物もあるしな
「少しはって・・結構持ってるじゃん」
「このうち水は半分だけだ」
「残り半分は何?」
「いずれわかるよ」
「・・・何なんだここは・・ジャングルか?」
「でもここを行った先でしょ?がんばろ、カイト」
祠の場所はこの森をぬけた先にある炎神の砂漠と呼ばれる砂漠の真ん中である
「・・にしても雑草だらけだな」
「・・うぅ・・何かむしむししてきた・・・暑〜い・・・」
そういうとレイは服の襟をつかみパタパタしだした
「こら、レイ。女の子がはしたないぞ」
「ごめーん」
「・・でもマジで暑くなってきたな」
「二人とも水を飲んでおけ脱水状態にならないようにしろよ」
「わかった」
・・もうすぐだ
「・・うわっ!暑ッ!!」
「砂漠って・・暑い・・・」
「そりゃ砂漠だからな・・それなのに・・カイトは元気だな・・・」
「・・こんなん、向こうの砂漠に比べりゃ涼しいもんさ」
「マジかよ・・・」
こっちは何度なんだ・・?
「なぁ、ここ今何度かわかるか?」
「うーん・・今ねぇ・・38℃だよ・・たぶん・・・」
「何でわかるんだ・・?」
「私は・・水を操る・・魔法使い・・・体内時計みたいに・・体内温度計があって・・それで・・・」
「わかった、もうしゃべるな・・・それにしてもそんな暑いか?」
「に、人間界の砂漠は・・温度いくつだ・・・?」
・・えーと・・・いくつだろう・・・
「詳しくは知らないけど50℃ぐらいかな・・たぶん」
「・・・マジかよ・・・」
「あぁ。しかもそこで砂の中に卵を殻ごと埋めたら半熟のゆで卵が出来るらしい」
「死んじゃうよ・・・」
そりゃそうだ・・・
日射病で死ぬわな・・・何人かは・・・
「それより二人とも水かぶっておけ、ほら」
俺はそう言い水を投げた
「い、いいのか?」
「あぁ。俺にはそんなに必要なものじゃないからな」
「じゃ、じゃあありがたく使わせてもらうね」
んな・・丁寧なやつ・・・
「半分くらい飲んであとは頭にかけろ」
「うん・・・」
・・・・・・・・
「どうだ?」
「あぁ、さっきよりマシだ」
「こまめに水を飲まねぇと死ぬからな、気をつけろよ」
「うん、わかった」
「・・もう祠についてもいいと思うんだけど・・・」
「方向が違ったか?」
「いや・・そんなはずは・・ん?」
「どうした?」
・・・これは・・・
俺は地面に何か赤く光るものを見つけた
「・・・わかったぞ・・・祠はこの下だ・・・」
「何!?」
「何で!?」
「この砂漠は砂嵐が頻繁におきている様だ。それで砂が雪のようにどんどん重なっていきとうとう埋もれてしまったと言うことだろう」
「じゃ、じゃあこれを掘るの?」
・・・掘るのか・・?
「必要ないと思う」
「何で?」
「・・・炎魔法!」
俺は赤く光るものに炎を通した
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・
「な、何!?」
「何の音だ!?」
「炎の神殿が目覚めた」
「神殿が・・目覚めた・・?」
その時、神殿のような物が砂の中から姿を現しました
「こ、これが・・・」
「あぁ・・・この神殿の中に、祠がある・・・」
第十二話 終わり