お弁当
第3話
今日も朝が来た。まぶしいほどに照りつける太陽と共に目を覚ました。
「よく寝たぁー。」
急いで制服に身を包み、二階へ降りた。
「母さん。今日は遅くなる。」
「あまり遅くなりすぎないようにね。」
朝食をたいらげ、家を出た。
「行ってきまーす。」
「行ってらっしゃい。」
ここで俺のスペックと学校について説明しておこう。まず、俺だが身長175㎝、体重63㎏、顔は中の上位だと思っている。次に学校だが、ここから徒歩5分と電車で20分位のそこそこの県立高校だ。という間に学校に到着。
「おはよー徹、藤堂。」
「おはよー孝。」
「おはよー孝くん。」
今日も美しい笑顔で彼女はそう言った。
「ところで孝くん。昨日のこと考えてくれた?」
「俺も考えたんだけど、文芸部入ろうと思う。」
「ほんと!!孝くん。ありがとう。」
「おいおいお二人さん?俺の存在忘れてない?」
「あっそうだ。徹も文芸部入るんだよな?」
「そうだよ。藤堂さん。僕も入りますから。」
「あっそなんだね。アハハ。」
「てことで藤堂、今日、放課後文芸部室行くわ。」
「待ってるね。」
笑顔で微笑んだ。
一瞬ビクッとした。今のはなんだったんだろう。
(やっぱかわいいなぁ)
「おい。孝。なににやけてんだよ。」
「にやけてねえよ。」
「まぁ。どうでもいいけど。」
キーンコーンカンコーン
「俺、今日、食堂なんだけど孝は?」
「俺、弁当あるから教室で食うわ。」
「ふーん。じゃあ行ってくるわ。」
ふと教室を見渡すと、藤堂と目が合った。
(ヤバイ。緊張して言葉が見つからない)
「あっ藤堂っ」
「あっ孝くん。」
言葉がかぶった。
「どうした?藤堂。」
「あのね。一緒にお弁当どうかなって。」
「俺もそれが言いたかった。」
ニヤニヤしながら近づいてくるやつがいる。俺のクラスの委員長の小鳥遊薫だ。
「お二人さーん、仲いいね。私もまぜてー」
「まぁいいけど。」
「いいよ~たくさんいるほうが楽しいし。」
(内の学校って美人ばっかだよね。小鳥遊も美人だし)
「藤堂の弁当、めっちゃおいしそー」
「良かったら一つ食べる?」
「いいのか?」
「もちろん。この卵焼きあげる」
俺の弁当箱に卵焼きが入れ込まれた。ふと確認すると、2つ入っている。
「私のもあげる~ー」
小鳥遊が少し紅潮した顔でそう言った。
「二人ともありがとう。」
「どういたしましてっっ」
キーンコーンカンコーン
昼休みが終わった。
「おーい孝。起きろー。」
「ん?へ?」
「お前、昼からの授業全部寝てたぞ。」
「まじかよ。今何時?」
「三時半だよ。早く文芸部室行こーぜ」
「あっ。そだな」
眠たい目をこすりながら、俺達は文芸部室へ向かった。そこにはいると、前までは気づかなかったが、先輩の姿があった。
「今日からお世話になる斎藤孝です。」
「今日からお世話になる安堂徹です。」
「あら~後輩君達よろしくね!」
少し大人びた感じのきれいな先輩が俺達の前に立っていた。
「そーいえば、藤堂は?」
「藤堂さんならもーすぐ来ると思うわよ。」
ガチャ、、
「ほらね。」
「おう!藤堂。遅かったな。」
「ちょっと離せない用事があってね。」
(用事ってなんだろう。まぁいいか。)
「後輩君達!この部活は、文芸部という名だが実際のところは相談所みたいなものだ。要するにここには色々な問題が運び込まれてくる。そーゆうことだ。よろしく頼むぞ。」
「ってことで今日は解散!」
「藤堂~一緒に帰らない?」
「ごめんね。孝くん。今日は早く帰らないといけないの。」
悲しげな顔でそう言った。
「じゃあ徹帰るか!」
「そうだな。」
学校を後にした。
「孝~今日暇か?」
「ごめん今日は無理。」
(遅くなるとは言ったけど、これ以上遅くなったら心配かけるしね)
「じゃあな。徹」
「おう!!またあした!!」
長い一日が終わった。