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異世界転移は拒否っていいよね?  作者: 黒狐
突然の非日常の始まり
1/11

第一話 異世界召喚?いやいいです。

突然だが俺、恭賀きょうが 紅夜こうやはある能力を持っている。その名は《拒否する》と言う力だ。一見、ショボそうな能力だが、実は一人で世界を滅ぼせる位の力を秘めている。

例えば殴られた時にそれを《拒否》すると、なんと指定したモノからの衝撃などを反射、または無効化出来るのだ。他にも拒否の強さの度合いで加減ができ、消滅させるなど、まさにチートと言っていいほどの力だ。

まあ、現代の様な時代だとそこまで使う機会が無いから殆ど一般人と変わりはないけど。

あと、言い忘れていたがなんでこんな説明をしているのかは現在の状況が使わざるを得ない状況だからである。


「ほんっと、なんだよこれは…」


俺は今、謎の魔法陣によって身体が腰位まで沈んでいる…。


「やっぱりこれは異世界召喚って奴か?」


異世界召喚とか非日常だと思うけど俺自体が非日常だしあってもおかしくないな。


まぁ、面白そうだから行ってもいいんだけど、行ったらスマホとかゲームが出来ないだろうしな…、うん、やめとこ。


「さて、帰るか」


両手を地面につけて身体を持ち上げると、今まで泥沼へ沈むかの様にズブズブと沈んでいたのが嘘だったかの様に身体が持ち上がり、あっという間に魔法陣から脱出した。


何をしたのかと言うととても簡単だ、ただ召喚を《拒否》しただけだ。

恐らくそれにより魔法陣が無効化されたんだと思う。


「全く、異世界の人間?も人の都合を考えてほしいなぁ」


そしてまた自宅に向かって何事もなかったかの様に歩きだす。



『ウワァー、テガスベッタァー』


…フッ!



…棒読みの声が聞こえた瞬間、空から視認不可能な速度でナニカが飛んできた。



「…」



飛んできたナニカは、轟音と共に周りに砂煙が撒き上がり周りの地面に亀裂が走り俺の肉体を跡形もなく吹き飛ばした…






…筈だった。



「今日は何だ、天界とかでラグナログとかでも起こってんのか?」


飛んできたナニカ…白く輝く槍は、俺の目の前で時間が止まったかの様に、音もなく、停止していた。


そして、槍はトスッと豆腐に刺すかの様にコンクリートへと突き刺さった。

その数秒後に先程の棒読みだった者の声が何処からともなく聞こえたきた。



『えええええぇ!?えっ、ちょっ!?聖槍防ぐとかどうゆう事!?これは夢?夢なの?神様は眠らないよ!?なのに夢でもみてるの!?夢じゃないなら一体何者!?』



「こいつ、直接脳内にっ!?」



言ってみたかったランキング10位の台詞を言えた、やったぜ。



『真正面から聖槍を防ぐなんて、貴方は本当に人間ですか!?』



「人間だ!立派な地球出身の17歳の高校生の人間だ!」



『嘘ついたら地獄に行きますよ!』



「嘘じゃねぇぇぇぇぇ!」



それからこんな感じのやりとりが数分ほど続いていた。中々信じてくれなくてもうこっちが自分の事が人間なのか疑いそうになった。



『…本当の本当に人間なんですね?』



「うむ」



『本当の本当の本当に人間なんですよね?』



「うむ」



『本当の本当の本当の本当に人間なんですよね?』



「マジでそろそろしばくぞ」



『分かりました、分かりましたからっ!そのこちらにまで届きそうな気がする拳を降ろして下さい!』



「はぁ…」



マジで疲れた…今日はもうゴロゴロ寝転んでゲームしときたい。



『疲れたとか言わないで下さいよぉ…私の方こそ驚きすぎて疲れましたよ…』



「大体お前の所為だけどな」



『うっ!確かにそうですけど、紅夜さん、貴方にも非はあるはずです!』



「俺が一体何をした」



『異世界への転移の拒否』



「なんだ、何もないじゃないか」



『いや、ありますからね!?』



「あー、なにも聞こえなーい、頭痛くて聞こえなーい」



『聞いて下さいよ!』



「あー、もう疲れたし家に家に帰って寝ようかー」



『あー、もうっ!ちょっと待って下さい!今からそこに行きますから!』



…へ?今なんと?



その直後、目の前にまばゆい光が出現する。


その光は少しずつ門の様な形へと変形し、そして、開いた。

その直後、直視出来ない光が門の中から溢れ出て思わず目を瞑る。



「ぐぉぉぉ!目がぁぁ!」



しばらくすると光は収まり状況確認の為、目を開ける。すると目の前にソレは居た。


少し幼さを残した顔立ち、白のワンピースの下にある雪の様に真っ白な肌、白色に輝く髪、全てを見通す様な金色の目、そして背中から生えているであろう天使の様な羽、まさに女神の様な姿だった。


そして俺は初めてみるその言葉にならない美しさに暫く見とれていた。

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