メテオ!!
「もう一度言いますがあなたはすでに亡くなっています。そこでお尋ねしますが、ご自分の死亡原因は分かりますか?」
「いやまったく」
即答した。
パンを買って店を出て、気が付いたら此処に居たのだ。分かるわけがない。
「気が付いたら此処に居たし病気も無かったはずだし、死んだ前後の記憶が飛んでなければですけど?」
「記憶は飛んでないですよ大丈夫です。そして覚えてないのも仕方ありません。なにせ死角からの即死でしたからね」
「え? なにそれ怖い。死角からの即死とか意味わかんなんしほんと怖い」
いつから世間はそんな物騒になった?
俺がいた場所は戦争も内紛も無い平和な国だったはずなんだが?
というかマジで死角からの即死ってなんなの? 背後からの即死攻撃なの? 相手は忍者か必殺仕事人なのか? この現代になんなの?
そんな混乱中の俺にさらに彼女は言う。
「ちなみに誰かに殺されたとかじゃないですよ? それじゃ背後からの一撃ですし、死角からの即死とはちょっと違いますよね」
背後じゃないとするとどっかからの狙撃か?
「狙撃でもないですね。さっきも言いましたけど、殺されたわけではないので」
なるほどわからん。空から飛行機でも落ちてきた方が現実味がある。
「あぁ大体そんな感じです。惜しいです」
お? 惜しいということは空から何かが落ちてきたのか?
「飛行機じゃないなら……ヘリコプター?」
「違います」
違うか。うーんなんだろう? 他に空飛ぶ物ってまさかのUFOか? たしかにUFOの墜落に巻き込まれて死んだのなら彼女の興味を引くかもしれない、物珍しさで。
「いやUFOでもないです」
「UFOでもな……い?」
あれ? ……というか彼女もしかして、
「あ、はい心読めますよ?」
「まじか!?」
やっちまったぜ!!
ということはさっきからかわいい、小さい、美少女等の煩悩ただ漏れですか、死にたい。恥ずかしくて死にたい。むしろ殺してくれ。この世に神は居ないのか?
「いや、此処はあの世ですし、強いて言えばわたしが神です。それにすでにお亡くなりになってますってば。あとお褒め頂きありがとうございます。素直にうれしいですよ?」
少し頬に赤くしながらお礼を言いってくる。
だぁもうかわいいなぁちくしょう、これもただ漏れだが。
「っで結局の死因はなんなのですか? 死角の即死ってよくわからないですしそろそろ教えてください」
もう色々と降参し、そもそも心が読める相手に問答は無駄だし、俺のライフもやばい。すでにゼロで死んでるけども。
「うーん……そうですね。勿体ぶっても仕方ありませんし先に進みませんしお教えしましょうか。ずばり――!」
「ずばり!?」
ずばりとテンションを高めに勿体ぶる彼女につられるまま、ずばりと問い返す。
「メテオです!!」
「はい!?」
今何か変なこと言ったぞこの神。