第1話 日常風景
ピピピピ…
目覚ましが鳴る。
パタパタパタ…
1階から、母の朝食を作っている足音が聞こえてくる。
「お兄ちゃん、おはよう~~いい加減起きてよ~」
うーん、まだ寝ていたいよ~もう…
「学校に遅刻しちゃうよ~」
「うーん…もうちょっと…」
「よいしょ。」
「ぎゃああああ、眩しいい!! めがあああ!!」
いつものように、早苗が窓ガラスのカーテンを開ける。いつものことであるが、慣れるということはない。この部屋は東に面しているため、直射日光が入り込む。また、窓ガラスの割に部屋が狭いため、直射日光からの逃げ場はない。早苗を部屋から追い出し、着替えを始める。
「早苗ちゃんいつもありがとうね。あの子全然起きないからいつも助かっているわ」
「お母様、幸助君のためです。へっちゃらですよ~てへ」
1階から早苗と母の声が聞こえる。へっちゃらということは、ほんとは嫌なんだろうか…。うーむよくわからん。そんなやり取りがいつものようにあり、1階で朝食を済ます。今日はハムエッグトースト、味噌汁、サラダだ。簡単なものではあるが成長期の俺にとっては食欲をそそるぜ…。
「「いってきまーす!」」
「おう、がんばってこいよ」
「いってらっしゃーい」
いつものように、俺と早苗に対して父と母から見送りの挨拶があり、いつものように高校生活が始まる。
月1ペースかもしれません。