ゴブリン。
「2階からはゴブリンが出るわ。あんたなら大丈夫だと思うけど怪我はしないでね?」
「おー心配してくるれるのかリザは良いやつだな」
「おだてても何も出ないわよ」
リザとの会話を楽しみながら奥へと進んでいくと、棍棒をもった人型の茶色い肌の横に耳の尖った小柄な良く分からんのが現れた。
コイツが多分噂のゴブリンだろう。
「それがゴブリンよ、やっちゃって」
「あいよ『メテオ』」
メテオの掛け声と共にゴブリンは瞬殺され黒く霧散した。
その後には同じく黒く小さい尖った石が残り俺はそれを拾い上げまじまじと見る。
「その黒いのが魔石って言ってギルドが買い取ってくれるからじゃんじゃん倒して集めるわよ!」
「ほぇー、ところでなんで死体が残らず消えるんだ?」
「さぁ? 良く分かってないわ」
「そうか。スライムは消えないのにな。」
「良いじゃない。魔石落とさないけど美味しいし。なんでも気にしていると禿げるわよ? さぁこの調子で10階まで行くわよ!」
「アイアイサー!」
さくさくとダンジョンを進んでいく。
リザがマップを確認しながら後ろから道を支持し、それに従い見つけたゴブリンは全てメテオで瞬殺していった。
棍棒をはじめ、ナイフ、ショートソード、ロングソード、杖にと多種多様だ。
だがただ持ってる武器が違うだけでやることは基本変わらないらしく、武器を振り回すだけらしい。
らしいというのは俺が瞬殺している為だ。
そもそも遠距離攻撃できない敵など俺の敵ではない。メテオの射程なめんな!
まぁそんなこんなで色々あったようで大した事も無く、10階までやってきたがこんなんで良いのだろうか?
「なぁリザ、サクサクと10階まで調子良く来てるがこんなんで良いのか?」
「ん? 良いって何が?」
「調子良すぎるというかなんというか」
上げてから落とすみたいな?
「本当は普通こんな簡単に来れないけど、あんたの魔法おかしいし問題ないわ」
「おかしいのに問題ないのか」
「うっさいわね、ほら此処がボス部屋よ、ゴブリンキングが待っているわ」
なにかしっぺ返しがあるんじゃないかと不安に思いながら進んでいると、ボス部屋にいつの間にか着いたようだ。
ボス部屋の前でさらに不安がでかくなる。何故ならここだけ扉があるからだ。
「なんでここだけ扉あるんだよ?」
「王の間だからかしら?」
「言いたかっただけだろそれ?」
「はいはい、ほらさっさと開けなさいよ、キングがお待ちかねよ」
リザに急かされ仕方なしに扉を開けると確かに部屋にはキングがいた。
王冠を冠りマントまで羽織っている。
「おい、さっきまでのゴブリンよりかなりでかいんだが?」
「キングだからね。」
「かなり屈強そうなゴブリンだな」
「キングだからね」
「なんで襲って来ないんだ?」
「キングだから王の間から出られないんじゃないかしら?」
「王が王の間に居なかったら大変だもんな」
「職務怠慢ねって! いいからはよいけ!」
リザ曰くゴブリンキングの王の間へと入る。はぁ帰りたい。
「ほらさっさと倒しなさいよ」
「王にその態度は無礼じゃないか?」
「それはもういいから倒さないと帰れないわよ?」
「『メテオ!!!!』」
帰れないという言葉に間髪入れず即座にメテオ放った。
王に威厳も何も無く、ただ今までよりも大きめの魔石へと姿を変えた。
「やっぱり魔法一発なのね、ねぇおかしくないその魔法」
「楽でいいじゃないか」
「まぁそうだけど、それじゃ帰りましょうか」
リザはそう言いながら奥へと進んでいく。え、なんで?
「え? 帰るんじゃないのか? なんで奥へいくんだ?」
「このすぐ奥に1階と行き来できる魔法陣があるのよ」
「なるほどそれで帰れるわけか。なんで来るときそれ使わなかったんだ?」
「ズルはだめよ、1度はちゃんと自分の力で来ないと実力がわからないじゃない。ここよ」
本当にすぐそこにあった。
ボス部屋抜けて少し進んだ右に、魔法陣が描かれた部屋があり、その逆側の魔法陣が描かれた部屋の真正面には大きい扉がある。
「こっちの部屋は何があるんだ?」
「そこ開かないのよ。鍵穴も無いしどんな事をしても開かないの。躍起になって壊そうとしたけどびくともしなかったそうよ。なにか特別な道具か合言葉が必要と言われてるけどヒントになるものもないし、お手上げね」
「ふーん、開けゴマ」
「何よそれ?」
「俺の故郷に伝わる伝説の開錠の呪文だ。何故ゴマなのかは伝わってないけど、これでも開かないのか」
「いや何でそんな良く分からない呪文で開くと思ったのよ? その方が疑問だわ。」
「いやなんとなくお約束では開くんだよ」
「お約束じゃなかったみたいね、気が済んだでしょ? さぁ帰りましょ」
「いやちょっと待ってくれ。もう一つ試したいことがある」
「まぁ、無理だと思うけど頑張って」
「中にお宝あったら今日のお礼にやるぞ」
「そう、ありがと。期待しないで待ってるわ」
リザは今まで開かなかった扉がいきなり開くわけが無いといった様子で、軽く子馬鹿に返してきた。ぐぬぬ。
だが大丈夫こっちには秘策がある。
少々強引だが力尽くで開けるとしよう、これで開かなきゃ諦める。
俺は意を決して目の前の扉を収納してみた。
「ほら、開いたぞ」




