真の意味 [序章]
私立七星高校、通称七星高。この学校に教師として送られた自分は初日早々から遅刻という典型的なミスをしてしまい(半分以上自分ついた嘘のせい)教師として失格な立場にあった。
今は校長室にいる…。異様な空気をした部屋では校長と副校長が分厚い革張りの椅子にもたれながら書類に目を通していた
「君は何故出勤初日から遅刻してきたんだね?」
見るからに怒りっぽい副校長が、半ば呆れ声で自分に問いかけてきたので、これはマズい!と、踏んだ自分は苦し紛れの返答をした。
「すみません!「こんな事」になるなんて想像つきませんでした!」
この後散々理由を言ったが自分でも言い訳だとわかるぐらい屁理屈だった。
5秒ほど沈黙が続き校長が口を開いく
「まぁいいんだ。君にはこの高校の今後に関わる大きな仕事をして貰わなきゃいけないんだからね。」
その言葉の意味を理解する前に続けて校長が言った
「君にはこの高校の「特別学級」を担当して貰いたいんだ。」
「え?」
思わず言葉が漏れた、だが自分でもこの言葉を聞いた以上これ以外の言葉が生まれなかった
「今、なんて…?」
「もう一度言おうか?特別学級の担任を務めて貰いたい。」
いやいやいやいやいやおかしいでしょ?なんで自分が普通科ではなく特別科の学級担当しなきゃいけないんだよ!?!?
一応今年度から教師になったのにもかかわらず「あの」特別科の教師?馬鹿バカしい……
…。
そもそも去年はあれほど問題になったのになんであるんだよ!
と、突っ込んでいても何も変わらない。
「どうせ」選んだ理由なんて目に見えてるからだ
「ここの書類にも書いてある通り君は去年の全国第六感総合力テストにおいて、とてつもない成績を叩き出してる。」
自分の目の前で副校長が書類を見ながらメガネを少しずらして言った
「「全国3位」」
「この事実は一応国の一部の機関と各教育機関の上層部しか知らない。だからこそと言うべきだろう、この学校の特別学級に選ばれたのは」
自分は少し暗くなって下を向いた。
いや本当は喜ぶべきなのだろう。この状況は…(だが悲しかった)
「……わかりました、やります。」
その言葉は「本来の自分」なら想像もできない言葉だった。
しかし、この学校で少しでも過去の自分と向き合い、「真の意味」での人を導ける人になりたかった。ただそれだけだ。
校長がうなづき、同意書を出してきた
「まぁ、もし辛くて辞めたくなったらこの紙を捨てなさい。君は教師を辞められる。だが、もし教師生活の中で何か見つけられる事があればここにサインをしてきてくれ。一週間待とう。」
そう言われ自分は校長室から無言で出てきてしまった。
そう、一応半強制的なので同意書を破棄すれば無効にする事も出来るのだ。だが校長は一週間も時間をくれた……
校長の方は案外優しい方の様だ。
この時間は大切に考えよう。
そう思い、特別学級がある別館に移った。
この学校は本館と別館からなる敷地200,000平方メートル(東京ドーム4個とちょっとぐらい)の巨大な学校である。
この学校は創立20年目でここら辺だとなかなか年季の入った建物であり、本館は主に教室と運動場、図書館とプールなどがある。別館と本館を結ぶ大きな食堂は片面ガラス張りの清楚な作りになっており、結構気に入っている。別館の方は元々本館だったのを改築して作られており比較的こちらの方が古ぼけた感じになっている。設備はやはり改築以前のが点々と残っており、今じゃ見ない様な物がちらほら目に入る。
大まかに説明した通りまず、この学校はシックスセンサーの学校であり、シックスセンサーの中でも格差がある学校なのだ。
これは中々重苦しい環境だ、
こんな環境でまともに学習ができるのか不安で仕方ない。
だがそんな事一瞬で忘れてしまった
「なんだこれ?」
特別学級の教室に足を運ぶ最中に思いがけないのを目にした、
壁一面に発するのすら嫌になる程卑劣な文字が並んでいたからだ。
いや、ただの卑劣な言葉だけではない。特別学級の生徒が写っているであろう写真に刃物が刺さっていたのだ。それも一枚じゃ足りない、20枚程度の様々な生徒の顔がボールペンやカッター、画鋲などの鋭利な物で刺されていたのだ。
言葉を失った。
それと同時に自分はとんでもない重荷を背負う感覚に襲われた
「痛い!頭が、……ウッ、」
頭痛と葛藤中の自分に、とある女子生徒が声を掛けてきた
「あの?、もしかして、先生?」
その言葉でふと現実に引き戻された。
「あ、ああ、君はどこの生徒さん?」
「今年から特別学級の出席番号1番。セレナ=ヴァイオレットです。」
「なる程、一つ質問いいか?セレナ」
「…はい。構いませんよ」
……。
「この学校は一体どうなってる?」
いやぁ〜盛り上がって来ましたね!我ながらこの回は重要な部分にしたかったので少し頑張って書きました!前回同様ご意見ご要望頂けると物凄い助かります!(豆腐メンタルに栄養ください。)