第1章 1節
目が覚めると一本木の丘にいた
風と太陽?の光が気持ち良い
元居た世界では開発の進んだ場所に住んでいたので自然の風がこんなに気持ち良いとは思いもしなかった
そういえばこっちに来る前は夜だったなぁ
こっちではまだ昼みたいだし少し寝ていこう.......
少し寝すぎたのだろうか...空気が冷たい気がする...
目を開けると空は紅く染まっていた
この世界のことは何も知らないからそろそろ動かないとだめだろう
とりあえず町を目指したい
この丘は少し高い場所にあるようだ
見渡してみるとおそらく西であろう方角に森とその先に壁のようなものが見えた
森を迂回しつつ壁のほうへ行くことにした
そろそろ壁の近くというところで
衛兵らしき格好をしてる人に声をかけられた
「おいそこの者。」
「はい?」
変な声が出た
そりゃそうだろ
甲冑なんていつの時代のものなんだよと思ったがここは俺の常識が通用するとは限らない
「どこから来た。名前は?」
「少し離れた丘からです。名はエリアス・シュヴァーリン(Elias・Schwarin)。ここはどこですか?」
「ジャンパ王国の南にある小さな町、『リト』だ。丘からきただと?ふざけてるのか?」
「いえ、本当ですよ。気がついたら丘にいたので。」
「記憶喪失か?怪しいものじゃなさそうだが服装が不審だ。こっちにこい。」
パーカーって不審かな?この世界にはないのか?
だけどまぁ、なんとかなりそうだ
ジャンパ王国か、なんだか住んでいた国の名前に似ているなぁ
といろいろ考えてるうちに詰め所みたいなところに連れてこられた
「ちょっとそこで待っていろ。」
「はーい」
と先ほどの彼は何かを探し始めた
「あった。そこのお前、これを着ろ。」
「あ、はい。」
渡されたのは紙でできてる様に見える古っぽい服だった