表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
メテオで始まる異世界生活。  作者: るるる。
6/150

魔法(物理)

もふもふにテンションが上がる。


おー可愛いな、兎ってそういやぁリアルで初めて見たな。本当にもふもふだな、触れるかな? 逃げるかな?


能天気にそんなことを考える。うん、わかってる。


まぁ無理か。野生の動物なんて警戒心強いだろうしな。まだ明るいうちにそろそろ帰るか。にしてもこんだけ森の中うろうろしてんのになんでか誰もいないな。もしかしてチュートリアルなのか?


そんな馬鹿なことを思いながら兎に意識を戻す。


そんな兎はこちらを見ている。実は先ほどからずっとこちらを見ている。その額にある長さ30センチはあるだろう角をこちらに向けて。


うん、さっきまでのは只の現実逃避だ。改めて観察する。


大きさは小型犬くらいだろうか? 赤い眼がキュートである。いやただ興奮して血走ってるだけかもしれない。


あきらかに「仲間になりたそうにこちらを見ている。」といった感じではない。「やんのかゴラァ!」といった雰囲気だ。


品定めが終わり勝てると判断したのか数舜後に兎がこちらに向かってダッシュしながら飛び掛かってきた!!


ヤる気だ。明らかにヤる気だ!


驚きながらも俺は咄嗟に横に避ける。意外に身体が軽く動く事に驚くが、兎は後ろにあった樹に刺さるとすぐさま頭を引っこ抜き、再度こちらに向かってくる。


『メテオ!!』


俺は咄嗟に叫ぶ。必死だ。


ドガッ!! 


鈍い音がして、兎は地面に落ちる。頭が無くなっていた。その死体の近くには握り拳大の石が半分ほど地面に埋まっている。


「なんか思っていたのと違う」


落ち着きを取り戻し何と無しにそう小さく声を零した。


なんの派手さもない、ただ石が現れて兎を倒した。これでは魔法(物理)である。魔法らしさがない。なんか魔法とはもっとこう凄い物と思っていたのに。しかもメテオである。これが簡単な初級の魔法ならいざ知らず、神様からもらったメテオである。否が応にも期待していたのにそれがはぁ……、まぁ嘆いても仕方がないか。


とりあえず兎倒せたし怪我しなかった。後もったいないから兎の肉を回収しよう。


気を取り直しそう前向きに考え死体に近づく。異世界補正かなんともない。


ふぅ、とりあえず肉を労せずゲットしてしまった。角と、眼もビー玉っぽいし綺麗だからついでに持って帰るか。


さて暗くなる前にさっさと帰ろう。そうしよう。


なんだかんと今日は肉をゲット出来てきて意気揚々とログハウスに帰る。


ログハウスに着く頃にはすっかり暗くなっていた。


中に入ると椅子に腰かけ『収納』からリンゴのような赤い果物を取り出し、自分と果物に『浄化』を使い齧りつく。リンゴ本来のシャクシャクした食感とさっぱりした味に、桃の甘さを少し足したそんな感じの果物だった。もう1つ取り出し今度は少し味わうように食べ始める。


これうまいな。それにしても今日はなんだかんだあり過ぎて正直つかれた。もう寝よう。


立ち上がりリンゴの芯を窓からぽいっと投げ、ベッドへ倒れこむ様に眠りにつく。


正直いきなり死んで異世界に放り込まれてどうしようと不安もあったが、

とりあえず明日考えよう。







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ