プロローグ 堕ちる
初めての連載です。エタらないように頑張りますのでよろしくお願いします。
「じゃーな、葉暮」
「おう、またねー」
僕は葉暮十影、高校一年だ。今は塾から帰っているところだ。ちなみに塾に通っているのは自分の意志ではない。単純に成績がピンチだからだ。親にテストが見つかり半強制的に塾に通っている。
塾に通っていることでもわかるが、家はそこそこの収入のある家庭だ。両親に弟と自分の4人家族だ。家族仲は良いほうで休日にはよく旅行に行く。つい最近も山奥でキャンプをしたのを覚えている。あの時見た星は綺麗だった。それはそうと
「時間が絶対的に少ない」
九時を過ぎた時計を見て愚痴をこぼす。学校の予習復習に塾の宿題と課題課題の毎日にわずかにうんざりしている。中学生の時は遊びで埋められていた予定も灰色の時間で塗りつぶされていっている。気分転換に緩い部活でも入ろうかな。
「あ、雨だ」
確か予報では何年振りかの大雨が降るとか言ってたな。たまたま持ってきていた傘が役に立ったことに頬を綻ばせる。
予報のせいか車がいつもより少ない。
大粒の雨が傘を打ってボツボツと鈍い音がする。地面に落ちて跳ね返った雨が僅かに足元を濡らす。今は制服なので、帰ってから乾かさないと次の日悲惨なことになる。
トンネルに入ったところで傘を閉じる。軽く傘を振って水を落として正面へと顔を向ける。
何かいる。さらに目を凝らす。体格からして子供のようだ。僕は安心して歩きだす。
子供も此方に向かって歩き出す。
子供との距離が縮まったところで気づく。
…違う。子どもなんかじゃない。少し身構えて警戒する。
「グギッ、グググッ」
緑の身体、とがった耳と歯。
「!ゴブ…リン?」
異形が、そこにいた。
投稿は2週間に一回を予定しています。
誤字脱字等ありましたら教えていただけると幸いです。




