第7話 目覚めたら中級NPC
ちょっと頑張りすぎたかもしれません。
「ヒャアアアアアア、ハアアアアア、かいかあああああああああああん」
叫び声を上げながら、回りを眺めて立ち上がるとそこは草原の上であった。見渡す限りの草原で、地平線まで見える。日が傾きかけており、一面、夕日を浴びて金色の草原と化していた。
「あれ、ここどこだ?えーと、状況を少し整理してみるか。えーっと、バイトから帰る途中で電車に乗っていたはずだったよな」
「それから、起きたらいきなり、変なょうじょがいる妙な部屋に居て、穴があったからそこに入って、その場からバックレてきたんだっけか…。」
「なんか動きづらいな。」
「ああああああああああ、なんんじゃぁああああこりゃあああああ!!!?」
よく見ると自分の腕が、かぎ爪の4本指になっておりウロコが生えていた。かろうじて3本の指と親指?で物はつかめるようだ。同様に足を見ると、足もかぎ爪になっており、足も4本指になっていた。口は尖がっており、よく見えないが手で触ってみると、歯がギザギザになっていた。加えて尻尾まで生えていた。どう見ても人間ではない。
「そういえば、異世界、天上界とか転生とか聞こえた気がするな」
「確かに、あの部屋が天国で、生まれ変わったというのなら説明はつく…。ん、転生??てことは俺は死んで、この姿になったってことか」
「いや、しかし転生にしては何で前世の記憶残ってるんだろうか??もしかしてバックレたからか?」
確証はないが、あの部屋で一定の処理を受けた後、普通は転生していたのであろうと幸助は推測し、あまりの事態に頭がオーバーヒートしそうになりながらもかろうじて意識を保っていた。
「はぁ、短い人生だったな…」
そういって、自分の人生を走馬灯のように思い出してみる。バイトを最初にバックレたあの日…。そして、バックレたあの日。そして、寝ていた学校。あまりの実りのなさに、若干心が折れそうになりながらも、これからのことに思考を巡らす。
「よし、寝よう。」
幸助は現実逃避することにした。
章管理よくわからない。誰か教えて。