夏
今日の夏
蝉が鳴いて
猫が爪を研ぐ
暑い日差しが草を焦がしてもえあがる
今日の夏
あの人の住むそこは
暑いだろうか
私をすぎる風を
感じるだろうか
猫が叫ぶ
声をくぐもらせて
伸びて私をみる
今日の夏
今日の夏
扇風機の音
猫の砂の音
彼が住む文字の中
彼は今日も現れるだろうか
大きな希望を背負って
切ない絶望に震えながら
いとしい君
いつまでも
魂を震わせて世界を創り上げる
今日の夏
ともに空をみて
猫がなく
扇風機の音
カラスの声
今日の夏
暑い朝の
違う夏