やっぱりメテオ。
いってらっしゃーい。
なんつぅ軽さだまったく。人一人を異世界に送るのにもっと気の利いた言葉があるだろう? まぁあの神様らしいと言えばらしいか。最後になんか不安なこと言ってた気がするが。
それにしても森だな。紛うこと無き森だ。此処は少し開けているが、それは目の前に割といい感じのログハウスがあるからだ。テンションが上がる。
まぁとりあえずは中に入るか。
中はキッチンと食器棚とトイレとベッド。丸いテーブルと椅子が二脚。その近くに暖炉があった。
なかなかに素敵なログハウスじゃないか!
さてかなり軽い気持ちで送り出されたっぽい森の中でこのログハウス。きっとここに住めという事だろう、そうだろう。……良いよね?
ただしキッチンには水道も食料も見当たらないけどな。
いや待て。まだだ、まだ慌てるような状態じゃない。周りを確認せずにいきなりログハウスに入ったからな! きっと周りに井戸か川があるに違いない。いやある! きっとある! 裏かな!?
早速確認のために外に出てログハウスの周りを一周し、とぼとぼと中に戻った。
……ねぇよ。まじか? あの神何を考えてんだ? このログハウスはミスリードか? って何のためにだよ!? いやトイレがあるんだからまず確かめるか。
トイレのドアを開け俺は驚いた。
普通の水洗トイレ…だと…? ここの下水はどうなってやがる? いや浄化水槽なのか? いや水はいったい何処から?
とりあえず流してみると水が流れた。止まるのを待ちもう一度流す。水が流れた。
……
いやキッチンに水道つけようよ? このトイレは有難いけど謎仕様だよ!
まぁトイレはこの際良いとして、とりあず周りに井戸が無いということは近場に水場があるのか? この鬱蒼とした森の中でそれを探せと? いやそもそも飲めるのか? 煮沸消毒か? っていうか火はどうすんだ? 平たい大理石っぽい上に五徳が2つただ置かれてるだけだぞ? スイッチの類も見当たらんし、枝をあの上で燃やすのか? サバイバルにも程が有るぞ?
そんなことを考えつつ、椅子の背もたれに体を預け眼を閉じる。
思考があれこれぐーるぐる。
あぁそうか。
しばらくしてある事を思い出し背もたれから体を起こした。ログハウスにテンション上がって神様の言葉を忘れていた。
「ステータスか。ってっっっつうぉ!? 吃驚した! 頭が爆発したかと思ったぞ!? しかしまぁ、これで生活は大丈夫か」
ステータスを言葉にした途端、うりゃっと手を突っ込まれ仕様書かなんかを無理やり頭の中に突っ込まれた気分だ。頭痛い。やり方ってもんがあるだろ……。
自分が今しがた覚えたのはサバイバルな知識と技術と『魔法』だ。改めて確認する。
えっとサバイバルはそのまんまだな。どうやら動植物の食べれる物と食べられない物の判別や動物の解体ができるようになったようだ。
『魔法』は、『生活魔法』…? 『ファイア』『ウォータ』『ウインド』『浄化』の四つ。
まず『ファイア』は火を出せて、『ウォーター』は水を出せると。分かりやすい。これで火と飲み水はクリアしたな。
それで『ウインド』は風を操れるらしいが、今のところ使い道がわからんな。空飛べるのか?
そして『浄化』と。これは清潔に保つ魔法らしい。どうやら風呂や洗濯とか要らなくなったみたいだ。着の身着のままいられるらしい。
そういや此処タンスないし着替えまで面倒は見てくれなかったようだな。でも普通に水道くらいは欲しかったな。魔法使えということだろうけど。
そしてもう一つ覚えた魔法が
『時空魔法』で『メテオ』『異次元収納』だ。
いやどんだけメテオ推しだよあの神様!!
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